散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

一日を二日に分けてみる。

2007-04-27 14:44:44 | 思考錯誤
物置で探し物をしていたら、こんな人形が出てきた。
スペインはバルセロナで入ったガラクタ(?)を売っているような可愛い店で買った筈だ。
最近記憶が怪しい。



このところしばらく夏のような日が続いている。まるで南欧のようだ。
どうやら東京よりも気温は高い様子。
27度だ29度だ、などといっているが湿度が低い所為で日陰に留まれば暑さは感じない。
丁度心地よい事この上なし。
天気予報のマークもお日様マークが続いている。記録的にな晴れマークの連続。
しかし、今からこれが続くのだとしたら農家は大変だろうね。
森林火事への警告もある。

。。とは言え天気が良いのは兎に角良い。

粘土でオブジェを作っていたら、どんどん土が乾いてゆく。
つられて思わずセカセカと慌てて手を動かしたら、妙なものが出来上がってしまった。これも天気のなせる業。

すっかり自然は夏の装いに近づいている。
というか春と夏がごちゃ混ぜのサラダという感じだ。

「昼寝はいいよ。小一時間眠っておきると又朝が来たみたいなかんじだし、それら気分一新してあらたに仕事を夜中までするんだよ。一日に二日あるようなもんだ。得した気分だよ。」と先日、スペインに住むオランダ人の知人は言った。

そういう風に上手くゆくものかな? もしそれが上手くゆくのならば、今私に必要なのは昼寝だ。

それにしてもこんな好天気が続いたら、クーラーなど珍しいこの地においては昼寝を導入するのがよいかもしれない。

しかし、天気のことばかりは全く予想がつかないから、夏に入っていきなり冷え込んだりしないとも限らない。来週に入ってすっかり曇天続きになるとも限らない。
晴れ間にはせいぜい陽射しを楽しむのが正解。

決め手は冷えたビールとスペイン風オムレツなどが好ましいと言う気分だ。





展覧会メモ
5月4日Vernissage (Engelskirchen)
5月11,12,13日 International Podium(Doetinchen、Holland)
6月2日Vernisagge (Moers)
8月25日Vernissage (Essen)
11月5日Vernissage (Engelskirchen)

気ぜわしい毎日が続いている。
あがいている毎日といった方が正しい状況表現。
昼寝をして一日で二日分はかどる魔法はやはりどう考えても無理に思える。

りんご

2007-04-21 21:24:19 | 思考錯誤
林檎
先ず手のひらに乗せる。
鼻先に持ってゆく。
香を吸い込む。
きゅっきゅっと布で磨く。
手にとってくるくる回しながら

おもむろにかぶりつく。
もちろん皮は剥かない。

しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。
もう一口
しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。
もう一口
しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。
もう一口
しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。
もう一口
しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。
もう一口
しゃるり、しょりっ、しょりしょり、しゃくっ、しゃくっ、しゃぐしゃぐしゃぐ。。。

林檎を咀嚼する音
私の耳の奥
頭蓋骨の内側あたりで
弾むような調べを奏でている
耳を傾けながら
林檎を
食べ続ける。
食べ続ける。


今年の流行はというと。。。

2007-04-19 10:51:58 | 美術関係


写真ブームが去って絵画がこの数年もてはやされてきた。
今度は彫刻の出番なのだそうだ。

彫刻=IN、絵画=Out

そんな風に言い切ってしまう事が変なはなしである。その上、作家が自然に作る流れとも違う。トレンドメーカー(といってもこの場合ものを作り出す人ではなくて流行の流れを提唱する人々、空気の流れを分析してコンセプトを練り上げタイトルをつける事が上手い人たちのことだ。方向指示機のような専門家の意味。)達は定期的に何かしら新しいテーマや素材を常に提供しなければいけないものらしい。
今年はルーズなミニスカートにハイヒールが流行ですよ、ポイントは赤ですよ、と言う話と同じだ。
アートも消耗品か。
「今年は彫刻がトレンディなんだって?それじゃ、そこの大きい奴を一つ貰おうか。でも家の玄関にはもう少し小さいサイズがいいなあ、これSサイズはないの?」なんてね。

トレンドと言うのは面白いものだ。不必要かとおもうと、ある意味で市場の活性化をに役立っているのだろう。
トレンドがどう動いても、なにがどう騒がれても私は別段文句はないし、だからといって追う気もない。
「へえ、そうなんだね。」と面白がったり感心していればよいのだ。
情報はさらっと受けておきながら、キチンと整理して自分に必要なものが無いかどうか検討し、残りはゴミ箱に捨てる。
殆どが捨てる部分であっても、何かしら栄養になるものって何処にでも見つかるものだしね。
要するに我々に必要なのは選択する為の自分自身のものさしである。
それが無ければ振り回されてくたびれる事になるだろうし、何がなんだかわからなくなってしまうだろうね。


「この絵でございますか?奥様が昨年お買い上げになられました油絵はもう流行おくれでございますよ。今年のトレンドはなんといっても立体でございます。此方のボイス など如何でございましょう?いささかかさばるのと、ワックスの匂いが気にはなりますが、何にしろ流行でございますから。。。きっとご友人方々の間で話題になる事請け合いでございますよ。
ほら、この色合いが今日のお召し物とまたよくお似合いじゃありませんか! その脇にちょっと立っていただけますか? ほうら。。。ピッタリ!でございますよ。 ちなみに彫刻は後2,3年は人気が続く予想でございます。。。」


リンブルク

2007-04-17 09:22:53 | 写真
先週末の事。
今週からマーストリヒトで始まるグループ展に出す作品を企画人に届けるためにオランダのロールモントと言う街に行った。
展覧会を企画をしたのはスペインはマラガに17年住んでいるオランダ人。
ロールモントには作家でありながら小さな画廊を企画している人物がすんでいる。
住処を訪ねると中々良い住まいで、丁寧に自分たちで手を入れた家はうらやましいほどに隅々が生きている。

ロールモントはリンブルク州にあって、この地方の方言はかなり難しい。
我々の話しているのはオランダ語じゃないからね、なんていう始末だ。
どちらかといえばドイツはケルンの方言に近いらしく、ケルン人とリンブルグ人がお互いそれそれの言葉を話しても通じるのだと、だからドイツ語を話すのは楽だとも知人は言った。知人は独特ななユーモアを持って話すひとだから、時々信じていいのかどうか至極単純な私は判断不能に陥る事がある。しかし確かに複雑な歴史を持っている場所なのである。
詳しいことはよく知らないので、この件においてはとりあえず棚上げしておこう。

さて、知人の行きつけの飲み屋に向った。
燦燦と明るい外のテーブルはすっかり満員で仕方なく暗い店の中に席を見つけて落ち着いた。
知人が店の給仕にオランダ語で注意を促してみるのだが中々来ない。
リンブルク語で声をかけるとたちまち気付いてくれたというのは偶然だったのだかどうだか? 
しばらくしてふと気がつくと、70x50cm厚みが10cmほどの棚のような物が店の隅の壁に掛かっていて、分厚いビニールが前を覆っている。見ていると時々常連らしき人がビニールの覆いを開けては何かして帰ってゆく。
覆いの向うにはどうやら煙草箱ほどの小箱がぎっしり並んでいて、それを本棚から本をとるときのようにちょいと人差し指で引っ掛けて半分だし、何かを放り込んでは仕舞って帰ってゆくのだ。2度程その一連の行為を目撃してとうとう我慢できずあれはなんだと聞くと
「貯金箱だよ。」と言う答えが返ってきた。
つまり常連達がお釣や残った小銭を箱に入れて帰る。ある日思い出して貯金箱を覗くと飲み代が入っていたりするわけなのである。
ちょっと面白いシステムだ。
これってオランダの飲み屋では常識なのか?と聞くと〝リンブルク人”は「そうだ。」とうなずき〝オランダ人”は「今まで見た事が無かったよ。」といって笑った。
でもこういうのって楽しい。店と常連客のコントクトがちゃんと成立している場所でなければありえないことだ。
別れ際に頬に挨拶のキスをリンブルク・オランダ人は右左右と3度し、オランダ・マラガ人は右左の2回だ。
「オランダでは挨拶のキスは3回だからね。」
「スペインでは2回だよ。」
国によって回数が違ったり、それほど親しくないから1回だの親しいから3回だの、ややこしいものだな、と時々思う。




オマケ その1

 

白アスパラガスとジャガイモのパイ。
オランダの農家で白アスパラガスが安かったので買わない手は無い。
かなりいい加減に作ったので見栄えは悪いけれど美味しかったのは素材の所為だろうね。暖かいよりも冷えた時が又美味しいように思う。

最近アスパラガス収獲時期に出稼ぎに来る労働者達が給金が安いとドイツに背を向けているそうだ。アスパラガス農家は困って途方に暮れる場合もあるらしい。来年はもうアスパラガス畑はやめてジャガイモにするしかないなどとさえいっている人もいる。
そんなものなのか?
いずれにせよアスパラガスはこれから値上がりこそしても安くはならないのかもしれないなあ。

オマケ その2


我が家の藤も咲き始めた。白い花はメキシカン・オレンジ、そしてナルコユリも花の蕾が愛らしい。

夏日

2007-04-16 20:52:01 | 思考錯誤
蒲公英の花を沢山積んできて熱湯に放ちさっと引き上げて三杯酢に漬けた。
若葉を摘んでさっと湯がきオリーブオイルと大蒜やヴィネガーであえて見ると中々美味しい。
苦味が嫌いな向きには美味しくは無いかもしれないが、このほろ苦さが私は好きだ。春を食べるのはワクワクする楽しみだ。

 
 

ポポンタ



あっという間に花が咲き、咲き終わり、たんぽぽは綿毛になって(ぽぽんた)日溜まりをゆらゆらと浮遊している。

蒲公英食べる
蒲公英見る



先週の土曜日にいきなり夏が来た。
彼は今日もまだ滞在中である。
何時まで留まっているつもりなのかはわからない。
すくなくともまだ2,3日は居残るつもりらしいことは予感できるが、なにぶんにも気まぐれな奴だから急に気が変わってプイと去ってしまうのだろう。
油断はならない。
この2,3日で自然は狂ったように変化した。
じっと目を凝らして観察したならその成長ぶりが見えたはずだし、音だって聞こえたのじゃ無いかと思う。
軽い花粉症を持っている相棒はくしゃみの連発発作と鼻水に悩まされて、良い散歩日和にもかかわらず部屋に篭っていなければならなかったし、私でさえも、ほんの少し目の淵が痒いような気がしたくらいだ。
予報では30度近くという話だったが、27度位で納まった様子。それにしても今の時期にこの暑さは妙な感じだ。

季節到来

2007-04-13 15:31:58 | 飲食後記


近所のホワイトアスパラガスの畑


私はアスパラガスに目が無い。
私は店先に積まれたクリイム色のアスパラガスを見かけると抵抗できない。
私は磁石に吸い寄せられる鉄くずのようだ。
私は罠の中の餌に引き寄せられるネズミとそう変わらない表情をしているだろう。
私は。。。。。

季節到来

アスパラガスがあちこちに並ぶ季節となった。
店頭に現れるのが早かった。
店の人に訊くと、今年は暖冬で植物が早めに活動し始めたので収獲が早めになったということだった。早く出回るがアスパラガスの根が疲れてはいけないので今年は収穫期を早めに切り上げるそうだ。

古代ギリシャでアスパラガスは痛風、咳止めや、胎毒の排出のために珍重されていたらしい。紀元前460年頃Hippokratesが薬草としてのアスパラガスを揚げているそうで、その根や種子を利用したということである。

ビタミンA、C,B1,B2,Eが豊富であり、カルシウム、リン、カリウム、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル成分も含む。

2005年2006年もアスパラガスの話を書いている。それくらい美味しいんだからしかたない。最も人の嗜好は十人十色。これが好きでない人もいれば、食べるけれど何の興味も無いという人もいるわけで私が口角に泡飛ばしてアスパラガスを讃えても、ああ又今年も始まったね、もうすぐ5月かな?などと言われるのが落ちなのかもしれないけれどね。


Jacob Theodor Tabernaemontanusのバーブ図鑑にもアスパラガスが紹介されている。
Kräuter Buch, Basel 1664

夢遊:赤い帽子

2007-04-10 15:24:58 | 夢遊


今朝見た夢。
起き掛けに寝ぼけマナコで描いてみた。
青空に朱色が勝った帽子が沢山浮かんでいるのが美しかった。

その前の場面では私自分が飛んでいた。
しかし、私の飛ぶ夢では楽しかったためしがない。
高く飛翔するのではなく、夢の中で走るときと同じく停止してしまうか、落ちそうになるばかりで必死にもがかねばならないのだから。。。
結局バスに乗って目的地に到着することになった。その上ひどく遅れてしまう。
飛べるのに面目丸つぶれである。
「君はだから最初からバスに乗ってくればよかったのだよ。」
と呆れられて実に情けない気分であった。

(何か私は間違った方法を選択しているという事に気がついているというのか?)

なんだか朝からガクッと疲れるね。

とは言え、赤い帽子が沢山浮かぶ青空はなんとも幻想的で気に入った。

卵集め

2007-04-09 04:45:28 | 収集物品


本日晴天なり。
道端の吹きだまった桜の花びらがくるくると踊っている。

去年に引き続きイースターの卵飾り展示即売会を覗いてみた。
コレクションを始めると物が増えるのが悩みになるから、やめておこうと思いながらも贈り物として購入しておくというのも悪くない、というアイディアを見つけて今年も2つ選択。

美術館を出て明るい日溜まりを散歩する人々に混ざりしばらくそぞろ歩き。
いつものケーキ屋の前でいつものように立ち止まる。
                                
                                     

昔ながらのパンやケーキを作る店で、年配のご夫婦が二人で店をきりもりしている。主人は大分腰も曲がったとはいえまだ元気そうだし、奥方もきびきび接客している。
実はこの店のパンやケーキが飛びきり美味しいと思った事があるわけではないのだけれど買わずには帰れないのだ。
やっぱりケーキと夕飯用のバゲットを一本買った。

そのままライン河沿いを少し散歩する。
なんとはなしに散歩道の脇に立っていた看板を読んでいると、スッと私の横に人が近づいてきて屈み
「Hey,look at this, look at this...」といいながら私の足元をつついた。
何事かと足元を見ると手品師のように開いた彼の手のひらに小さなチョコレートの卵が2個乗っていた。
私はからかわれていたたわけで、後姿が子供にでもみえたのだろうか?
チョコレート卵を受け取ったまま驚いて目を丸くしている私を見てみんな笑っている。

歩き去る大男の後姿に兎の長い耳が見えはしなかったか?

なぜなら、イースターに卵を担いでくるのは兎なのだから。。。

カタツムリ

2007-04-06 22:52:32 | 思考錯誤
カタツムリのように作業中。
けして焦らず、しかし前進すること。
マイペースに少し上乗せするくらいが良い。



カタツムリの名前はホルテンジア。
ホルテンジア(アジサイ)の
葉の上でスピードレース
日がな一日走り回る。
スピード狂のホルテンジア。
葉っぱを齧りながら走り回ったので
レース編みと見まごう葉っぱ。
やがてぽっかり穴が開いて
一直線に地面に落下。



何を言いたいのだろうかと首を傾げているそこの方、あまり深くお考えになりませんように。。。



まあ、そういう事もある。。。。


さくら

2007-04-02 00:00:59 | 自然観察
 



今日は天気が再び回復。
木々の花があちらこちらにこんもりとした白やピンク色の山盛りの泡のようだ。

散歩の途中、桜の木の下に立つとミツバチたちが働く音がうるさいほどだったので驚いたのだが、よく見ればその脇に小さな養蜂場があった。
働き蜂たちの一途に働く姿にしばらく見とれる。ドイツの蜂たちはまだ健在だ。北アメリカのミツバチ失踪事件の顛末はその後どうなったのだろうか?

春先になるとレンギョウや桃、桜やウンリュウヤナギなどの枝が花屋に並ぶ。
昨日はサンゴミズキ-Cornus sanguinea -の枝を一束買ってきた。真っ赤な枝においしそうに若い黄緑の芽が出てきているところだ。大きくて深い花瓶が欲しくなる。
来週末はイースター祭りで、芽吹く木の枝に卵の飾りを沢山下げて玄関や窓辺に飾る。そんなわけでこの時期、枝の売れゆきは中々良い。



昨日は友人から、忘れられていた誕生日プレゼントが届いた。
実際のところ彼女は忘れていたわけではなく、闘病中で中々ゆっくり会えなかったのだ。
彼女が持ってきてくれたのはCosmos atrosanguineus上手く花が咲くと嬉しい。
私が今年密かに目をつけている花色は「黒々とした赤」なのだ。上手く咲かせる事が出来ればピッタリ気分に合う。