散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ベゴニアを食す

2007-08-29 21:52:25 | 植物、平行植物
花を食べる。
薔薇の花びらを食べる話は以前にも触れた事があったのだけれど、ベゴニアをふと口に入れて齧ってみたらなんと酸味があった。
それも中々はっきりした酸味だ。
赤いベゴニアを摘んで料理に使えばちょっと面白い物が出来るかもしれない。
赤いヒナゲシの花びらを沢山蜂蜜のなかに混ぜ込みピューレにしてデザートに使うという話を先日聞いたばかりで、残念ながらもうヒナゲシは終わってしまったので、覚えておいて来年の楽しみにしようと思っていた所だが、ベゴニアと蜂蜜で作っても赤くて甘酸っぱいソースが出来はしないかな?
それを真っ白なババロアなんぞにかけていただけば赤白のコントラストが際立ってさぞ美しく又美味に違いない。。。とは言えそんなに沢山の花を摘んでしまうのが気の毒でただ真っ赤な花を眺めているところだ。
ポトッと落ちた花や手元に生えている様々な香草を刻んでクリイムチーズに混ぜ合わせて見るとちょっと初夏が戻ってきたかの様な感じがして楽しい。







  

露球

2007-08-25 09:20:49 | 思考錯誤
まだ薄ら寒い朝早くに私はこれを書きながら時々両手を擦り合わせて暖めているという具合です。昨日は日中晴れていきなり気温が上がり28度の快挙でしたが、夜の内に冷えこむのでまた今朝は涼しく15度。 幸い今日も晴れる予報で25度にあがるというので散歩日和です。 



暑い国の友たちへ、暑中お見舞い申し上げます。

巨峰

2007-08-24 09:51:31 | 思考錯誤


ガラス作家の友人がグループ展をするというので出かけた。
住宅街の中で裏に回りこむとガラスの温室が庭の中に建っている。中々おしゃれな庭でガラスの作品が庭や温室の中に点在していた。
展覧会主催者はチェコのガラスアーティストを特に押しているようで、来年には街の一等地に画廊を開くというから、ちょっとした資産家なのだろうな。

ところで温室天井に葡萄が元気よく這い回って実の大房を垂れていたのがとても美しく眺めていると主催者のご主人が寄って来て、これは日本の葡萄だという事なんだがわかりますか?という。
一粒頂くととても薫り高く甘く美味しい。初めての訪ね先でもっと食べたい!と駄々を捏ねるわけにも行かず一粒を味わっただけだったのが残念だった。
風味がずっと私の頭の後ろのあたりに引っかかってぶる下がったままに家に帰ってお茶を飲んでいるとあの味と姿は「巨峰」ではなかったか?と思いつきインターネットで写真を探すと姿かたちはまさにそのとおりだったので間違いないと思う。
温室の中だから育ったのだろうけれど立派な木に育っていたので驚いた。。。と言う話でした。




草木染め3

2007-08-23 09:22:11 | 製作記録


この後しばらく手は黄色く染まってしまった。




セイタカアワダチソウが一面に咲いている空き地を長い事見ていない。
アキノキリンソウの仲間だそうだが、どちらかと言うと個体としてはアキノキリンソウの咲き方が好みだ。
しかし、セイタカアワダチソウが群生し花が咲いている所は金色の海原のようでまたそれも美しい絵になる。


セイタカアワダチソウの花が咲いているのを見るだけで喉がむず痒いといっている人がいたけれど、しかしこの植物は風媒花ではなく虫媒花なので花粉を大量に撒き散らす事がないのでそれほど悪さをしないらしい。

悪名高き金の泡草はそれどころか中々面白い。
北アメリカ産のこの植物は荷物に種がまぎれてやって来て繁殖したばかりではなく養蜂のために故意に蒔かれたという話も読んだ事がある。
他の植物にもた見られる事らしいが、根から他植物に対して成長抑制化学物質を出す。ところがこれは自分自身にも効果をあらわすから、そのうちに繁殖が止まるらしい。自家中毒。
春先にはこの若芽を摘んで天麩羅なぞに料理していただくと中々美味しいそうなのだ。少しアスパラガスに似たような味がするというので、来春は是非試してみたいのだが近所ではあまり沢山見かけない。
そのセイタカアワダチソウを少しだけ摘んできて例によって草木染実験をすると、なんと鮮やかな黄色に染まった。もっと沢山煮出せばかなり濃い山吹色になりそうだ。

もう一つはテラスの薔薇を剪定したのでその枝を即刻煮出して染めるとやはり美しい檸檬色に染まった。

セイタカアワダチソウや薔薇の枝で染め上げた金色の布で小さな枕でも作ればよい夢を見る事請け合いだ。








    薔薇           セイタカアワダチソウ







煮出したのはこの薔薇の枝。
この薔薇の名前が行方不明だ。
〝Pink”が名前の頭か尻尾についていたことだけ覚えている。
小振りの花は甘いとてもよい強い香を放つ。


展示終了

2007-08-21 18:05:43 | 製作記録




Neue VHS Essen ギャラリー


”隠された風景を捜して”


2007年8月26日、日曜日 12時15分からのオープニングへのご招待。
展覧会期間: 2007年8月26日から10月19日まで
月曜から金曜 9時から22時まで
VHSエッセン、 ブルク広場 1
インフォ:アリアーナ・ハックシュタイン0201-8843207

(同館にて11時よりマンフレッド・ダーマー教授による中国弦楽器の演奏会にもあわせてご招待いたします。)



独り言>>>

床置きの作品が多く展示に苦労は無くスムーズに作業が進む。
想像していたとおりに出来上がったので一安心。
10時から展示を始めて、12時頃プレスインタヴューがあり2時半頃には全て完了。
ラジオのインタヴューなども来たけれども、いきなり大きなマイクを向けられても話す事がまとまらずに少々混乱。
しかし今回の展示はかなり手際が良かった。めでたし。

25日はEssenで”Love Parade"(テクノミュージックの祭り)があるので、26日の街がどんな様子になっていることやらちょっと不安だ。その他の催し物が幾つか重なっているので、来客に期待できず。。。。だ。



帰宅した頃から急に寒くなり始めて雨が降り始めている。




ギャラリーの前にあるDomでマリア様に無事祈願。。。


草木染め2

2007-08-19 20:02:48 | 製作記録
以前から野原に牛蒡とそっくりな植物が生えている。。と思っていた。そういうときにはすぐに調べる私なのに、これに関しては何故か同種であっても別物なんだろうなと勝手に決め込んでいたのだ。しかし気になって調べて見たらやはり「牛蒡」だった!
ヨーロッパでは若葉をサラダにして食べる事もあるがそのほか利尿作用、健胃剤としての薬効を利用している。何故今急にArctium lappa (牛蒡)の話が出たかというと、私を知る人ならもう想像がつくだろう。
片端から煮ているのだ。
この葉の佃煮が美味しい。。。からではない。
もちろん食るわけじゃなくて布切れを染めている。牛蒡は根を煮て染めると綺麗な緑が出るので、それでは葉はどうか?牛蒡とそっくりなこの植物では似た結果が出るのじゃないか?と思ったわけです。
結局の所、葉だけでは綺麗な緑ではなくくすんだ灰緑となった。葉が少なかったのもあって、あまり綺麗な色では無かったので、思わずそこにあった紫玉葱の皮を発作的に投げ込んでしまった。
紫玉葱の皮を煮ると当然の事ながら赤紫の濃い汁が出る。布を浸してみると紫に染まるのだが、水洗いしてみると緑色に変色してゆく。
そういうわけで左は牛蒡+紫玉葱の皮で染まった布だ。
右の写真は地味な山桜タイプの木の枝と、ピラカンサを混ぜて煮つめた液を使ってみた。可愛いオレンジだ。絹に染めたらもっと色は美しいのだろう。
濃染処理として酒石酸を使ったが、ひょっとして豆乳や牛乳などのたんぱく質で処理した方が上手く染まったりするのだろうか?
どこかで誰かが既にやっている事で私の実験など他愛も無いものなんだけれど、自分の目で確かめるというのは楽しい作業だ。

それにしても畑の脇の牛蒡の根はどうなっているのだろう?ちゃんと太っているのだろうか?牛蒡と言うのは簡単に抜けるものではなく掘るのだそうだ。
やっぱり大きなシャベルを持ってザックザックと畑の横で掘ったら怪しまれて不味いよね。試してみたいなあ。


 

蛞蝓災難

2007-08-18 09:00:14 | 自然観察
先日流星群観察中に私は蛞蝓を2匹踏みつけてしまった。
得体の知れないものを暗闇で踏みつけた私の気持ちはなんとも情けないものだったけれど、朝になって見ると何匹もの蝿が集った茶色い塊があった。ごめんなさい。

去年日本からヒメヒオウギの種をもって帰った。
春先のまだ寒い頃に緑に焦がれて森から苔を頂いてきて苔球を作ったが、そこにヒメヒオウギの種を二粒仕込んでおいた。
それがひ弱ながらも芽をだし蕾をつけたので楽しみにしていた。
もうすぐ咲くぞ、少し色づいてきたかな?と毎日楽しみに毎朝点検していたが、ある朝、いつものように苔球を見てみるとなんと蕾の一つはすっかり折れて、もう一つは半分方食べられていた。憎き蛞蝓の仕業である。犯行者はキラキラ光る這いずり跡を残しているから間違いないのだ。素性は割れている。お縄を頂戴しろ!と見回してもすでに雲隠れしているので見当らない。
さては先日の蛞蝓踏み躙りに対する逆襲だったのかな。。。
半分になった蕾は咲くことも無く枯れてしまうのかと思っていたけれど、健気にも花開いた。赤い花びらがなんとも愛らしい。
上手く球根が太って来年も咲いてくれると嬉しい。
そうしたら蛞蝓が届かない場所を作って完璧な花を咲かせたいものだ。
苔玉のまま上手く行くのだろうか?


自然の色

2007-08-16 15:40:14 | 製作記録
ある時アーティーチョークの茹で汁が余りに美しい緑だったので布を浸しておいたら薄い緑に染まった。(後に酢で色止めをしようとしたら色が消えてがっかりだったけれど。)
そんなことからその辺に生えているものを片端から取ってきて染めてたら面白いと幾つか試してみたのだが、一度染めなので色薄い。何度も何度も染めて行けばよい色に染まるのだろう。
今回アルミ媒染(ミョウバン)を使ったが、今度鉄媒染を作って染めてみるつもりだ。丁度アトリエの周りには沢山鉄くずが散らばっている事でもあるし、早速来週にでも仕込んでみる。
ブルーベリーの場合、最初は赤紫で水洗いして水色、酢に漬けて又再び赤紫に変化し、それが乾いて青っぽくなった。面白いね。

染めて後どうする? 特に使い道が思い浮かばない。
まあ、色見本でも作ったら満足して終わるんだろけれど、それまでの間はこれは何色か、あれも染まるか?と興味しんしん。


タンジー

白樺

薔薇

ブルーベリー(実)

西洋ニワトコ(実) / ターメリック






ペルセウスから

2007-08-13 09:45:16 | V.P


画像とはまったく関係なくて、今日は流星群の話。




ペルセウス流星群が見える時期だ。
一昨日はしばらく夜空を見上げて待っていた。
ひょっとして今ながれたか?と目の端に光るものが3度ほど見えたのだけれど気の所為だったのかもしれない。
はっきりと流れる光は残念ながら見えなかった。


昔日本で友人達と伊豆方面の海に出かけたことがある。
丁度夜中に峠にさしかかって休憩しようという事になったとき、空を見上げたら満点の星だった。
あんなに星でぎゅうぎゅう詰めの夜空を見たのは後にも先にも他に記憶にない。
最も私の感動が記憶映像の星数をちょいと水増ししているかもしれないけど、それを差し引いても素晴らしく豪華な夜空だったのを覚えている。
あまり沢山の星に圧倒されて息を呑んで見つめていると、星が流れて願い事をする間もなくあちらにこちらにビュンビュンと流れるので吃驚したものだ。
今思えばその時丁度ペルセウス流星群の来る時期だったのだ。
あれ以降あんなに沢山の流星を見ることは無い。一晩に10個ほど確認した事はあるけれど、それは忍耐に対する賜物みたいな感じだった。
流星群の頃はいつも楽しみに夜を待っているのだけれど、たいていそういう日には雲が湧き出す、雨が降る。
昨晩もヴィデオなぞ観ながら空が暗くなるのを待っていたら、ピカッと光ったので外に出れば分厚い雲の覆われた空から雨が落ちてきて、ゴロゴロゴロと雲の上で雷がボーリング大会をしているような音がしばらく続いていた。
しし座流星群は11月ごろだから、これも又あまり見込みが無い時期なんだな。。。
いつかどこかで又流星群を眺めたい。

2007-08-09 07:47:01 | 思考錯誤


ぼんやりしていると赤いものが目の端をひゅるりと通りかかった。

赤いワンピースを着た少女だった。
右足右足、左足左足、右右、左左。。。と楽しそうにスキップしながら部屋の中をいたずらな風のようにくるくると回るので彼女の行く先々に笑みが咲いた。

君は花を咲かせる魔法を知っている小さな妖精のようだね。

シュウメイ菊

2007-08-07 19:05:42 | 植物、平行植物
秋月菊: Anemone hupehensis var. japonica





日本アネモネという名前をもっているのに、私はドイツで初めてこの植物を観た。
中国 ヒマラヤ原産で日本に帰化植物として自生している所もあるらしいが、私は見た事が無かった。
花びらのように見える美しいピンク色は「がく片」であり花は退化している。
苗を買って数年は子株はよく出る割に、花付きも悪ければ育ちも悪くどうにかならないものかとあちこちに植え替えて様子を見ていた。
それが去年からぐんぐん音を立てる勢いで大株となり花も沢山つけて賑やか華やかな姿を見せてくれる。
シュウメイ菊は場所が気に入らないと中々花咲が悪いが一端腰をすえると困るくらいに増え始めるというから数年後には悲鳴をあげるのかもしれない。
花の時期も長いし、他の花が一段落してしまう頃から秋深くまで咲き続けるので嬉しい植物である。
丸い蕾も可愛らしくまた咲き終わりの様子も中々風情があって気に入っている。


◆ ◆ ◆



今日仕事場からの帰り道、自転車の後ろに赤と黄色の風船を山ほど括りつけて雨の中を走る年配の男性を見かけた。孫の誕生日会にでも使うのだろうか?
写真を撮りたかったのだが彼は道路の向こうを走っているし、私のカメラは背中のリュックサックの中だし、リュックサックの中は本が沢山入っていて重たいし、雨が降っていて傘を手に持っているし、 Pod のコードが絡まるし、水溜りにははまるし。。。と、私が密かに汗っているうちに、気の利いた写真のシャッターチャンスはのんびりゆっくり走り去ったのでした。
灰色の空の下で赤と黄色の風船はなんと素敵な色合わせだった事か。。。。。

V.P.Nr.10: ↑↓

2007-08-06 12:10:08 | V.P









 
































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これで。。。。

おわり。。?


文字

2007-08-03 08:15:11 | 思考錯誤



昨日一通の手紙が届いた。
封を切るとシャキッとした便箋一枚が2つ折になって納まっていた。(私は封筒からシャキッとした便箋をとり出すときの乾いた音が好きだ。)
それは細い流れるような文字で書かれた何の特徴も無い決まり文句の季節の挨拶だった。
封筒に戻そうと便箋を動かした時、文字が動いた。

よく観ると、文字が動いたのではなく、インクとそっくりな色の髪の毛が一本添えられており、それが動いたのだった。
それはうっかり紛れ込んだのではなく、故意に添えられたような気がしてならなかった。
むしろ、それを送ることが手紙本来の目的であったかのようで、それほどにそれの存在感は大きく私の思いは勝手四方にひろがり、散り散りに乱れてしまいにはすっかり疲れてしまった。





髪は体から離れて、それ自体が生き物の様に饒舌な事がある。

イングマール・ベルイマン

2007-08-02 17:51:48 | 映画の話
7月30日イングマール・ベルイマン監督の訃報をニュースで聴いて、もう20数年前(うわっ、古い話だ。)に「処女の泉」を見た日の事を思い出した。
思い出したといっても特別な事があったわけではなく、その日は天気が汗ばむような良い天気だったなとか、叔母に誘われて出かけたのだったなとか、映画館を出てからアイスコーヒーを飲んだのだったな、とか他愛も無い事だけだ。それでもそういう事までを覚えているというのは「この映画を見た日」と言う引き出しが頭の中に作られたからに違いない。
新橋辺りの名画座だったか、2本立てのうちの一本だった。
空っぽな私の頭の中は、理解が始まる以前に殴られて思考不能に陥ったような感じだった。。。などと言ったら大げさかな。
美しい残像に残酷な残像にしばらくの間悩まされた。空っぽなわりに繊細な所もあったのだ。
その後もう一度見たいと思いながら見る機会に恵れずにいたが幾つかのシーンは鮮明に思い出せる。(記憶違いもあるかもしれないけれど。)
森の風景。
教会に蝋燭を奉納するために日曜日の装いに着飾った豪農の娘が馬に乗って進む森が美しかった。
北欧土着の神を信仰する下働きの娘が、無垢ではあるが無邪気な残酷さが憎い豪農の娘の弁当である丸い平たいパンに蛙を一匹挟む場面があった。話の本筋とは関係なけれども蛙が気の毒でよく覚えている場面の一つだ。
信仰心の厚い父が娘を殺された事を知って復讐に身を焦がす。(マックス・フォン・シドーが熱演していたなあ。。)
そして少女の骸を母が抱き上げると泉が湧き出す場面は印象的だ。
この話は13世紀頃中世のスカンディナヴィアと言う設定なわけだけれども、北欧原始信仰はまだキリスト教よりも強く残っていた時代だろう。話をこの時代に持っていったのは面白い。
人間が奥に秘めている暴力性や、それぞれに原罪を背負っているような人間像は切ない。
私には難しい事はわからないけれども、しかしそれよりも何よりも美しい映像は文句なしに素晴らしかった。

「野いちご」「ペルソナ」も気に入っていた作品だけれど実はベルイマンの作品をそれほど沢山は観ていない。

ところで今気がついたが、どういうわけだがその時見た2本立てのもう一本が何だったかはっきり思い出せない。変なものだ。名画だったんだけれどな。






今日も雨だれの音が朝からずっと聞こえている。