散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

散歩メモ

2010-11-30 21:10:22 | 思考錯誤








奥歯の化石のような石を見つけた。



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雪の降る中を歩いた。雪には不向きな私の靴では時折つるつるとすべる。
雪は屋根にも木の枝にも草の葉にも墓石にも自動車の屋根にも道路にも塵の上にも積もって白く塗りつぶして行く。ひと時の装い。
歩く私も塗りつぶされてしまったらいいと思いながら歩く。

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歩きながら音に耳を傾ける。聞いているようで聞いていない音。
風が葉や枝の間を通り抜ける音、葉や枝の奏でる調べは多様。
雁のまだ小さな編隊が仲間を呼ぶ声、飛行機の飛ぶ暴力的な音、雪の塊が落ちる音、駒鳥が歩く音、木の幹のきしむ音、電車の走る音。。。
集中していると風の音が頭の中をぐるぐる駆け巡って暴れはじめるような錯覚。
三半規管が不安定になりそうな気配。

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雪積もる道は3cmほど私の視線を高くして、垣根の茂みは3cmほど押しつぶされて私に視界を広げている。
まだ咲き残っていた薔薇の花が雪綿帽子を被っていた。











西伊豆 メモ

2010-11-24 04:15:56 | 思考錯誤
今朝は4時前に起床。
今回はすっかり体調が狂っている。
あちらこちらに不具合が出てきた、情けないなあ。
外は真っ暗で夜中なわけで、仕方ないので日本旅行メモの続きを書く。



久しぶりに海岸を歩いた。




 このぶよぶよした物は一体何か?知っている人いますか?










浜辺で宝物を見つけながら歩くのはとても楽しい。


 
色とりどりの戦利品


 
これは深海魚だね?何だろう?


 
ウメボシイソギンチャク


 
黄金崎は本当に黄金色だった。


 
変朽安山岩で暗緑色が風化で黄褐色になったらしい。


  
Ryu












東京 メモ

2010-11-24 00:09:28 | 思考錯誤
日本での出来事。
急いで書いておかないと忘れてしまうので記録メモを続けて書くことにしよう。

といってもたいした話があるわけでは無い。











相棒の免許の翻訳を貰いに行くために麻布十番に在るドイツ大使館へ行った。
行く前に電話をして詳細をたずねようとすると担当でないのでわからないという。担当者の電話番号を請うと、わからないからインターネットで調べてくれという。
不親切だ。
インターネットに入れない人はどうすればいいのだ? 
とにかくドイツ大使館に出かけた。
身分証明と荷物チェックをしてから中に入ると門構えからすれば,少々安っぽい感じの事務窓口があった。
順番が来て翻訳を願うと用紙を出してきてなにやら書き始めるが、早くても木曜日になりますという。(それは火曜の午前中だった)
早くとも。。。という部分を強調しているからには金曜日になるかも知れず、ほんの一言二言の翻訳(大体において翻訳というほどの仕事ではない。判子が必要なのだ)のためにそんなにかかるものなのか? 金額はレートによって変動するが3500円くらいだという。
しかも窓口に立つ女性の愛想のないこと。。。ここは日本じゃないのだなと気がついた。
それでは申請取り消してJAFに行きますといって早々退散した。ちょうど大使館から歩いて間もなく実家の菩提寺が在るので墓参りをすることにしてドイツ大使館の"使えなさ"を忘れることにした。
墓参りを済ませてから芝公園近くのJAFへタクシーを飛ばした。受付で申請を頼むと事は真にスムーズに進む。どのくらいの時間がかかるかと聞くと
「大変申し訳ありませんが。。。え~~2時間ほどかかってしまいます。申し訳ありません、普通は一時間ほどで出来るのですが。。。」
ちょうど昼時前だったので昼の休憩時間を入れての2時間だ。こちらは何の不足も無い。
浜松町で蕎麦を食べて、前回も立ち寄った日本酒センターを覗きお酒も買いぶらぶら歩いていれば2時間はあっという間に過ぎた。手数料は3000円。早い上に安い。
どういうことだろうね?


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友人達と素敵な店で集まり昼懐石をいただいた。店の名は楳心果という。東急東横線"都立大学”で降りて歩いて15分とあったが、今ひとつ要領を得なかったので目についた交番に駆け込み行く先を告げると「ああ、あの隠れ屋ね。。。」といって道を教えてくれた。確かに行ってみると住宅街の中にある屋敷を改造した店舗は隠れ屋の趣だ。センスの良いあしらいと店のスタッフの対応も気持ちが良い。食事をする場合は予約が必要。
この次は姉妹店の西麻布のOriHigashiyaにも行ってみたいと思う。



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神田の古本祭りの最終日、終いの一時間前になんとか間に合った。ドイツの友人への土産として1冊でも2冊でも3冊でも500円の中から古いプルーストの「失われた時を求めて」やら「花伝書」など購入。早速プレゼントするとたいそう喜んでくれた。
もう少し時間が欲しかった。。。



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東京II

2010-11-23 06:29:35 | 思考錯誤
    




東京都庁の建物を始めて見た。
好感のもてない建造物だと思う。同時になんとも居心地が悪い。
都庁内に在る新進気鋭作家の作品発表の場というトーキョーワンダーウォールに友人の知人が出展しているというので観に行ったのだったが、
こんなコケオドシ的(失礼!)建造物に巨額を出していいのか?居心地の悪い、人にとって動きにくい内部のデザインに思えた。
一階にあるトイレは取って付けたようで小さくて手入れがされていない。
都民の税金がこんな風に使われていることってどうなんだ?と友人と私は腹立ちを通り抜けてあきれてしまった。

ところで現在の日本はどうも不甲斐ない。
一体大丈夫なのですか? 
中国からもロシアからもじりじりとにじり寄られているし、内側からも力を抜かれていっているようだ。
そのうち日本という国って何処にあるの?といわれかねないんじゃないだろうか?




西伊豆

2010-11-22 14:52:52 | 移動記録
二泊三日で家族旅行をすることになった。
行く先は西伊豆となった。

泊まったホテルは屋上に露天風呂があって、夜空を見ながらお湯に入る事が出来る。さすがに夜は風も冷たくなり露天風呂にやってくる人は少ない。
暗闇の中で漆黒の空を眺めながら湯船につかっているとなんだか身体が浮遊しているような不思議な感覚があった。夜はホテルの従業員が和太鼓を披露し、佐波神社の魔除け小豆一粒をいただいた。魔除けだが、お財布に忍ばせておけばお金が増えるそうだ。早速財布にしまっておこう。

一泊は海辺の民宿に泊まった。小さな釣り宿でもあり、おばあちゃんは海女さんだ。
妹家族が何度か訪れているので顔見知りでもあり帰り際に土産にトコロテンをどさっとくれた。
トコロテンはその辺りの名物の一つであるから何処に行ってもトコロテンがついて来た。
途中昼ごはんに立ち寄った食堂ではそこで食事をするとトコロテン食べ放題。黒蜜と黄な粉をかけてもいいし、酢醤油でもいい。山ほど用意されている。どうやらそれがウリの食堂だった。
私はうどんを食べた後でごろごろと切った寒天に黒蜜、黄な粉がけをいただいたのだが、これが案外美味しかった。
壁にはところてんを食べきれば無料、残した人は500円いただきますと注意書きがあった。
さて話を戻して、この民宿に一泊した目当ては舟釣りだった。甥の希望だ。しかし海の状況が今ひとつ悪く舟を出せないといわれて、仕方なく防波堤釣りをすることになった。
コマセを撒くと鰯がきらきらと背を見せながら回遊してくるが最初に一匹釣りあがったきりでまったくつれない。アイゴという棘のある魚が沢山やってくるがこれは釣ってもすぐに捨てなければならない。さされたら大変痛いそうだ。小ぶりのカサゴも一匹釣れたが海に返した。
一匹きりの鰯がバケツの中でしばらく目を回していたようだったが、ほんのわずかな隙に鴉に盗まれてしまった。そういえばあちらこちらで鴉が見張っていたのだ。
都会もんがつりをしていると近所の暇人。。。もとい、釣りの名人達が寄ってくる。
村の人々がどんな情報伝達網を持っているのか不思議なくらい早い。
あっという間に「鴉に鰯を盗まれちまったんだってな~」といいながら集まってくるのだ。
何釣ってるんだ~と声をかけながら近づいてくるおばあさんは「そんなんじゃだめだ~ぁ、もっとコマセを撒け~ぇ、こませ、こませ~~こうやってなぁ~」といってコマセをばっと撒き、甥の釣竿をとって釣り糸をたれた。
「はぁ~ 昨日は沢山釣れたんだが、今日はちっとも駄目だぁ~、あ~釣らしてやりてぃな~」といいながら食いついてこない魚たちを恨めしそうに見つめていた。


      



  


海辺の某民宿での夕飯一部。イセエビと鮑を追加注文。



某民宿の目の前にある浜から見える夕日。



西伊豆の海辺の某ホテルでの夕飯。



某ホテルの部屋の窓から見えた夕日。












この地方に見られるなまこ壁。かわらの継ぎ目に漆喰で盛り上げるように作られて、その形状がなまこのようだからこの名がついたらしい。

なまこ壁の古い家屋の近くに”臭木”の木が生えていて実を沢山つけていた。
その実で草木染が出来るのだと家族に話すとそれじゃ少しもらってゆこうということになって手を伸ばすのだが、今ひとつ高みに有る実に届かない。木の下でがやがやしていると通りがかったおじいさんが立ち止まり何をしているのかと問う。
一通り説明すると、手に持っていた杖の柄で上方の枝を引き寄せ採れと言ってくれた。やがておばさんもやってきて「枝ごと切っちゃったらいいのよ」などと大胆な事を言う。
結局三人ほどの見物人に見守られながら実を少し戴いたのだった。










日本での出来事

2010-11-22 08:54:29 | 思考錯誤
今朝は7時まで寝てしまった。
しかも昨晩はもう9時過ぎには強力な睡魔がやってきてDVDを見ていると話がバンバン飛んでゆくので、11時頃別途にもぐりこんだのだ。
何度か変な時間に目が覚めたもののまた眠りこけた。昨日より3度ほど気温が上がっているのに更に寒いように感じる。風が強いのか?
やらなければならないことが山積みになっているとはいえ、しばらくゆっくり進もう。
それに日本での数々の出来事が未消化で棚積みされている。それをまず消化したい。

10月末に静岡のギャラリーSencenchiにてワークショップを行なった。
当日台風に見舞われたが、人が吹き飛ばされるほどでもなくぽつぽつ画廊に現れる人もあって楽しく過ごし、
夕方は美味しいご飯を作っていただく。ぐつぐつと煮込んだ美味しいスープや美味しいパンが出てくると思うと
おでんやアップルパイを差し入れにきてくださる人もあったり、お菓子やおにぎりの差し入れがあったり、いつも多くの人が出入りして賑わっている。
ギャラリーの柴田夫妻の人柄が人を引き付けて結んでゆく。いつ行っても気持ちの良い”場所”だ。
短い間ではあったが良い日々をすごさせていただいた。
浜松から新幹線で走ってきてくれた美術作家の乾久子さん、やはり映像作家の杉森順子さん、にも大変お世話になった。

ワークショップのテーマは散歩だった。
台風のおかげで当初の予定を実行かなわず、大きなプロジェクターでドイツの写真など紹介した後で参加希望者に自分の散歩道を描いてもらった。
これからそれを私流にまとめて小冊子を創り送り返すことになっている。
みんなの散歩道をつないだら何処に出かけられるかな。。?








散歩の本来の意味は目的も無くぶらぶらと歩くことだ。
”散歩がてら”買い物をしてくる、”散歩がてら”XXに言ってくるという事の方が多いこのごろ、ちゃんと散歩が出来るようになりたいものだ。




東京

2010-11-21 07:52:48 | 移動記録
一月ぶりの更新。


10月22日発デュッセルドルフ発フランクフルト経由で23日東京に到着した。今回の一時帰国もいつもと同様あちらこちらに走り回っていた。
もう少しゆっくりした時間が欲しいといつも思うのだが、どうしても走ってしまう。
なぜなのか?
一体あの気ぜわしさは何だったのだろう?と振り返る。
理由の一つは、おそらく自分自身の居場所が確保できていないことによって落ち着かない事、そして日本の街では視界に入る空間と賑やかなストラクチャーによって視覚的に疲れた。
きっと慣れてしまうと"見ない"で流せるようになるのだ。人間の目はうまく出来ているからいらない情報はぼかすことが出来る。
しかしたまに出掛けると全てが物珍しく些事に渡って見ようとしてしまうから疲れてしまうのだ。音にも同じことが言える。
ドイツに帰って一番に感じたのは”ここには隙間が沢山ある”ということ。

東京の繁華街に行くと街が音を立ててうごめいているような感じを受ける。

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今回面白かったことの一つに私がインターネットにアクセスできなかったことがある。(そんなわけでメイルチェックもせずに通し抜いてしまった)
ドイツの自宅からはいつでも瞬時に日本の情報をキャッチしコンタクトすることが出来るヴァーチャルなチャンネルを持っているわけだが、私自身が日本に着地し、最近では当然として使っていた”便利な文明の利器”無しにリアル世界を動こうとしたとき幾つかのことがスムーズに動かなかったのだ。
昔はパソコンだの携帯電話など無しに生活していたのにもかかわらず。。。だ。
この変化を改めて考えさせられた。
これからこれ以上に生活に食い込んで行くだろう文明の利器だけれど、どこまで行くのかな。。。

東京では今年に入ってからインターネットカフェに入るには身分証明、住所証明のできるものを持ってゆかねばならなくなった。
旅券しかもっていなかった私は住所証明が出来ず門前払いだ。
プリペイドの携帯電話は先回探し回ってあきらめていたが、まだ存在する。しかし電話機はどこでも買えるというものでもなく途方に暮れた。S社の支店に行って聞いてもコンビニで扱っているかもしれない。。。と要領を得ない。
偶然ロンドンから同じく一時帰国中の友人から情報をもらうと、あるところにはあるのだった。なんだか腑に落ちない怪しげなプリペイド携帯電話の存在。
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銀座や青山のピカピカと賑やかな街並みに圧倒されながらも、老舗の箒造りの店だの鰹節の店だの煎餅屋だのを見つけてははしゃいでいた。




時差ぼけで朝は4時半に起きてしまう。
すると一日が結構長い。数日もすれば元に戻ってしまうのだが、これもなんだか非日常的な感じがあって面白い。
しかし午後4時5時には眠くて仕方ないのだ。
昨日もケルンの画廊に用事を済ませに出かけたが、話しているあいだにも眠りそうになった。

今朝は霧。
朝方の気温マイナス1度。