これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

護国観音まであと少し

2018年06月24日 21時19分50秒 | エッセイ
 お寺の朝は早い。
「まず、13番札所に行きましょうか。ここは朝8時から開いています」
 あいにく、秩父は雨模様。同僚でガイドの栗本さんに連れられ、ツアーに同行するマダムたちと一緒に、御花畑駅からすぐの慈眼寺に向かった。



 朝イチのご朱印。



 ありがたや、ありがたや。
「じゃあ、浦山口駅で下りますから、そこから27番、26番、12番に行きます」
「はーい」
 ハイキングスタイルで来てくださいと言われた意味がわかった。琴平ハイキングコースを通るからだ。合羽を着ていても、足元が滑って危ない。
「みなさん、あれを見てください」
 栗本さんの指さす方に目をやると、遙か彼方に白い彫刻のようなものが見える。



「護国観音です。これから、すぐ近くまで行きます」
「へー」
 かなりの勾配を上るようだが、観音様に会えると思えば頑張れる。よーし!
 細くてクネクネした道を上っていくと、観音様が少し大きくなった。



 よーし!
 階段状になった木の根を越えて、いくつもの岩を足場にして、さらにさらに上を目指す。だんだん息が上がってきた。マダムたちは私よりも年上のようだが、弱音を吐かずに淡々と歩く。額に汗がにじんでも、ドスンと尻餅をついても、札所に行きたい一心で前しか見ない。巡礼とは、そういうものなのだろう。
「着きました」
「わあ」
 これが護国観音か……。



 神々しくて、雨雲のすき間から、急に光が差し込めた気がした。
「剣を持った、非常に珍しい観音様です」
 なるほど、なるほど。国を護るのだから、剣が必要というわけか。さらに、岩場を上っていくと、観音様のおみ足までたどり着くことができる。ふっくらとした指が美しく、汗をかいて必死に上った甲斐があると感じた。険しいけれど得るものも大きい、いわばハイリスクハイリターンのコースに満足だ。
「座っている観音様もいますよ」



 見どころも多く、晴れていれば、さらによかったのかもしれない。
 バスやタクシーで巡拝する方もいるらしい。でも、マダムたちは「歩いた方が御利益があるのよ」と口を揃える。特に、苦労したあとは、札所が見えたときの喜びが大きい。ご朱印も増えてうれしい限りだ。







 先日、新しい写経用紙を買った。個々の巡礼先に納めるつもりで書きたい。
 般若心経のあとには願い事も書くことができる。最近、いいことが続いているのは、そのおかげ?
 次回は7月に行きます。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (8)
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