これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

秩父観音霊場 札所1番

2018年06月03日 19時51分18秒 | エッセイ
 私は決して仏教徒ではない。
 キリスト教会のクリスマス会に参加したこともあるし、週末や正月には神社でお詣りをする。宗教観のない典型的な日本人であろう。
 母方の曾祖母は、熱心に観音様を信仰していたというから、仏教徒だったようだ。殺生を嫌い、肉や魚は一切ご法度だったという。家の中にいても「南の方から肉屋が来るよ」という具合に、多少の霊能力も持ち合わせていたらしい。だから、今回、秩父まで巡礼に誘われたとき、曾祖母が脳裏に浮かんできて「これは行かねば」と感じた。
 これまでの人生で、信じがたい幸運に恵まれたことがある。私立大学の授業料が免除になる奨学生に選ばれたときや、現役で教員採用試験に合格したときなどだ。また、からくも、ピンチから逃れたことがある。車に同乗して信号待ちをしていたとき、居眠り運転をしていた後続車が、隣のレーンで追突事故をおこしたときは本当に背筋が寒くなった。
 それなりに幸せに生きてこられたのは、曾祖母を含めたご先祖様のおかげなのだろう。せっかく誘っていただいたのだから、しっかり手を合わせてこなければ。
「さて、着きましたよ」



 ナビゲーターの栗本さんの声で我に返った。
 ここが1番札所。荷物を下ろし、手先を清めて線香に火をつける。本堂前に進むと、お経などを収める箱があるので、写経したものを丸めて頭を下げた。
 準備ができたら、栗本さんの指示に従って読経をする。写経はしたことがあるが、読経は初めてだ。

 だって、難しい漢字ばかりで読めないんだもの!

 しかし、今日はふりがな付きのカンニング経本があるから、できないことはない。



 酸欠に陥ったり、棒読みになったりという場面はあったが、仏前勤行次第(ぶつぜんごんぎょうしだい)、般若心経、観音経、十句観音経、普回向(ふえこう)を読み切った。
 ひいひい。
 お経をあげたあとは納経帳にご朱印をいただく。





 この日は2番札所と



 28番札所にも行くことができた。



 先はまだまだ長いけれど、いつか、納経帳が全部埋まるといいな。
 ところで、読経のさいに気づいたことだが、声に出すことで非常に晴れやかな気持ちになれた。これは、お経を喜んでくれる誰かがいるからだろう。

 よし、日課にしよう。

 以来、毎朝、目覚めて身だしなみを整えたら、ラジオをつけるまえに般若心経を唱えることにしている。わげさをつけ、数珠を両手にかけて、経本を開けば準備オッケーだ。
「かんじーざいぼーさつ ぎょうじんはんにゃーはーらーみーたーじー」
 読経はほんの2~3分。終わると、札所と同様、清々しい気分になる。こんな気持ちで一日が始まるのはうれしい。このところ、仕事も人間関係もスムーズなのは、読経のお礼をいただいているからかもしれない。
 よーし、寝坊しないように頑張ろう。
 パジャマの上に、わげさというのはしまらないが、続けることが大事だ。
 また来週、札所に行ってきまーす。


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コメント (6)
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