これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ワクチン休暇

2021年09月26日 20時23分57秒 | エッセイ
 遅ればせながら、ワクチン2回目の接種を終えた。
 接種会場は徒歩3分の内科。さほどの待ち時間もなく、すぐ診察室に呼ばれ、終了後に10分ほど様子を見て、異常がなければ帰れる。
 この日は土曜出勤の代休を当てていたので、一日ダラダラと過ごした。
「今日はご飯の支度をしなくていいよ。休んで」
「食べたら横になれば」
 夫も娘もやたらと優しい。年中無休の主婦にとっては、思わぬワクチン休暇となった。遠慮なく昼寝をして、上げ膳据え膳を楽しむことにする。世の中には、仮病を使って他人の気を引こうとする人がいるようだが、わかる気がする。
 職場の同僚たちは、夏休み中に大規模接種会場などを利用して、8割方が接種を済ませている。男性の半数、女性のほとんどに副反応があったらしい。
「38度台の熱が出ました」
「体がだるくて出勤できません」
 さて、私はどうなるだろう……。
 ちなみに、1回目のときは、接種前の体温が36.1度だったのに、接種後の夕方には36.9度に上がったため、いただいた薬を飲んだ。翌日にはまた36.1度になったので、人並みの反応だったことに安堵した。



 2回目は、接種前の体温が36.7度。少々高めだったので、接種を終え、昼食をとったらすぐに薬を飲んだ。
「さて、本でも読むか」
 この日のために調達した本は、井上雄彦氏の『スラムダンク』。女子バスケットボール部の顧問をしている先生が全巻貸してくれたのだ。



「わっはっはっは」
 妹が全巻持っていたので、実家にいたとき読んだはずなのに、初めて見たときのようにおもしろくエキサイトする。こういう物忘れなら悪くない。ドキドキしながら勝敗の行方を追った。
 5冊読んだところでしばし休憩。ちょっと熱っぽいかな? と感じて体温を測ってみると、まさかの37.1度になっていた。
「ありゃ~、これじゃ明日休まないとダメかも」
 薬を飲んで7度超えでは、もっと上がってしまうかもと予想したが、ジンジンと熱くなっているのは接種部位周辺だけのようだ。たまたま、針を打った左腕のわきで測ったから熱っぽいのかもしれない。
「よし、右のわきに下にしてみよう」
 熱を帯びていない側で検温したら、36.8度であった。ガクッ。
「何だ、平熱だったのか。ああ、びっくりした」
 接種後、仕事や学校に行きたくない人は、針を打った方の腕で検温することをおススメしたい……。
 結局、これ以上、熱は上がらなかった。代わりに、背中や腰などの関節が痛くなり、重力が1.5倍ぐらいに感じたけれど、2日後にはすっかりよくなった。薬を飲んだのは、1回目も2回目も初日だけですんだ。
 やはり、反応が鈍いのだろうか。
 鈍いおかげで、このあと『スラムダンク』全巻を読み終えることができた。
 こんなにゆっくり過ごしたのは久しぶり。
 たまにはいいよね。


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玄米デビュー

2021年09月19日 20時43分46秒 | エッセイ
 アンチエイジングのカリスマ、ドクター南雲に刺激され、玄米を食べてみようと思った。
 真似すれば、同じように若返るとは限らないのに、現金なものだ。
「えーと、無農薬のを選ぶのね」
 生協で、それらしい商品を購入する。



 外袋の説明を読むと、玄米は8時間ほど水に浸しておくものらしい。急に「さあ、今から玄米を炊こう」という無計画なひらめきがあったとしても我慢せねば。用意周到ではない私も、この日は研いだ玄米をひと晩置いて待った。
 翌朝、吸水した玄米を炊飯器に移す。水加減は精白米よりも多め。炊飯器の内釜に、玄米用の目盛があったので助かった。



 たしか、平成2年に購入した炊飯器には、こんな目盛はなかったはずだ。「おかゆ」や「麦めし」の表示もあり、食生活の多様性を感じた。
 炊飯モードも、「炊き込み」「おこわ」「雑穀」など多種類ある。ここから「玄米」を選べば、あとは炊き上がりを待つだけのお手軽さであった。



 炊飯中に、玄米の外袋をあらためて見たら「塩少々を入れて炊く」と書いてあった。完全に手遅れである。見なかったことにしよう。
「ピー、ピー、ピー」
 炊飯器のアラームがけたたましく鳴り、「炊いてやったんだぞ」とアピールしてくる。
「はいはい」
 フタを開けると、炊き立てご飯のよい香りが、ふわっと広がってきた。さすがは炊飯器くん、やってくれるじゃないか。
 これを茶碗によそい、まずは何もかけずに食べてみた。



「美味しーい!」
 よく聞く「クセがあって食べにくい」との声はあてはまらない。雑穀米が好きな人には理解できると思うが、一粒一粒にモチモチ感があるし、精白米とは違った甘さがあって、かなりいい感じ。何より、血糖値の上昇がゆるやかになる点が安心だから、バクバク食べてしまい、あっという間になくなった。
「あー、食べた、食べた」
 すっかり満足して、のんびりと休日を満喫する。平日は時間に追われていても、週末はダラダラと好きなように過ごせるから心が休まる。夕方ごろだったろうか、時間を浪費し、座布団に寝転んで本を読んでいたら、急にお腹が痛くなった。
「いてててて、何だろう」
 トイレに行って何とか回復した。玄米はよく噛まないと、下痢や腹痛の原因になるのだとか。
「がっつき過ぎたかな」
 初心者であることを思い出し、反省する。
 次は気をつけよう。


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ダルマ落としは二度楽しい

2021年09月12日 20時44分16秒 | エッセイ
 文化祭シーズンである。
 昨年度、私の勤務校では中止となってしまったが、今年度は、換気の悪いお化け屋敷や、飛沫が心配される演劇、マスクを外す食堂・喫茶などを避け、感染対策をしながら実施することとなった。残念ながら、外部の方や保護者は招待できない。
 感染リスクの低い出し物といえば、自分たちで撮影した動画を上映したり、調べもの学習の成果を貼り出したり、スライムやアクセサリー作りなどのワークショップがある。どのクラスも大道具や小道具を工夫し、華やかな装飾を施して、ものづくりの過程を楽しんでいた。
「あら~、いいじゃない。校内一周してみようっと」
 普段は地味で無機質な廊下や教室が、何種類もの明るい色で彩られ、めかしこんでいる。生徒たちも制服ではなく、緑、青、黄のクラスTシャツを着込んで、弾むように動き回っていた。
 1階だけ人がいない。赤を基調にしたポスターのある部屋は照明がついていた。ダルマの絵が描かれており、遠目にもかなり目立つ。何をやっているのかしらと中をのぞいたとき、係の男子生徒と目が合った。
「あ、こんにちは。ダルマ落としやりませんか?」
「ダルマ落とし?」



 ああ、子どものときにやったきりの、あのゲームのことか。
 勧められるがままにチャレンジしてみる。このダルマは段ボールを組み合わせて作ったもので、かなり軽かった。
「えい」
 渡されたハンマーで叩いたが、すぐに崩れてしまい、なかなか上手にできない。なんとか1回は成功し、「30ポイントゲットです」と拍手をもらった。
 よしよし。
 さて、次はこの30ポイントを元に、お菓子釣りをするらしい。小さな針金のフックがついた釣り竿を渡され、ルールの説明を受けた。
「ポイントの時間だけ釣りができます。お菓子に輪ゴムがついていますから、よく狙ってくださいね」
「ふむふむ」
 釣りというだけあって、ビニールプールにお菓子が並べてある。難易度を上げ、量感アップを図るためか、小さくカットした色紙や淡い色のビニールも入っていた。



「じゃあ、30秒測ります。準備はいいですか?」
「はーい」
「よーい、ドン」
 彼はスマホのタイマーを操作し始めた。うまい棒が目に入ったが、駄菓子ではないものがいい。隣のアルフォートに竿を伸ばした。しかし、輪ゴムはどこにあるのだろう。「この辺かな?」と竿を下ろしたら、かかったのはピンクのスズランテープだった。
「それはお菓子じゃありません。頑張ってください」
「くうう~」
 スズランテープを外してもらい、再チャレンジをする。邪魔なものがなくなったおかげで、輪ゴムの場所が見えた。また竿を近づけたが、空振りだった。
「あとちょっとです。頑張ってください!」
「きいい~」
 今度こそとアルフォートを狙う。やっと輪ゴムに引っ掛かり、釣り上げることができた。
「おめでとうございます! お持ち帰りください」
「やった~」
 よく考えてみると、30秒どころか1分以上経っていた。時間はあってないようなものらしい。トロい私が成功するまで、待っていてくれたようだ。



 ふっふっふ、アルフォート、アルフォート。
 振り返ると、年配男性のサトシ先生もダルマ落としで遊んでいた。
「90ポイントです。お菓子釣りは90秒できますので、たくさん取ってくださいね」
 ほう。ということは、3回成功したわけか。
 しかし、サトシ先生はお菓子への執念が足りなかった。うまい棒にも麩菓子にも掛からず、どんどん時間が過ぎていく。計測中の男子生徒が温かく励ました。
「ひとつぐらいは取りましょう、ひとつぐらいは」
 別の男子生徒も駆けつけ、ブールの中の飴を拾い上げると、輪ゴムが見えるように竿の近くに投げた。なんというファインプレー。サトシ先生は、ようやく飴を釣り上げることができた。
「おめでとうございます!」
 会場の生徒たちが、一斉に拍手を送る。サトシ先生は声を出して笑っていた。私も一緒に笑った。オジサン、オバサンの面倒をよくみてくれる、よい生徒たちであった。
 来週は敬老の日があるけれど、まだ早いよね~。


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疲れたときの南雲レシピ

2021年09月05日 22時05分15秒 | エッセイ
 7月末から土日にも仕事が入るようになってしまい、心身ともに休まらない。
「のんびり料理を作っていられないなぁ。手軽にできるレシピないかしら」
 まずは時間の問題がある。
「こってりしたメニューだと体が疲れちゃう。薬膳に近い料理にしないと」
 次に素材も見直さないといけない。
 この2つを見事にクリアしたのが、かつて「50歳を超えても30代に見える」と言われた若返りのカリスマ、ドクター南雲のレシピなのだ。



 話題になった当時、買ってはみたものの、全体的に地味で質素な印象があって、あまり活用しなかった。しかし、もう若くない年齢になると、実に役立つ本だとわかり、真価を理解した。使えそうなページにバシバシ付箋をつけている。
 いわゆる「インスタ映え」はしないけれど、美味しい、簡単、元気が出る、の三拍子揃った点は高評価だ。
 たとえば「茄子のリャンバン」。



 茄子にラップをしてチンして、割いたものに生姜、ゴマ油、豆板醤などを絡めるだけ。
 それから「五目山かけ」。



 大和芋の粘り成分「ムチン」には胃の粘膜を保護する作用があるそうだ。肌にも潤いを与え、美肌になるというからウレシイ。加えて、食べづらいひじきがネバネバでまとまる点がありがたい。
 ネバネバつながりで、「長芋とアスパラガス、ハムのスパイシー炒め」もおススメしたい。



 同じく「ムチン」がたんぱく質吸収の効率を高めるため、スタミナがつき、食欲を増進させるそうだ。夏バテせずに過ごせたのはこの料理のおかげ?
 うんと汗をかいた「しょうがたっぷりスープ餃子」。



 チョッパーに材料を入れてみじん切りにし、餃子の皮で包んだものをスープに入れる。小学生のとき、お手伝いで餃子を作った腕が健在だった。エネルギー代謝を促進し、体温を上げる効果と書いてあるが、まったくその通り。
 「タコライス」も夏にピッタリの料理である。



 ピーマン、茄子、トマト、レタスといった野菜がたっぷり入っているし、木綿豆腐や鶏ひき肉でたんぱく質もとれる。タバスコをかけて、ピリッとした風味がたまらない。
 いつ仕事が入るかわからないので、アルコールはほとんど飲まなくなった。結果、1.5kgほど痩せ、肌のツヤもよくなり、何だか以前より健康になったような……。
 明日からは8連勤が待っている。
 体力つけて突破しなくちゃ!


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