ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




松戸公産。千葉県松戸市本町。1988(昭和63)年頃

『日本近代建築総覧』に「松戸公産、松戸市本町8-3、レンガ造2階建」で載っているが、川崎銀行として建った建物である。この建物に関しては『 表の家>松戸行脚> 旧川崎銀行』というサイトが詳しい。
竣工年は毎日新聞の記事が1919(大正8)年としているそうで、レンガ造りならそのあたりで頷けるが、同年に「株式会社川崎銀行」と改組しているので混同してはいないかとも思う。川崎銀行は1927(昭和2)年に第百銀行を合併して「川崎第百銀行」と改称。1943(昭和18年)に三菱銀行に合併されて、この建物は「三菱銀行松戸支店」となった。
松戸公産がここに入ったのは1969(昭和44)年という。三菱銀行は市民劇場のある場所(本町交差点角)に移ったらしい。
2007年に解体されて2009年2月に12階建てのマンション兼用の松戸公産本社ビルとして建て替わった。松戸公産は競輪場を運営している会社で、1949(昭和24)年の設立時は「松戸競輪会社」の名称だった。旧水戸街道沿いにあった輝竜会館という映画館も経営した。

加藤履物店との間の横丁は上横町(堂の口通り)という、江戸川の納屋河岸に出る古い道である。銚子から鮮魚が荷馬車でこの道を通って江戸川へ運ばれ、そこから船で江戸(日本橋の魚河岸だろうか?)へ運ばれた。鮮魚(なま)街道という。『昭和の松戸誌』(渡邉幸三郎著、崙書房出版、平成17年)の昭和12年上横町の街並みを見ると、鍛冶屋・鋳掛屋・板金屋が4軒書き込まれている。馬との関連が想像される。


2003(平成15)年12月26日

2021.04.05追記
表の家>松戸行脚> 旧川崎銀行』が更新され、新たなURLで公開されたので、そちらにもリンクしておきます。

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コメント
 
 
 
建て替えになってしまいました (表の家(道草亭ペンペン草))
2021-04-01 13:47:50
松戸公産も建て替えになってしまいました。
我がページの大幅な刷新と共に川崎銀行に関する投稿リンク先が変わってしまっていますのでお知らせします。

http://omotenouchi.jp/kosan-building
 
 
 
お知らせ (流一)
2021-04-05 11:58:25
追記しました。
 
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