ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




千代田区立九段小学校。千代田区三番町15。2009(平成21)年5月23日(他も)

現在、建て替え工事が進められていて、来年(2018年)7月頃の完成予定である。その工事の概要は、東郷公園と接する西側の校舎を補修して保存活用。北側の校舎は4階建てに改築するも南の校庭から見て、旧校舎のファサードを継承したデザインにする。東の体育館も改築するが、体育館は地下に置き、その上に4階建ての教室を含む校舎を建てる、といったものだ。旧校舎は2015年の1学期まで使用されたので、北側校舎と体育館は同年9月に解体されたと思われる。
九段小学校のHP』の「沿革」によると、開校は「東京市上六尋常小学校」の校名で明治36年9月。「上六」とは当時の住所「上六番町」のことで、グーグル古地図の「明治」では「上六番町小学校」となっている。関東大震災で校舎が消失後、大正15年に写真の校舎が建った。昭和9年7月「東京市東郷尋常小学校」と改称。小学校の西に接する「東郷元帥記念公園」は東郷平八郎の私邸があったところで、隣の家とはいえ、個人名を小学校の名前に付けたわけだが、「東郷元帥」の名前を個人名とはだれも思っていなかったに違いない。終戦後、軍人の名前の学校はまずいだろうと、昭和21年4月から「東京都九段国民学校」とした。昭和22年3月には「東京都千代田区立九段小学校」となる。
体育館兼講堂は昭和43年4月の完成。
写真の外壁は平成19年8月の壁面塗装改修によるもの。それ以前は普通に白く塗られていた。



東郷公園に向いた正面玄関と時計塔

写真の旧校舎は1926(大正15)年8月竣工、設計=東京市(臨時建築局)、施工=石井権三、構造=RC3階建て。放物線の曲線が3階の窓、時計塔(土筆の塔)、門柱などに多用されていてドイツ表現主義のデザインを取り入れているといわれる。


北側校舎は斜面を削り取って建てたようだ。低い柵の柱や裏門にも放物線が表れる。

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