風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

まだ見ぬバルト三国へ 4-3(リガ)

2017-05-25 | 海外

その1からの続きです。

● 午後の散策

先ほどまでは、売れないマッチ売りの少女のような気分で、震えながら観光していましたが、ゆっくりとランチをとったので、凍っていた手足が温まり、再び外に出る元気が出てきました。
雪がやんだので、今だとばかりに再出発。
旧市街の石畳の道を車椅子を引いている人がいました。
古い石畳なので、ごつごつとしてあまり平坦ではなく、車椅子に座っている人はガクガク上下に揺れています。
中世の時代にはバリアフリーなんていう言葉はなかったわけで、身障者に優しい道ではありません。
足首の捻挫がまだ痛む私にも、なかなか響く石の道です。



ショッピングモールの前にいたわんこ。
飼い主を待ちぼうけて、不安そうにキューンキューンと鳴いていました。

● ギルドとハンザ同盟

ランチをしながら通ってきたルートをチェックしたところ、雪と寒さに凍えかかっていた私たちは、見たい場所をいろいろ飛ばしていたことがわかったので、取りこぼした場所を訪れることにします。



上の画像の真ん中、下の画像の右側が、「大ギルドの会館」です。
ギルドとは、中世ヨーロッパの商工業者たちで結成された組合のこと。
ハンザ同盟って学校で習ったなあ。リューベックに行ってみたいなあ。



上の画像の左側は「小ギルドの会館」。先ほど見たリガ城よりもお城っぽい外観です。
この辺りに建っているのは、宮殿のような建物ばかり。
仲良く隣同士に並んでいる大ギルドと小ギルドの会館。今はコンサートホールになっていました。

● 猫の家

その近くに建っているのが、とんがり屋根の上の黒猫が目印の「猫の家」。



当時、ギルドはドイツ商人専用でした。
ギルドに入れてもらえないことに腹を立てた一人のラトヴィア商人が、屋敷のてっぺんに猫を取り付けて、仲間に入れてもらえるまでギルドの建物に背を向けさせたそう。
かわいい!それって仕返しになるのかしら?
まあ、「ドイツ商人はイケズだった」ということがこうして後世まで伝わっていますから、息の長~いリベンジになっているんでしょう。



リーヴ広場にて。
リカって書いてあるー!と思って寄っていきましたが、よーく見たらリガでした。(残念)

目下ハロウィンの時期。日本ではファンキーなコスプレ祭りが展開されている頃ですが、ここではさりげなく、カボチャ。
なぜそんな場所にあるのかが謎ですが、日本よりもワビサビをわかっていますね!



● アーミーと再会

「リーヴ広場」に、朝ホテルで一緒だったアーミーたちがいました。
なにをするでもなく立っているかと思えば、雑貨屋から買い物を済ませて出てくる兵士たちもいます。
みんな警備しているの?観光しているの?
やっぱりよくわからないままでした。



市庁舎広場の前の「市庁舎」。
立派ですが、この辺りはきらびやかな建物がずらりと立ち並んでいるため、あまり目立ちません。
リガの街並みってすごいんだな、と再認識します。



● ブラックヘッド

市庁舎広場を通って、その先の「ブラックヘッドの会館」に行きました。
昨日のタリンにもあったものの、よく探しきれなかったブラックヘッドの会館ですが、
ここの建物は華やかで目立ちます。



ブラックヘッドは独身男性たちのギルド。
やけに暴走族っぽい響きですが(笑)、メンバーは将来有望な若き商人たち。
まだ白髪じゃない人たちだから、ブラックヘッド(黒い頭)なのかな?と思いましたが、黒髪の守護聖人、聖マウリティウスに由来する名前だそう。
入口の門柱の右側にいるのが聖マウリティウスです。

もともとは1334年に建築されましたが、第二次世界大戦で破壊され、1999年に再建。
美しい大時計がかかり、その下には、ハンザ同盟の4都市(左からリガ・ハンブルク・リューベック・ブレーメン)の紋章レリーフが飾られています。

● I LOVE BEER!



ふたたび繁華街へ。なんとなく気になった店内のヘルメット。
I LOVE BEERと書かれた旗が立っています。
「分かった!」とモコ。
「ヘルメットにビールタンクとストローがついていて、歩きながら飲めるようになってるんだ!」
「え~!飲み続けたいの?」
ここはドイツの影響が色濃い都市。だからといって、そんな装置つきのヘルメットを作っちゃうなんて!
寒いからか、残念ながら実際にかぶっている人は見かけませんでした。



通りを逆方向に真っ直ぐ進むと、大通りをパステルカラーのカラフルな市電が横切っていきました。
まっすぐ塔に向かう道。交差点のところには、チョコレート店ライマの塔がありました。


● ラトヴィア版自由の女神

再び運河を越えて、今度は新市街の方へ。

旧市街のはじ、新市街との境界の自由大通りの真ん中に、「自由記念碑」が立っていました。
高さ42m。ラトヴィア版自由の女神が、空に向かって細長く両手を伸ばし、星を掲げています。
1935年にラトヴィアの自由を象徴して作られ、ラトヴィア独立戦争(1918-1920)で殺された兵士に捧げられているもの
その前には、ロシア帝国併合200周年記念のピョートル大帝像が立っていたそうです。
みんな嫌だったでしょうね。



塔の両脇には衛兵が2人、直立不動の姿勢でピクリともしません。
1時間毎に衛兵交代が行われるそう。



● アーミーと衛兵

アーミー(画像右側)が塔を見ています。
衛兵たちを守っているのか、監視しているのか?みているこちらがちょっと緊張します。



兵士に見つめられても、どこ吹く風といった平常心の衛兵たち。
何があっても微動だにしないって、本当にすごいことです。

ライマの本店のようなお店がありました。
メイド・イン・ラトヴィアのお土産って珍しいので、チョコレートを買いました。



トーキョーシティという日本料理屋があちこちにあります。
バルト三国では、中華料理店はさほど見かけません。それよりも日本料理店の方が多いように感じます。
華僑は世界中にいるはずなのに、どうしたことでしょう。
あるいは、目下バルト三国は日本食ブームなんでしょうか。
「でも、オーナーは中国人だったりするよね」とモコ。
そう、どこも日本人がやっているとはあまり思えない雰囲気のお店ばかりです。

● バルトのパリ



ロマンチック―。もはやパリですね。
そういえばリガは「バルトのパリ」とも言われています。
さまざまな表現をされるこの町。とにかくきれい!!ってことですね。



枯葉をカサコソと踏み、「枯葉よ~♪」とシャンソンを歌いたい気分になりながら、運河沿いを散策します。



● 中央駅のホーム

ホテルの部屋からも見えるリガ駅の時計塔が気になる私たち。
上まで登れないかと、二人で探してみました。
すると、展望台行きの専用エレベーターを発見。どうやら時計塔は展望台になっているようです。
上階は格式が高そうなバーになっている様子。気楽には行けなさそうなので、やめることにしました。



リガ中央駅からあちこちの場所に電車が走っていきます。
このホームに停まっている電車は、ホテルの部屋からも見えます。
「世界の車窓から」みたい。



本日のリガの気温は4度。寒い~。
はるか遠くの東京では、この日13度まで下がるので風邪に注意とネットニュースのトピックになっており、冷え込みに大騒ぎしているようです。
(ふっ、そんなに寒いわけでもないのに。)と、北の人の気分を味わいました。



駅の中にはかわいらしい絵が描かれたお店がありました。
服のお直しなどを行う、お針子の修理屋さんでしょう。
読めそうで読めないんですよね~。

● バルトのアイス

宿に戻る前に近くのスーパーに寄って、アイスクリームを購入。
いくら寒くても外で食べている人がいるため、自分も食べたくなりました。
材料表示などバルト三国の三か国語が載っているため、裏は文字でびっしり。
なのにかけらもわかりません。



ヨーロッパのアイスは、裏切りません。
安くて美味しかったでーす。明日も買おうっと!



お腹はまだ一杯で、夕食は無理そう。
スーパーの向かいの日本(アジア?)料理店に、この日はスタッフの姿が見えました。
営業中のようですが、スタッフに日本人らしき人、そもそも東アジア人っぽい人はいませんでした。



● 部屋でのんびり

ホテルに戻り、部屋に入ったのは4時半くらい。
まだ夕方というには早い時間でしたが、雪が降ったりしたため暗くなるのが早く、5時になるともう夜のような暗さでした。

朝にホテルを出発する時に受付にお願いしていたシャワーの排水口も直っていて、お湯はスイスイ流れていきます。
さっそくシャワーを浴びて、冷え切った身体をあたため、ガウン姿で二人でのんびり。
私は、タリンで捻挫した足首が、関節に沿って大きな青タンになり、日に日に色が濃くなっているのを、ため息をついて眺めます。
あまりに青タンがすごいので、写真に撮ってみましたが、足首の痛そうな画像を見せるのもあんまりなので、掲載するのはやめにします。



ホテルの目の前は駅の時計塔、右側は旧市街などの繁華街。
夜景を眺めながら、ベッドの上でゴロゴロと過ごしました。



左側は先ほど訪れた中央駅。電車が停まっています。

● カープ女子 in ラトヴィア

ネットをチェックしていたモコが「あ、広島負けちゃった...」とつぶやきました。
今年は広島カープが25年ぶりにリーグ優勝して、盛り上がっていることを思い出します。
野球に疎い私でも、日本シリーズで日ハムとの決勝戦に挑むことを知っていました。

はたと思い出しました。そういえばモコは広島出身。
あわわ・・・。
彼女は騒がず、多くを語りませんが、肩を落とし、目に見えてがっかりしている様子。
あわわ・・・。

モ「カープってスポンサーがついてないから、みんなで支えてる意識が強いんだ」
「そうなんだ」
知りませんでした。Jリーグだと、清水エスパルスと一緒。
なるほど、それはファンは盛り上がりますね~。

「貧乏球団だから、いい選手はみんなよそに取られちゃうんだよね...」
「それでもカープ愛がある選手が戻ってきてくれるから...」
「黒田がかわいそう。これで引退だから、花を持たせてあげたかったな...」
ぽつぽつと語る彼女に、かける言葉がありません。
「・・・そっか。ドンマイ」
私も、せっかくだから広島に勝ってもらいたかったな。
ラトヴィアで、カープ女子を慰める夜。

● 雪の夜



気温が下がり、雪が降り始めました。



夜が深くなるにつれ、雪がどんどん積もってきます。



この分だと明日の朝は、解けずに積もったままなんじゃないかと思ってドキドキしながら、寝につきました。

5日目に続きます。



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