風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

まだ見ぬバルト三国へ 4-2(リガ)

2017-05-24 | 海外
その1からの続きです。

● お城っぽくない城

運河沿いにあるラトヴィア国立劇場。ここに正装した華やかな人々が集まり、オペラやバレエが催されます。



「あれ、ここがお城だったところ?」
キャッスルっぽい形の建物を想像していたら、平たいお屋敷のようだったので、あてがはずれて2人でぶつぶつ。



バルト三国のマンホールはいまひとつ心惹かれません。
それでもこれはすてきで、足を停めました。



小道に入った街並み。世界遺産のリガ旧市街地区は、どこをのぞいてもかわいい通り道です。



● ヤコブはジェームス

ローマカトリック教会の「聖ヤコブ教会」。1225年創建でどっしりしています。
ところでこの教会、英語名はSt. James's Cathedral。つまりヤコブってジェームスJamesなんですね。ディエゴでもあるそうです。マラドーナ!



中に入ってみました。内部が気になったという以上に、寒くて寒くて、これ以上外にはいられなかったからです。
辺りにはカフェも全く見当たらないし、石畳の道って冷え冷えと寒いんですよね。
賛美歌を聞きながら、暖かさにほっと一息つきました。

● 三人兄弟

それから「三人兄弟」。
聖ヤコブ教会のそばにあるようですが、表示が出ていないので、なかなか見つけられずに通りを行ったり来たりしてウロウロ。



昨日のタリンで訪れた「三人姉妹」の男版かなと思い(建物なのに?)、そっくりな感じの建物を想像していましたが、ようやくあったものは、全然違う外観をしていました。
これはわからないわ~。

右側の白い建物が15世紀のリガ最古の石造住宅。真ん中の黄色い建物が17世紀建築のオランダのマリエリスム様式の住宅。そして左側の緑色の建物が17世紀末建築のバロック様式の住宅と、全て違う時代に建てられたものだそうです。
ずいぶん年の離れたブラザーズですね。

● ニットの標識



三人兄弟のある細道には、細い標識にニットが巻かれていました。
よく見ると、壁沿いの配管にも。
え、どうして?
こういうのは見るの初めてです。編み物をかぶせようなんて、考えたこともなかったし。



Hobby Wool(ホビーウール)というニット製品のお店の前にあったからかもしれません。

● 平たいリーガ城

「リーガ城」の前に着きました。あれ、じゃあ、さっき見たところは、お城ではなかったようです。
「どうりで、それっぽくなかったもんね」
と安心しましたが、こちらもやはりお城っぽくない感じ。平城だからかも。
西洋のお城というと、ついシンデレラ城かノイシュヴァインシュタイン城を思い浮かべてしまいます。思ったより新しくて、これはこれでファンシー。



お城のそばにある「聖母受難教会」のほうが、デザイン的にかわいらしく、気持ちを引かれました。函館ハリストス正教会に似ていますね。



● マリアの受難

聖母受難教会といいますが、受難したのはキリストで、マリア様じゃないんじゃないかしら。でも最愛の息子が受難したら、母にとってもつらいのは同じなのかなー?などと考えながら。
暖を取ろうと中に入ると、ちょうどミサが行われるところでした。

それから「マリア・マグダレナ教会」へ。先ほどはキリストの母マリアで、こちらはマグダラのマリア。二人のマリアの教会がすぐそばにあります。
一人の男性が急ぎ足で建物に入っていくところだったので、そのあとに続くと、中ではオルガンの音が鳴り響き、ここの中でもミサが行われていました。
司教さんのお説教は、見事に一言もわかりませんが、ときおり「サクラメント」と言っているのが聞こえました。
教会に敬虔な信者たちが集い、司教のお言葉に耳を傾けは、賛美歌を歌っています。早々とクリスマスミサに参列した気になりました。

外に出ると粉雪が舞っていました。寒い寒いと思っていたら、いよいよ雪になったかあ。


聖ヤコブ教会の向かいにある大きな建物には、国旗がかかっていました。
今回の旅では、街の表示の読解は何もできません。
Saeimaというのがなにかわかりませんでしたが、地図を見て「ラトヴィア国会」と判明。

● バリケード1991

そばには「バリケード1991」と刻まれた記念碑がありました。



あとで歴史を調べてみました。ラトヴィア議会がソ連からの独立を宣言し、1991年に市民たちはソ連軍による武力鎮圧から革命を守るためにバリケードを作りました。
ソ連軍がバリケードを攻撃し、リガ市民5人が死亡したものの、ソ連軍の軍事介入を防ぎ、独立運動を前進させたそうです。

1991年って、そんなに過去の話ではありません。
ラトヴィアはじめ、バルト三国がソ連の支配下から独立したのは、ほんの最近のことなんですね。
下のサイトには、バリケードの写真が載っています。もはや写真技術が進んだ時代になってもなお、彼らは自由を求めて闘っていたのです。

バリケード1991のサイト(英語)
https://barricades.latvia.eu/en/#!/intro_1

『Lonely Planet』が今年(2016年)最も訪れるべき都市に選んだ、美しい中世都市リガで、たった25年前に起こった事件。町を歩いていると、時々こんな歴史の爪痕も見られます。

警察官が交通整理をしていました。こちらのパトカーは、日本とはずいぶん違います。
シャチとかオルカみたい。



● 城壁のスウェーデン門

可愛らしい門のところへ行きました。スウェーデン統治時代に作られた城門です。



外は凍てつくような寒さなのに、男性が門の下でトランペットを吹き始めていました。
でもうまく吹けず、かんたんな一曲を吹いたきり、音が聴こえなくなったので、すぐにあきらめたみたい。



昔は旧市街の街をぐるりと城壁が囲っており、今でも城壁は少し残っています。
周りが新しく整備された箇所もありますが、かつてのままの方が雰囲気があります。



● 中世の火薬塔

つたのからまる大きな塔がありました。
14世紀に建築され、火薬の保管庫として使われてきた塔。
現在はは軍事博物館になっていますが、ロシア軍の砲弾が今でも塔に埋まっているそうです。
これがタリンだったら、やっぱり「ふとっちょナントカ」って愛称を名づけそうですが、ここではそうした発想はないようです。。
今となっては全くイメージできませんが、かつてこのあたりは砂丘だったので、ここは別名「砂の塔」とも呼ばれたとのこと。



雪が降りはじめたので、もともと寒かった気温が一気に冷え込んできました。
カイロもまるで役に立ちません。
傘をさしていても濡れてしまい、服も気持ちも重くなります。



● リーガ大聖堂

旧市街の中心地は、ひときわ目立つ大きなルーテル教会の大聖堂が建っていました。
中世期には、全バルト地域で最古かつ最大の聖礼教会の一つだったそうです。
増改築を重ね、ローマ様式、初期ゴシック様式、バロックおよびアールヌーボー様式といったいくつもの建築様式が混在しています。



ドゥアマ広場の石畳には、ユネスコ世界遺産認定のパネルがはめ込まれていました。



● ランチのお店探し

そろそろお昼にしようかと、近くにある中世料理のお店"1221"を探してみました。
その店では、ヘラジカの肉のスープやビーバーの肉の燻製が食べれるとのことでしたが、もう少し探してみようと、場所を移動します。





日本料理店Tokyoがありました。
リガの旧市街を歩いているだけで、昨日から4件目です。日本料理店の数が多いです。
それに反して、中華料理店は全く見かけません。
珍しいことです。華僑はどこへ行ったの?



● 聖ペテロと聖ヨハネ

旧市街に、教会がたくさんあります。
聖ペテロ教会と聖ヨハネ教会が隣り合わせに立っていました。
信者はどちらに行こうか、迷ったりしないのかしら。
私のようにペテロとヨハネがごっちゃになったりはしないでしょうけれど。


馬のオブジェ

聖ペテロ教会の前に馬のオブジェがあったので、聖書の一場面かなと思いましたが、宗教的意味はなく、そばにあるお店のものだそう。
聖ヨハネ教会の前にはブレーメンの音楽隊の像があるのですが、雪の中、あまりに寒くて心身の動きが鈍っており、探すことができませんでした。
カメラのシャッターを切るのさえ、寒すぎて億劫。手袋を取ると身を切るような寒さを感じます。

● ショッピングモール

すっかり冷えきってしまい、いよいよ外にいる限界を感じて、近代的なショッピングモールに転がり込みました。
日本にほとんどないH&Mの子供服専門店。



ここにラトヴィア随一のチョコレート専門店、ライマの店舗が入っていると聞いたので、お土産に買おうとつぶさに探してみましたが、見当たりませんでした。
あれ?情報が古かったのかしら。

● ランチはCili Pizza

チョコはありませんでしたが、この辺りでお昼にしようということになり、ショップモール内のCilli Pizza(チリピザ)に入ってみました。
リガでリカがピザを食べる。アナウンサー泣かせの一文です。



こちらに来てからあちこちで見かけるCili Pizza
本社はリトアニアらしく、バルト三国のファミレスという感じ。
店名から、てっきり激辛ピザのお店だと思っていましたが、メニューを見るとそうでもなさそうです。
1Fはそれなりにファミレスっぽかったけれど、地下に降りていくといい感じに照明が使われていて、ちょっとしたアングラ感がありました。



メニューは、ラトヴィア語、ロシア語、英語の3ヶ国語。やった、英語があるから頼めるわ。
(上記リンクはラトヴィア語とロシア語版しかありませんが)
寒くてたまらないため、まずは本日のスープを頼みます。
2ユーロしないのに大きな器にたっぷりよそられてきました。
サワークリームが浮いており、ロシアっぽいです。
これに黒パンを添えると、もうちょっとした軽食に。



● ツェッペリンを食べる

ツェペリナイ(=ツェッペリン)を頼みました。ツェッペリンとは、豚の挽肉を包んで団子状にしたポテトにくるみ、サワークリームソースを掛けたリトアニアの伝統的料理。
その形から、ドイツの飛行船にちなんだ名前になったよう。
かつてリガには、ツェッペリンの格納庫があったそうです。

普通はメニューの写真よりも小ぶりのものが来るものですが、このお店ではどれも予想以上に大きいものが来ました。
普通のポテトよりも大きく、しかもずっしりと重みがあります。
とても食べでがありました。
それにひき肉のチーズクレープ包みもオーダー。



寒い時には温かいものを食べるに限ります。
うーん、おなかいっぱい!
食事のあとにデザートも頼もうねと話していましたが、とても無理。
時間をかけて食べ終えた時にはもうお腹がパンパンで、いろんな感覚が麻痺していました。

その3に続きます。



最新の画像もっと見る

post a comment