金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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205:日明恩 『鎮火報』

2006-09-29 17:03:15 | 06 本の感想
日明恩『鎮火報Fire’s Out』(講談社)
★★★☆☆

これも『だらしな日記』より。
筆者の名前、「たちもりめぐみ」と読むんだって。
人名って難しいなあ!

メフィスト賞を受賞してデビューした著者の二作目。
殉職した父のようにはなるまいと、事務職を志願する消防士・雄大。
不法就労の外国人アパートで、摘発と同時に火災が発生する事件が
連続して起こり、因縁の元救助隊員・仁藤や入管の小坂と関わる中、
雄大は発火の謎に首を突っ込んでいくことになる。

「饒舌な石田衣良?」と思ってしまったのはわたしだけ?
IWGPの文体を煮詰めて増量させたような語り口。
守のキャラクターを気持ち悪いと思ってしまったのと
ぎゅうぎゅうに詰まった説明に辟易してしまったのとで
好み度は下がってしまったけれど、話としてはおもしろい。
真相が明らかになり、決着がつく場面ではほろりときてしまった。
著者のカラーは他の作品でも一貫しているのだろうか……。
キャクター造形に苦手意識があるので、やや危惧は感じるのだけど、
受賞作の『それでも、警官は微笑う』も読んでみたいところ。

メフィスト賞出身者って「文字量が多い」というイメージ。
なんとなくだけど。

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2 コメント

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Unknown (籐子)
2006-10-01 12:54:11
「それでも~」は読んでみたいなあと思って未読です(*u_u)

読んでみようかなあ。



確かにメフィスト賞の人って妙に文字ぎっしりかも(笑)
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メフィスト賞。 (晶子)
2006-10-01 21:49:22
文字がぎっしり詰まってるか、そうでなくても話が長くて本が分厚い、というイメージ

でもここから出ている人はおもしろい、という勝手な信頼みたいなものがあります。

西尾維新も読みたいと思いつついまだ手がつけられない……。



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