金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

79:日垣隆 『知的ストレッチ入門』

2017-09-15 20:25:24 | 17 本の感想
日垣隆 『知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る』(大和書房)
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

知的ストレッチ――それは、毎日のストレッチ体操で、
筋肉をしなやかに強化するように、
小さな習慣を重ねて、知力を劇的に向上させる方法です。
戦うための書斎づくりから、使える文房具の選び方、
プレッシャーに負けない決断術まで。
プロの執筆現場から体験的に編み出した方法で、
大人のアタマを刺激的に鍛え直す、新時代の〈知的生産の技術〉。
書下ろしiPhone/Twitter論を増補!

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読んだのは単行本版。
あとがきで著者自身が挙げたベストセラーと同様に、
年月が経ってこの本の「前提条件」もまた
変わってしまっているし、
仕事の内容の違いもあって
自分に関係がないと思えるパートもあったけれど、
モチベーションアップには役立った。

「才能のある人間はいいけれども、才能がなくて、
これから努力していかなければいけない人は、
終わったことの余力で食うようなことをすると、
決して成長には結びつきません」(P.131)

は耳が痛い。
せっかく知識やノウハウを得たのだから、
ひとつのネタ(分野)で、できるだけたくさんの商品・サービスを
出したい……と思っていたところだったから。


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78:河合隼雄 『泣き虫ハアちゃん』

2017-09-15 20:06:53 | 17 本の感想
河合隼雄 『泣き虫ハァちゃん』(新潮社)
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

ほんまに悲しいときは、男の子も、泣いてもええんよ──。
城山家の、男ばかり六人兄弟の五番目のハァちゃん。
感受性が豊かなあまり、幼稚園の先生が辞めると聞いては泣き、
童謡に出てくるどんぐりの行方を案じては泣いてしまう。
家族に見守られ、友人たちと野山を駆け巡って、
力強く成長してゆく過程を瑞々しく描く。
心理学者・河合隼雄の遺作となった、せつなく温かな自伝的小説。

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わあ、これはいいなあ……!

遺作ということで読んでみたものの、仕事で何冊か読んだ
他の著作があまり好きではなかったので期待していなかった。
読んでみると、思いがけず好みで、よいお話だった。
子どもらしい未熟さを持ちながらも繊細で心優しいハアちゃんと、
彼を取り巻く家族のあたたかさに胸がきゅんとなる。
戦争の気配はあるものの、そこまで色濃くはなく、
家父長制の時代であるけれども、
リベラルで教養人らしいお父さんと品よく優しいお母さんが
子どもたちのサンタさんに対する疑惑を晴らすべく
対処するお話がユーモラスで可愛らしく、印象的。
おすすめ!


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