降れば必ず白いものが混じってくるような季節に入ったのでしょうか? 今日も八幡平山頂周辺には、湿った雪があちこちに残る状況。
アオモリトドマツやササの上、登山道脇に残る湿り雪。
山頂周辺の落葉樹はすっかり葉を落とし晩秋の佇まい。
そこに淡い初雪のアクセントが加わるも、白いカーペットは儚く消えゆく。
池塘の水面は風に揺らぐ。初氷はまだ?
花の時期にも増して、心の襞を震わせ、訴えかけてくる景色です。
とは言え、足元に細心の注意を払いながら歩かないと、すってんころりん。
黒谷地湿原では、植生調査をおこなってました。ちゃんと許可を得ていないと立ち入ることは出来ませんので、写真家の皆様にはご協力いただきたいと思います。
茶臼岳への登山道には淋しさ漂う。
茶臼岳山頂からの景色も色褪せる。今週末が最後の登山客の賑わいとなりそう。
今日は、昭和一桁生まれの品の良いおじいさまとチョイチョイお話をさせていただきながら歩きました。戦時中、旧制中学の学生だったおじいさまは、松尾鉱山で勤労奉仕をされたと言うことで、当時の記憶を紐解きながら懐かしい八幡平を歩いたことと思います。私も松尾鉱山の現状を説明したり、登山のアドバイスをしたり、おじいさまの青春回顧の旅のお手伝いが出来たと思います。齢80を過ぎてなお矍鑠として、八幡平から茶臼岳を歩き通す体力には脱帽でした。
すっかり葉を落としたダケカンバ。その向こうには松尾鉱山中和処理施設。
おじいさまが勤労奉仕をした当時は、廃墟と化したアパート群すらなかったと言いますから、どれだけ時が経ったのか。おそらく前山やモミ山の植生も今とはずいぶん違ったことと思います。