小学教師の雑感・多感

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ぜひ情報交換いたしましょう。

手紙を渡す演出を・・・

2011年02月26日 | Weblog
繊維メーカの研究職として、定年まで勤め上げた方。

再雇用として、今年から「理科支援員」として本校に勤務。

2月いっぱいで契約が終了し、来年度以降、どうなるか分からない。


そんな理科支援員さんの最終授業。

朝自習の間に、子ども達にお礼の手紙を書かせる。


「知っての通り、理科支援員さんは、今年はじめて学校で働いた。
 なので、みんなから手紙をもらうことで、きっと大喜びするだろう。
 でも、もっと喜んでもらえるために、渡し方を、一工夫、一ひねりしよう!」

子どもから、いろいろな意見が出される。

「理科室のどこかに手紙を隠しておき、さりげなく見つけてもらえるように作戦を立てよう。」

「教室の黒板にメッセージや飾り付けをしておいて、授業の後に理科室から来てもらって手紙を渡そう。」

「昼休みに一緒に遊び、サヨナラを言った後に、職員室で渡そう。」


どれも楽しそうだが、最終的にはこんな演出に・・・


授業が終わる頃、「この前やった電気の実験をもう一度やりたい」と発言する。

理科室のカーテンを閉め切って暗くし、手動で発電する懐中電灯で遊び出す。

支援員さんが、「そろそろやめにして」と言う頃合いを見計らい、その電気を支援員さんに向け、スポットライトを当てた中で、手紙を渡す。

そして計画を実行する際、機転がきく子の発言で急遽作戦変更。

「この実験器具には、電気を蓄えてオルゴール音を鳴らす機能もついている。クラスの半分の人は電気を当てるのではなく、オルゴールを鳴らそう。」

支援員さんに分からないように、懐中電灯(スポットライト役)とオルゴール(BGM役)を分担する。

そして、いよいよ作戦決行。

子ども達が手動で発電した電気が、光と音となり、手紙を渡す場を演出する。

私も子どもも驚くほど、あっという間に支援員さんの瞳には涙が。

支援員さんは、涙を隠すように準備室に消えていく。

そして、戻ってきて一言。

「先生は、この6年○組が一番好きでした。有り難う・・・」

この星に生まれて ~ ビッグバン

2011年02月24日 | Weblog
卒業式で歌う曲の一つ、「この星に生まれて」。

生き物地球紀行の主題歌を、合唱用に編曲したもの。

編曲者は、コスモスと同じく富澤裕先生で、直接ご指導も受けた。



今年度は、「星」を象徴として、学級経営を進めた。

卒業制作である、オルゴールには「星の仲間達」と書き、クラス全員の名前を周りに彫った子がいた。



卒業アルバムの表紙には、「みんながりっぱな星になれますように」と書く子もいた。



そして、今日。嬉しい日記を書いてきた子がいた。

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 ビッグバーンからはじまった6-○。ビッグバーンがなければ、6-○もなかった。キセキにきせきを重ねて、私達はこうしで出会った。これからどんなキセキがあるのだろう?
いちばんはじめに起こったキセキ、それはお母さんとお父さんが出会ったこと。そして私が生まれてきたこと。それがはじめ。
 それから成長して、今6-○のクラスにいる。もしかしたら私はこの場にいなかったのかもしれない。そう考えると不思議だ。でも良かった。6-○でいられてとっても楽しい。本当によかった。お母さんとお父さんにも感謝したい。

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問題の多くあった6年生。でも、卒業を前に、みんなの思いが結集する。

あともう少し。さらなる「やま」を用意すべく、思いをめぐらせる。

氷りが溶けて

2011年02月12日 | Weblog

雪の中、ベビーカーにレインシートをかぶせて公園へ。

娘と雪の出会い。公園近くにある喫茶店。誰もいなかったので初挑戦。

大きな一枚ガラスを通して、しんしんと降る雪を眺める。


娘を愛する気持ち。そんな詩が「サングラハ115号」に紹介されていた。

詩人は言葉の魔術師。心の奥底から共感し、魂が震える。皆さんにもご紹介します。

岡野守也先生の解説も読みたい方・・・はぜひ、ご購入ください♪


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  蜆(しじみ)

          高橋新吉

 夜中に私の小さな娘が

 蜆(しじみ)のような声を出して何かつぶやいている

 彼女はまだ生まれて百日にしかならない

 私は娘の声を聞いて

 うれしさが体に充満する

 どんな音楽を聞くよりも

 私にはよろこばしい

 彼女は目を覚ましたのであろうか

 娘が生きていることは私が生きていることである

 私はそのうち死ぬであろう

 娘は生きつづける

 そして誰かの子供を産むであろう

 その子供達が 無限に将来生きつづけることを思うと

 私は楽しくなるのだ

 人間が生まれて生きているのはよいことである

 これ以上によいことはあるまい

 私は娘のために出来るだけのことをしなければならぬ

 父親としての義務をつくさねばならぬ

 夜は深々と更けている

 氷が溶けて あたたかい春の水が流れる

 娘よ おとなしく眠れ

 朝と昼と永い人生が お前のために準備されている

COSMOS

2011年02月08日 | Weblog


1学期、4月の学級開き。

岡野守也先生に学ぶ「コスモロジー」を語る。

宇宙の137億年の歴史がつまった存在が自分だと想いを込める。

学級のシンボルを星とし、学級目標も「輝き」という言葉を使った。


2学期、9月の運動会。

表現・組体操では、「COSMOS」と題して、ビッグバンから生命の誕生を表現する。

そしてその後、合唱曲「COSMOS」を歌う。

ご縁で、世にこの曲を広めた編曲者、富沢裕先生のご指導も受ける。

この曲へ込めた思いも語っていただく。


そして、3学期の明日、地元の中学とのコラボレーションが実現。

全学年はもちろんのこと、保護者や教育委員会もお招きする。


地元の新聞も取材にくるとのこと。

何かと悪い噂が多かった6年。新聞に載ったら、かなりのイメージアップ。

大いに力を発揮して欲しいと思う。自分もカチカチの指揮を頑張らねば・・・

卒業アルバムの文章・・・贈る言葉・・・

2011年02月04日 | Weblog
卒業アルバムに載せるメッセージを子ども達に書いた。

いろいろな思いがこみ上げてくる。いよいよ「卒業」という2文字に実感が湧いてくる。

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「おかえり」

 新年度の最初の日、自分にとって初めての○○小学校での一日。どんな子ども達との出会いが待っているのかと、やや緊張しながら教室の扉を開けた。
 「なんて、元気いっぱいな子達なんだ。」
それが第一印象だった。そんなみんなと、どんな一年間を過ごすのだろうかと、思いをめぐらせた。
 そして、始業式の次の日。前にいた学校の離任式に出席してから、6年○組の教室に戻った。すると、思いもかけず「おかえり。」の言葉。その瞬間、このクラスが自分にとっての「ホーム」となった。
それからみんなと過ごした日々、本当にたくさんのことがあったね。弥生時代の討論、お互いの考えを知る楽しさを味わった。大仏づくり、みんなで協力すれば、大きなことも成し遂げられることを知った。他にも、野口健さんへの意見文、理科の地層実験、お化け屋敷、曲づくり、十年後の同窓会の計画。思い出は数限りないね。
 個性豊かなみんな。時にはぶつかり合うこともあった。思うようにいかないこともあった。しかし、こうした一つ一つの経験の積み重ねで、絆を深めていったね。
 みんなは今、卒業という節目を迎えた。みんなはまた一つ、新たな未来へ踏み出そうとしている。これからも大きな困難や、高い壁が立ちはだかるかもしれない。しかし、ここでできた思い出、ここで出会った仲間のことを心に留めてください。きっと明日へのエネルギーとなり、みんなの未来を明るく照らしてくれることでしょう。
 輝け、6年○組。輝け、みんな。明るい未来へ向かって!いつまでも応援しています。そして、十日後か、一年後か十年後か、それ以上か分からないけれど、いつか○○小学校に戻ってきた時には、「おかえり。」の気持ちで待っています。卒業おめでとう! 

6年○組担任 ○○ ○○