
このタイトルに心惹かれて、ついつい見てしまった。なんだか山田詠美の『僕は勉強ができない』の続編みたいなタイトルではないか。ここまでストレートなタイトルを大胆に付けるってなかなかセンスがいいと思う。北乃きいと瀬戸康史主演のちょっと軽めの青春ラブ・ストーリーなのかと思い、見始めたのだが、なんのなんの、これは凄いことだった。驚かされた。こんなにもバカバカしくて、とんでもない映画だなんて想像もしなかった。まるでなんの予備知識もなく映画を見るのは、改めていいことだなぁ、と思う。
序盤戦で、そのありえない設定の連続技に乗せられた。瀬戸演じる主人公は、ハーフなんていうのもあり得ない。あの髪の色だけであとは、どうみても日本人顔しかしてないし。それから、登場人物の名前。漫画やアニメでは当然なのだろうが、それでもここまで誇張されると、笑える。現実にはありえないような高校も今までたくさんの映画で見せられてきたけど、ここまで確信犯的にいけしゃしゃとやられると、笑うしかない。そして、北乃きいの登場だ。彼女のアニメ的なキャラと演技(当然意図的!)で、映画の方向性は定まった。そこからはもう怒濤の展開である。どんどん集まる隣人部のメンバーたち。そのキャラクターが絶妙で、飽きさせない。というか、「隣人部」というクラブが凄すぎ。
思春期の子供たちが興奮するようなエロエロな描写が続き、これはなんなのだ、と思う。21世紀の『パンツの穴』か。でも、それが目的ではないことは明らかで、では、なぜこんな中学生に洟血を出させるような見せ方をするのか、と思いながら、見る。でもいやらしい映画では断じてない。パンツが見えそうで、見える、とか。胸の谷間とか、あそこまで強調するって、なんかすごい。さりげなく、やりすぎ。でも、なんだかエッチではなく、さわやか。ヘンすぎる。
友達がいないやつらが集まって、友達を作るためにクラブ活動をする。そのくせやつらはただ、部室に集まってそれぞれが好き勝手しているだけ。なんとあきれた設定だろうか。自分勝手なやつらのキャラクターに感動する。描きわけが、実にうまい。笑うしかない。そして、映画はさらなるとんでもなさを見せる後半戦に突入するのだ。
この映画を見ながら思い出したのは、あの押井守監督の初期の傑作『うる星やつら ビューティフルドリーマー』だ! 永遠に終わらない文化祭の時間。この映画の後半、現実がねじくれてくる。夢の時間が現実を侵食していく。これは一体誰が見ている夢なのか。どんどん人が消えていく。学校だけでなく、町までが変わっていく。あの悪夢のシーンを見ながら、なんだか異常に興奮してくる。僕は思いもしない映画を見ている。こんな映画を観る予定ではなかったはずなのに、気がつけばこの映画に取り込まれている。この映画の主人公たちが、その世界に取り込まれているように。
このなんとも言えないような心地よさは何なんのだろうか。この悪夢のビジュアル化はクリストファー・ノーランの『インセプション』にも似ているけれども、これはあの映画のような大作映画ではない。それだけに、構えて見てなかったから、驚きはより大きいものだった。「そんなバカな、」と思いつつ、その思いがけない展開に虜にされた。
でも、全体はちゃんと青春映画してるのだ。SFではありません。友達がいない子供たちのお話で看板に偽りはない。しかも、安易に「友達っていいなぁ、」でもないし。どこまでが本気で、どこからが冗談なのか、まるでわからないところがこの映画の魅力なのだ。一見するとチープな映画かもしれないけど、実はそうではない。これは深遠で壮大なドラマだ。ちまちましてないのがいい。堂々とこの壮大なスケールの物語を紡ぎあげる。おれとあいつが出会ったことは、世界が変わるほどの出来事なのだ、と。
北乃きいがすばらしい。ちゃんとパンツが見えないのも、いい。媚びない姿勢を貫く。そのくせ本当は弱いくせに。そんなパターンなのに、複雑なキャラを堂々と演じた。脚本、監督は及川拓郎。園子温(『みんなエスパーだよ!』)もこの映画を見習って精進してもらいたい。
序盤戦で、そのありえない設定の連続技に乗せられた。瀬戸演じる主人公は、ハーフなんていうのもあり得ない。あの髪の色だけであとは、どうみても日本人顔しかしてないし。それから、登場人物の名前。漫画やアニメでは当然なのだろうが、それでもここまで誇張されると、笑える。現実にはありえないような高校も今までたくさんの映画で見せられてきたけど、ここまで確信犯的にいけしゃしゃとやられると、笑うしかない。そして、北乃きいの登場だ。彼女のアニメ的なキャラと演技(当然意図的!)で、映画の方向性は定まった。そこからはもう怒濤の展開である。どんどん集まる隣人部のメンバーたち。そのキャラクターが絶妙で、飽きさせない。というか、「隣人部」というクラブが凄すぎ。
思春期の子供たちが興奮するようなエロエロな描写が続き、これはなんなのだ、と思う。21世紀の『パンツの穴』か。でも、それが目的ではないことは明らかで、では、なぜこんな中学生に洟血を出させるような見せ方をするのか、と思いながら、見る。でもいやらしい映画では断じてない。パンツが見えそうで、見える、とか。胸の谷間とか、あそこまで強調するって、なんかすごい。さりげなく、やりすぎ。でも、なんだかエッチではなく、さわやか。ヘンすぎる。
友達がいないやつらが集まって、友達を作るためにクラブ活動をする。そのくせやつらはただ、部室に集まってそれぞれが好き勝手しているだけ。なんとあきれた設定だろうか。自分勝手なやつらのキャラクターに感動する。描きわけが、実にうまい。笑うしかない。そして、映画はさらなるとんでもなさを見せる後半戦に突入するのだ。
この映画を見ながら思い出したのは、あの押井守監督の初期の傑作『うる星やつら ビューティフルドリーマー』だ! 永遠に終わらない文化祭の時間。この映画の後半、現実がねじくれてくる。夢の時間が現実を侵食していく。これは一体誰が見ている夢なのか。どんどん人が消えていく。学校だけでなく、町までが変わっていく。あの悪夢のシーンを見ながら、なんだか異常に興奮してくる。僕は思いもしない映画を見ている。こんな映画を観る予定ではなかったはずなのに、気がつけばこの映画に取り込まれている。この映画の主人公たちが、その世界に取り込まれているように。
このなんとも言えないような心地よさは何なんのだろうか。この悪夢のビジュアル化はクリストファー・ノーランの『インセプション』にも似ているけれども、これはあの映画のような大作映画ではない。それだけに、構えて見てなかったから、驚きはより大きいものだった。「そんなバカな、」と思いつつ、その思いがけない展開に虜にされた。
でも、全体はちゃんと青春映画してるのだ。SFではありません。友達がいない子供たちのお話で看板に偽りはない。しかも、安易に「友達っていいなぁ、」でもないし。どこまでが本気で、どこからが冗談なのか、まるでわからないところがこの映画の魅力なのだ。一見するとチープな映画かもしれないけど、実はそうではない。これは深遠で壮大なドラマだ。ちまちましてないのがいい。堂々とこの壮大なスケールの物語を紡ぎあげる。おれとあいつが出会ったことは、世界が変わるほどの出来事なのだ、と。
北乃きいがすばらしい。ちゃんとパンツが見えないのも、いい。媚びない姿勢を貫く。そのくせ本当は弱いくせに。そんなパターンなのに、複雑なキャラを堂々と演じた。脚本、監督は及川拓郎。園子温(『みんなエスパーだよ!』)もこの映画を見習って精進してもらいたい。