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映画・演劇のレビュー

『スキップ・トレース』

2017-09-12 22:06:15 | 映画

 

今年のジャッキーはなんと3作品。初夏の『レイルロードタイガー』に続いて今月にはこの映画が公開された。(さらには12月『カンフー・ヨガ』というコメディーもある。劇場ではもう早々と予告編をしていた)

 

この今回の作品は本国(香港ではなく、たぶん「中国」)では、なんとジャッキー映画史上最大のヒットだという話で、期待が高まる。しかも監督はなんとあのレニー・ハーリンなのである。

 

僕たちの世代にとって彼はあの『ダイハード2』の監督だ。あれはアクション映画史に残る重要な作品だ。ちょうど同じ時期にキャメロンが『エイリアン2』を作っている。(たぶん) 大ヒット作の続編は前作を抜けないというジンクスをこの2本は堂々と打ち破った。キャメロンはその後、自作の続編である『ターミネーター2』でも、1作目越えをした後、『タイタニック』を作り、歴史に残る巨匠になる。だが、レニー・ハーリンはそうはならなかった。何本かアクション大作をモノにはするけど、『ダイハード2』を越える作品は作れないまま、徐々に第1線から消えていく。そしてやがてB級映画監督になる。さすがの僕でも最近の彼の作品は、もう見てない。(噂では結構面白い低予算映画を作っているらしいのだが・・・)

 

今回、ジャッキーはそんな彼を起用した。完全なアウェイ状態で、ジャッキー映画というブランドに挑んだのだ。ここで彼がどんなものを仕掛けるのか。とても興味津々で、見た。しかし、残念な仕上がり、というしかない。本国での大ヒットはなんだか、よくわかる。中国映画という枠内でこういうわかりやすい映画は好まれるのもさもありなん、である。商業映画として、娯楽活劇としてはたぶん及第点の映画なのだろう。しかし、今まで命がけで映画を作ってきたジャッキー映画の最新作としては、物足りない。何よりもまず、ここにはレニー・ハーリンという監督がいない。そこが最大の問題点だと思う。彼がこの作品で何をしたいと望んだのか。まるで見えてこないのだ。雇われ監督としては、これでいいのかもしれないけどジャッキーはこんな映画を作らせるため彼をわざわざ呼んできたのか?

 

香港からスタートして、ロシアに舞台を移し、大陸を横断して、モンゴルから中国に入る。そして再び香港まで。観光映画の趣で、いろんなところの雄大な自然や名所を見せてくれるのだけど、それはこの映画から緊張を奪う。もともと緊張感のあるアクション映画ではないのだけど。のんびりした映画で、バカバカしい楽しさ。僕は別にこの映画をけなそうというのではない。だけど、ほんとうにこんなのでいいのかな、と思う。エリック・チャンが冒頭に一瞬ゲスト出演していて、楽しめたのだが、なんと重要な役回りで、サプライズが用意してある。でも、あれはないわ、と反対に萎える。いろんなところで、突っ込みどころ満載の映画なのだ。悪い映画ではないけど、見終えて寂しい気分になった。

 

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