習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ミロクローゼ』

2012-12-05 21:12:43 | 映画
 山田孝之がひとり3役で、3つのまるで別々のお話の中で大暴れする。石橋義正監督の待望の新作である。この荒唐無稽な世界に放り込まれてそこで、想像もつかない冒険の旅に出る。鈴木清順監督も特別出演しているが、往年の彼の作品を見ているような驚きが満載である。極彩色の筆使いは、豪快だ。しかも、大胆極まりないお話とビジュアルで、あきれるやら、興奮するやら、何がなんだかわけがわからない。凄すぎる。バカすぎる。笑 . . . 本文を読む
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東直子『長崎くんの指』

2012-12-05 21:03:51 | その他
 東直子さんの小説デビュー作である。彼女はもともと歌人で、2006年にこの作品で作家デビューしたらしい。僕はその後の作品で彼女と出会い、その簡潔で、余白のたくさんある作品に心惹かれたにもかかわらず、今までさかのぼってこのデビュー作を読むことはなかった。不徳の次第である。彼女の魅力がここには全開している。というか、彼女の小説の秘密がここにはこんなにもあからさまに見える。やはり才能ある作家のデビュー作 . . . 本文を読む
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『任侠ヘルパー』

2012-12-05 20:59:00 | 映画
 もうお定まりとなったヒットしたTVドラマの映画化作品というパターンなのだが、これは西谷弘監督である。よくある安易な作品とは一味違うものになっている。だが2時間14分は少し長い。しかも、それだけの尺ですら、すべては語りきれていない。  終盤の展開はちょっとあれでは納得がいかない。最終的な解決がないのは、しかたのないことだが、あれで彼が去っていくだけではなんだか中途半端な印象を与える。もう少しなん . . . 本文を読む
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劇団息吹『パパのデモクラシー』

2012-12-05 20:53:45 | 演劇
 幾分重い作品になった。きっとオリジナルはもっと軽妙で笑いのあるものなのではないか。息吹は持ち前のまじめさで、その軽さを棄てた。もちろん完全に棄てているのではない。台本をちゃんと踏襲してあるから、そのユーモアは残る。だが、そこを生かすのではなく、ここに描かれる時代にちゃんと寄り添おうとした。その結果、幾分重い作品になるのである。仕方のないことだ。  昭和21年という時代。戦争が終わった直後の混乱 . . . 本文を読む
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『人生の特等席』

2012-12-05 20:44:45 | 映画
 役者は引退したはずのイーストウッドが4年振りで復帰した作品。やっぱり役者はやめられないのだろうか。これが特別な作品であるわけではないだけに、そう思うしかない。でも、彼には自分がやりたいと思える企画があればこれからもどんどんやってもらいたい。やっぱりイーストウッドはカッコイイ。こんなやわな映画に出ても許せる。というか、この突っ込みどころ満載の映画で、それでも泣かせるのは、このパターンでしかない安易 . . . 本文を読む
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