急に思い出した、20代の中盤あたりで読んだ島田雅彦の短編集「優しいサヨクのための嬉遊曲」...
その中の表題作「優しいサヨクのための嬉遊曲」の中で
文化系で緩いサヨク思想の持ち主の大学生の主人公が想い人の美少女“バージニヤちゃん”(主人公の中の妄想ネーム。本名はみどり)に・・・
「キスしてあげようか?バージニヤちゃん」
「遠慮しておきます...」
遠慮しておきます、か カ カ カ カ(←主人公の心の中のセリフ)
みたいな一節(段落)があったのを突然思い出した(文庫本、結婚時に売ってしまったので、確認できずセリフが正確じゃなかったらごめんなさい。。。 また読んでみたいな...。 このよ迷う微々たる期待感の末の肩すかし、うつろう失望感、今まさにこの空間の所在のなさのやり場をいったいどこに持っていったら良いのだろう...といった感じのクールぶった熱血漢の主人公の感情の揺れがすごく伝わってきた憶えが。。。^^;)
同時掲載されてた「カプセルの中の桃太郎」は、大江健三郎の「セブンティーン」のパロディではないかと評されている...。 主人公の名前はクルシマ(“苦し紛れ”という言葉からのネーミング??)、共に現実をもがく主人公の親友の名前はイノナカ(こちらは“井の中の蛙”から??であろう...)
優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫) | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
島田雅彦さん、1990年半ば~後半あたりのダ・ヴィンチの“この人と恋に落ちたい作家ランキング”とやらで、1位に選ばれてたけど(2位は京極夏彦氏)、選んだ読者のコメントが『「君と一緒に没落したい」とか言われてみた~い』みたいな感じのコメントで(完全に作品読んでねぇ。。 まぁイメージで語りがちな私もヒトのこといえないけど。。。)、それについてのアンサーで島田氏は「プロレタリア文学者の私は没落しようにもできませんがね カ カ カ カ」(←最後の部分は私による誇張orアレンジ。。)とか答えてたのを想い出す.....