主婦ゲーマーのゲーム日記

世間に隠したオタク心を爆発させています。時折まじめに読書など。

本日の読書

2013-02-24 11:10:50 | 読書
小野不由美著『残穢』
怨みを伴う死は「穢れ」となり、あらたな怪異の火種となるのか──。畳を擦る音が聞こえる、いるはずのない赤ん坊の泣き声がする、何かが床下を這い廻る気配がする。だからあの家には人が居着かない──何の変哲もないマンションで起きる怪奇現象を調べるうち、浮き上がってきたある「土地」を巡る意外な真実。著者九年ぶりの五〇〇枚書き下ろし、戦慄のドキュメンタリー・ホラー長編。

新潮社 小野不由美『残穢(ざんえ)』特設サイトより引用。

語り手である私は、小野さん本人が投影されています。
「昔書いていた小学生から中学生向けの文庫レーベルにホラーのシリーズを持っていた」というのは最近、装丁を変えて改めて出版されたあのシリーズでしょうね。
で、そのシリーズのあとがきに「怖い話を知っていたら教えて欲しい」と呼びかけていた、と。
20年ほど前のことだけど、未だに時折、手紙が届くと言う中、古書などで手に入れたという編集プロダクションのライターである久保さんという女性から、一通の手紙が届いた。
超したばかりの賃貸マンションの一室で何かが摺るような、箒で掃除をするような音がすると。
そして、一枚の小さな光が2つ写る写真を同封されていた。
私は、手紙のお礼とその写真の合理的な説明を書いて返信をした。
その後も思い出す度に久保さんが、実験記を送ってくれるようになった。
そして、久保さんはある日、その正体らしき物を見てしまった・・・。

その報告を読みながら、私は久保さんの話に既視感を覚え、どこで見聞きしたのかと引っかかりを覚えていた。
そして、私の引っ越しの準備をしながら、ふとそれをどこで聞いたのか思い出した。
かつて読者から届いた手紙だったのだ。
保存していた手紙を調べていると、久保さんと同じ住所のものがみつかった。
部屋番号は違うが同じマンションだった。
そして、手紙を開いてみると、そこには果たして、久保さんと同じく何かが掃く音と自分には見えないけれど2才の子供が揺れる何かを見ているらしい、という話が・・・・。

もうね!このドキュメンタリーなところが、怖さを誘う!
実在する物や人物(申し訳ないがその作家さんは知らなかった。機会があったら読んでみよう)混じると、リアリティが増して怖い!
しかも!
あ、ちょっとネタバレしちゃいますが。

終盤、話が福岡に移るのですよ。
で、そこに出てくる怪談が!小野さんとは反対側の隣県に実家がある私も聞いたことがあるような話なんですよ!!!!
もうここで怖さMAX。
夜に何で、こんな本を読んでいる、私!!!!
怖いので、その日は止めたけどね!

でも、最後は怖くなくなりました。今度こそネタバレになるので言わないけど、小説の中の人物と同じ気持ち。(絶妙なタイミングで同じ気持ちになる)


和田京子編『妖怪萬画 第2巻 絵師たちの競演』
さて、上の怖ーーーいお話を読んで、夜がどきどきな私にちょうど良かったこの本。
最近『大神』をプレイして、そういう絵を楽しみたくなって借りてきました。
浮世絵の妖怪達の絵がカラーでいっぱいの文庫本です。
巻末付録に本で出て来た150種の妖怪達のうち30種の解説がついています。
その中に、私の希望となる妖怪が!
その名は、がんばり入道。
「がんばり入道、ホトトギス」と唱えれば、夜中の厠で妖怪に会わずにすむという言い伝えが江戸時代にあったそうです。
これで、夜中も大丈夫!
と思ったのに、最後の一文が・・・。
ただ、この迷信には諸説があり~(中略)、その一方で大晦日にこの呪文を唱えると禍いがもたらされるともされている。
えっ(大晦日に使わなければいいのか??)

ちなみに私の怪談、不思議な話に対するポジションは非科学的だとは思っているけど、在った方が世界がより多彩になって面白いじゃない、です。


あさのあつこ著『燦〈1〉風の刃』
私の中では「人気の作家さんか。なら読んでおくか。」と思う時と、なんとなく避けてしまいたくなる気持ちが共存しています。
この境がどこにあるのか、自分でもよく分からないですが、確実に「普段、本を読まないタイプの人が流行っているからと手に取る本は避ける」があります。
何に張り合っているんだ、私。
これで、かなり私的に損をしている作品が絶対あるはず。
これのトップに立っている作家さんがお一人いるのですが、「死ぬまでには読んでおこう、数年前に話題になったアレだけでも」と思いつつ、まだ読んでいません。
で、あさのあつこさんも、どこでどうなったのか、避ける作家さんだったのですよ。
ここ数年、克服しようと何冊か借りている。

で、本の感想は申し訳ないですが、置いておきます。
(物語の開始としては、なかなか良く、続きを読んでみたいな、と思いました。)
ふと、本を手にして思ったことをつらつらと。

本や漫画の値段というのは、物価の上昇に伴い上がっていくのは当然なんですが。
コミックは出版社でほぼ同価格定なので、気付きやすいのですが、文庫本は本ごとに異なるので気になりにくい。
が、この本を手に取った時にまっさきに思った。
この薄さで495円+税なの?(207ページの本でした)
いや、本は厚さじゃないのかもしれないけど!
いつの間にこんなに上がった??
自分で積極的に買う本では気にならなかったのに、この本は妙に気になりました。
これが愛の差か・・・。
コメント (2)
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本日の読書

2013-02-16 12:55:43 | 読書
宮部みゆき著『ここはボツコニアン 1,2』
12才の誕生日の朝、モルブディア王国の子供たちの枕元にはゴム長靴が現れる。
なんでって、それがこの国のお約束だから。
この長靴を持って役所に行って判定を受け、『本物』と認められたら、その持ち主は「長靴の戦士」として、神様を捜して、あることをお願いしないといけないのだ!

その12才の誕生日に長靴を持って役所に行き、本物と認められた少年ピノ。
そして、もう1人の長靴の戦士の少女ピピ。
実は生き別れの双子の姉だった彼女と「世界のトリセツ」と共に冒険の旅へ!

ゲーム好きな宮部さんによる、RPG的ファンタジーです。
背表紙裏の使用上の注意に「テレビゲームがお好きでない方にはお勧めできないかもしれません。」とあるように、お話の早々に「アルティマニア」とゲーム好きな人しかすぐに分からないようなゲームネタが出てくるくらい既存のゲームネタがいっぱい。ついでに洋画、洋ドラマのネタも。
その辺りを許容できる大人と中高生向けなドタバタファンタジーです。
2巻まででは中ボスを1体倒しただけですので、先がかなり長そうですよ。


坂東眞砂子著『朱鳥の陵』
常陸国の夢解きである白妙は、国造の命により京に召され、皇太妃とその姉である皇女の元へと喚ばれた。
白妙は御名部皇女が夢で見た高市皇子が何かを指し示す様子の意味を知りたがっていた。
その場では出来なかった夢解きだったが、その場で姉妹が話題にした過去に起きた祖父の死に際の様子をふっと口にしたため、その力を認められ、夢が解けるまでの滞在を望まれた。
縁のある場所・人を訪れ夢を解いていくと、次第にある1人の皇女の過去の心の中に滑り込んでいく白妙。
その心の持ち主の正体と高市皇子の行いを知り白妙は・・・。

いやあ、面白かったわ。ゲームを放っておきたくなるくらい面白かった。
歴史小説のつもりで借りてきたけど(でも板東さんだから、ホラーっぽいかな?とは思ったけど)、思いっきりミステリー。
いいわ、こういうの。思いっきり好み。
最近読んだ○○大賞を取った作品と比べると段違いに面白いよ?
でも、別に賞はとってないのですよねーー。
もう賞の基準が分からないよ!(ある程度の位置になると選考外になるの?なるのだったら選考外の人をちゃんと言って欲しいよ。じゃないと基準が分からん)
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本日の読書

2013-02-03 12:56:00 | 読書
川崎草志著『長い腕』
新人作家の登竜門たる、第21回横溝正史ミステリ大賞を受賞した話題作である。ゲーム製作会社に勤務する主人公は音楽と読書、そして孤独を愛する女性。現在の仕事に大きな不満はないが、同じ場所に居続けることを好まないため、会社を辞めしばらく故郷・愛媛県の小さな町に帰省しようとしている。ところが同僚の変死事件と、故郷の町で起きた女子中学生による殺人事件とに共通のキーワード「ケイジロウ」を発見し、調査を始めることに…。

著者は現在ゲーム製作会社に勤務する現役のサラリーマン。本書の主人公も同業者で、作中にもゲーム業界の過酷な労働環境やゲーム開発の裏話が織り込まれている。また「ネットストーキング」「盗聴」「無差別暴力」など現代の恐怖を象徴する事件も作中には多発するのだが、それぞれに理にかなった解決策が提示されているため、中途半端なハウツー本より役に立ってしまう。

北村薫、宮部みゆきら稀代のストーリーテラーに選ばれた作品にふさわしく、魅力的な謎と、巧妙な伏線、徐々に高まる緊迫感とで読者を飽きさせないのはもちろんだが、特筆すべきは主人公の造型である。冷静に、ときには大胆にトラブルを処理し、的確な推理で調査を進めていくこの女性は、いわゆる「男性作家の描く男勝りのヒロイン」とは明らかに一線を画している。まず「人間」としての自分があり、男性にも対抗したり媚びたりはしないのだ。「また魅力的なヒロインが誕生した」などと紋切り型の賛辞で済ませてはいけないだろう。(工藤 渉)
某密林さんの商品説明より。


登録しているブクログや密林の評価を見ると高めなんですよねえ。
最近の自分とのずれが怖い。
ネタバレになるからこれを書くのは不味いのかもしれないけど。(そうすると私も書くことが無くて困る)
巻末の解説で、横溝さん的と評されていたけれど、それは旧家の因縁が取り扱われているところだけだと思う。
(そこに至るまでの伏線はまあ良し、と思うけど。)
横溝さんの作品から漂う、あの雰囲気!
それはありません。あのどろっとした感じはない。
むしろ乾いている気がする。

上の評価にヒロインが「男性に対抗もしないし媚びもしない」とありますが、私は違うと思いました。
確かに男性に対してそうだけど、女性に対してもそう。
いや、むしろ他人と関わりたくないと思っているという印象を受けました。
それに「ときには大胆にトラブルを処理し」ってあるけど、そのために学生に盗難させているよね。(一応戻すこと前提だけど。しかし戻し方は自分で考えろって・・・)

新人さんと言うことで、評価をするのなら高めで良いのかもしれないけれど、お金を出して買うと言うのだったら、私は5段階の5をつけるなんてしない。
評価を段階で表すのは本当に難しい。そして、他人の評価を受け取るのも難しい。
基準があまりにも多彩。
私のブクログは評価は星3が基本です。
面白ければ4,人にも薦めたい!!と思うくらいなら5にしてます。
たまに2を付けたいこともあるけれど、私の評価なんて誰も気にしてないと思うけど、2を付けるのは勇気が要る。


森博嗣『実験的経験 Experimental experience』
小説のような、ショートショートの集合のような、エッセイのような、そんな作品。
エッセイで、ご自身の考えを書いているとして。
他人の意見なんか気にしないで、シリーズ、ちゃんと書いてください。終わらせてください。
Gシリーズは、全部が出てやっと1つの作品になると思うの。
全部を一気に読みたいの。
四季さんの思惑ってどんなものなのか気になるーーー。

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