パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

読後感

2009年05月15日 | 本・マンガ・テレビ・映画
5月15日(金)晴れ
天童荒太『悼む人』読了。
数日前に、先に読み終えた夫が「読了後の後味が悪い」と言っていたので、
覚悟して読み進める。
ま、天童氏の作品って、全100ページだとすると、そのうち90ページが不幸な話で、
残りの10ページ、最後の最後に少し救われるって感じ?
10人の、不幸な登場人物がいて、最後の最後にそのうちの2人だけ、やっと幸せになれるって感じ?
「永遠の仔」も「孤独の歌声」も「家族狩り」も・・・
本は読んでないが、映画で見た「包帯クラブ」も、やはり、ベースは『不幸』
読後感がすっきりさわやか、ハッピーなものを求めているワタクシには
全くもって不適なのであるが、
それでもついつい手に取ってしまう。
『悼む人』は、読む前からの話題作だし、直木賞受賞作だしってことで、
何かと取り上げられて、表面を撫でる程度の筋は、読む前からわかっていた。
それより何よりこのタイトルだし、明るい話なわけがないと覚悟して読み始めたが
やはり、すごい。
不幸すぎる。
苦しすぎる。
おまけに、主人公『静人』の母は「末期がん」だし・・・
ただ、この母が、非常に魅力的な人で、死に怯えながらも前向きだし愛に溢れた人。
彼女は、免疫力を上げるために、一日一つ笑える言葉を考える事を自分に課している。
シャレか謎掛け問答を考えるのだ。
謎掛け問答!最近知ったお笑い芸人Wコロンにやられているワタクシ、ここで激しく反応する。
また、この彼女がうまいんだ!
しかし、病気ネタが多く、家族の反応はめちゃくちゃ悪い。
だって
「ホスピス病棟とかけて、春・夏・冬と解く」そのココロは「アキがない」とか
「余命宣告とかけて、タレント天気予報士の天気予報と解く」そのココロは「外れたほうが人には受けます」とか、そんなのばっかりだから。
話はそれるが、先日みたレッドカーペットに「Wコロン」登場。
素晴らしい謎掛けを披露し、みな感心してたのだが、
後輩芸人たちと夜な夜な居酒屋で楽しむ「NN」こと“なぞかけナイト”で
技に磨きをかけているらしい。
やはり、何ごとも日々精進あるのみ!なのねえ~
一日一善ならぬ一日一句とか一日一文とか書くように努力したいものだとおもうNNであった。
・・・話を戻して・・・
それにしても、我が夫が「読後感が悪い」と言うなんて珍しいなあと思い、
今朝その話題になる。
ワタクシ的には最後に母が亡くなる直前の描写が、
いわゆる通俗的(お花畑が見えて~死んだ両親がいて~)と思われ、
似非宗教学者的な夫には許せないのかもと思ったのだが、
単に、彼は、「母が亡くなるシーンが怖かった。」らしい・・・
ちょっと意外。
では、ワタクシにとって、この本はどうだったのか・・・
『死』というものを誰より人一倍怖がってるワタクシには、
『死』を全て同じもの、平等なものとは思えない。
よって、静人の行動は理解出来ない。
そして読み終わった今思う事は、そういう事を全て越えた位置に彼はいるのだということ。
イコールそこは、神の位置なのかもと思う事で自分を納得させる。
今年、本屋大賞を受賞した湊かなえさんが
「ラストの『後味が悪い』といわれるのは最高の褒め言葉だと思っています」と
語ってたのを聞いたとき、非常に驚いた。
そして、彼女のこの言葉が、少しワタクシの読書感を変えたかもしれない。
気持ちをかき乱され、感情の波を激しく波立たせられたワタクシは、
まんまと天童荒太ワールドにつかまっているのかもしれない。

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