風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

隣りの管と同じに加工

2019-12-28 | パンフルートの修理

パンフルートの修理で新しい管を挿入する場合はいろんな制約があります。

 

  

 

元のパンフルートに新しく追加した管の歌口の形は隣り合う管と同じにしなくてはなり

ません。

歌口の加工は製作者独自の考え方より切られています。

本作品のスイス・ダヨリさんの歌口形は独特なものがあります。

とくに後ろ壁(エッジ側)が大きくくぼみ、極端な鋭角に尖っています。

この様に切ると音は鋭く硬くなり、どちらかというと冷たい音となります。

物事には一長一短があり、私のように鈍角で切り落とさないタイプの「柔らかく暖か

い」音は消え去ります。

どちらが正しいとか良い悪いとかいう問題ではなく、製作者の音に対する考え方の表れ

です。

ただ一つ言えるのは切り落とす(切り進める)と、「二度と元には戻せない 」という

現実があります。

 

  

 

風の音パンフルート制作工房  広島市安芸区上瀬野町205(国道2号線沿い)

連絡先 080-5235-7664 082-894-0854  panfrute@yahoo.co.jp 香原良彦まで


新しい管を張り付け

2019-12-25 | パンフルートの修理

ダヨリさん楽器の修理は割れた旧管を取り外した当工房手持ちのメダケ管を仕上げ加工

して楽器本体に貼り付けました。

 

  

 

新たに追加する管は日本産のメダケを仕上げ加工しています。

パンフルート製作者のDAJOERIさんのいるヨーロッパでは竹は自生していないと

聞きました。

では、どうやって材料である竹を入手しているのでしょうか?

竹の原生地である中国南部・ベトナム・タイから輸入しているそうです。

日本産竹は使われていないようです。

同じメダケでも亜熱帯産と温帯産では材質が違いますが、私の工房では温帯・広島産し

か入手できなくて無理やり合わせた形です。 

 

  

 

風の音パンフルート制作工房  広島市安芸区上瀬野町205(国道2号線沿い)

連絡先 080-5235-7664 082-894-0854  panfrute@yahoo.co.jp 香原良彦まで


そうこうしているともう1台修理

2019-12-21 | パンフルートの修理

現在スイス・ダヨリさんのパンフルートの管取り替え修理を行っていますが、他の方から

ひび割れ修理品を工房に持ち込まれましたが、これもダヨリさん製作のものでした。

 

  

 

次に修理楽器を持ち込まれた方は、クリスマスコンサート終了後の記念撮影の時注意力

散漫で「楽器を床に落としてしまった」ということです。

今回の場合は、真ん中から落ちたみたいで中央部B管に1本のスジ割れが入っていました。

広島県内の方でしたので当工房に楽器を持ちこまれました。

修理依頼の電話を受けたとき「割れの箇所には手を加えずにそのままの状態で持ち込んで

ください。」と念を押していたので、段取り良く手持ちの粘度の低い水のようなサラサラ

のボンドで補修いたしました。

このボンドはわずかな隙間でも入り込み、空間を充填して固まってしまいます。

外側から塗るだけで内側にも届きます。

ダメージが少なかったので10分たらずで補修できましたが、

みなさん、楽器を持っている時は集中して楽器の保護に努めましょう。

 

  

 

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割れの入った管は廃棄

2019-12-18 | パンフルートの修理

割れの入った最低音管(G管)は1本だけ取り外し廃棄(見本として残しておく)

することといたしました。

 

  

 

切り離しは正常な管にキズつけないよう慎重に行います。

まずすすまないよう両側の糊面に水を塗り糊をふやかせます。

次にカッターナイフを垂直に入れ表面にキズをつける程度に軽く刃を入れます。

再度水で濡らして少しずつ内をふやかせて行きます。

カッターにの刃が斜めに進まないよう様子を見ながら両側から攻めていきます。

両側からある程度刃がはいると上面に刃を入れ割りの作業に入ります。

この割りの作業も一気に進まず少しずつ糊をふやかしながら慎重に進みます。

1時間でも2時間でも時間はきにせず、失敗の許されない作業は続きます。

 

  

 

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DAJOERI(ダヨリ)さん楽器修理

2019-12-15 | パンフルートの修理

当工房にスイス・ダヨリ製作のパンフルートが修理に入って来ました。

 

  

 

この方は買って2~3度音を出しただけの新品パンフルートを壊してしまわれました。

最低音管(G管)に5本も割れが入る壊滅的な壊れ方です。

この方は割れが入った後市販の普通のボンド(液状の粘り気の強い)を上から塗って

補修されました。

これでは割れ目の表面に蓋をするだけです。

細かいすき間にはボンド液は到達しません。

私の工房ではこういう細かい割れ目の補修には粘度の低い(水に近いサラサラのもの)

ボンドを使います。

本当は素人が手を入れる前の状態で補修を始めたかったのですが、これでは打つ手があり

ませんので依頼者の希望もあり管を取り替えることにしました。 

 

  

 

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