風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

タンギングの応用

2013-09-30 | 音の出しかた研究

  パンフルートで音を立ち上げる際のタンギングにはいろいろな応用が考えられます。

   

 パンフルート工房前畑のウコン、背丈ほどの高さに育つ。        パンフルート管ニス塗り乾燥風景。

 パンフルートで音楽を表現する際タンギングでの音の出方の違いを利用すればいろんな表現が可能となります。

4拍子を例にとると「強・弱・中強・弱」と音の強さによってもリズムを刻んで行きます。

パンフルートのタンギングに置き換えてみると「ツ・ツ・ツ・ツ」と同じ発音で強弱をつけてもよいのですが、

「ツ・ク・ツ・ク」とタンギングの位置が変わる発音をすれば自然と強弱が生まれてきます。

この場合楽譜を目で追って音名を復唱し、パンフルート管の該当位置に唇を持って行く一連の動作があるわけです

からその時今から吹き込む音のタンギングが「ツ」であるか「ク」であるか考えているようでは音進行の流れに

置いてけぼりとなります。

特段の意識なしで「ツ・ク・ツ・ク」とよどみなく吹けるようになるには相当の練習量と努力が必要です。

その他弱拍から始まるアーフタクトの時、3連譜の時、スラーの時など譜面に現れるあらゆる場面でタンギングの

効果を検証し音楽表現を豊かにしましょう。

パンフルート購入・修理・蜜蝋・等の問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

パンフルート工房住所 〒739ー0302広島市安芸区上瀬野町205番地。


50音にみるタンギング

2013-09-27 | 音の出しかた研究

 パンフルートで音を立ち上げる時のタンギング位置は50音発音に置き換えることができます。

   

 パンフルート工房裏山に栗の実が沢山落ちて来ます。製作途中で台座の上に長く置くほどカーブの戻りは少ない。

 演奏者は口の中で空気の塊をつくり(タンギング)それをパンフルート歌口から管開放部に吹きつけ音を発生させ

て行きます。

タンギングを50音発音に置き換えて位置と発生音の性格を見てみます。(ア行母音とワ行は除く)

カ行 口内中央部に舌を押し付け 堂々とした音で立ち上がりから太く早く広がる。

サ行 舌先の溝に空気を通す こすれた音のような摩擦音。立ち上がり音は極めて細い。

タ行 舌先を歯裏に当てる 気流が荒いため鋭い破裂音となる。瞬時に立ち上がるがすぐに失速する。

ナ行 タ行より舌先を柔らかく動かす パンフルートに当て発音すると困難だがタ行を補完する効果があるかも。

ハ行 口内のど近くに舌腹で当てる 柔らかい音。タンギング位置と両唇の間が遠いため不都合、直接両唇に当てる。

マ行 両唇を開いて発音するためパンフルート音出しには使えない。

ヤ行 チャ・チュ・チョなどの使い方をすれば面白い効果が生まれる。

ラ行 巻き舌で「ラララ・・・」と音を高速回転させる時に有効。他は柔らかいスタッカートなどに使えそう。

50音で見てきたがタンギングはあくまでも「きっかけ作り」であり、空気の塊は両唇でまとめ直してビームとして

管に送り出してください。 

パンフルート購入・修理・蜜蝋・などの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまでどうぞ。

広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


タンギングの位置でコントロール

2013-09-25 | 音の出しかた研究

 パンフルートの立ち上げ音を曲想に沿ってコントロールして行きましょう。

   

パンフルート工房裏山で栗の実が落ち始めています。ホウライチクのパンフルート(中音域テノールパンフルート)

 他の多くの楽器は誰が奏でても均一的な音が出る方向で作られていますが、パンフルートの場合は個々の体力や

吹き方などの技量によって音の出方が大きく変わってきます。

歌口にはリードなどなく、ただ円形の開口部があるだけで音の出方はすべて演奏者の技量にかかっています。

パンフルートで音を立ち上げるにはタンギングで空気を切って圧力をかけ勢いよく吹きだします。

この圧力のかかって吹き出された空気の塊のことを「ビーム」と呼んでいますが、このビームの中の気流をコント

ロールすることによりパンフルートの音を自由に操ることができます。

具体的にタンギングの位置を検証してみると50音を例に、タ行では舌は口内前方歯の裏側で切りカ行では中央、

ハ行では口内奥のどで空気を切っています。

実際に声を出して発音してみて空気を切る位置、圧力のかかった空気の通り道を確認してみてください。

パンフルートで音を立ち上げるにはこの送られて来た空気の塊を両唇の間を通し管に送り込みます。

このときタンギングの位置の違いによる気流の性質でパンフルートの立ち上がり音が決定づけられます。

次回は50音を例に音の出方を見てみたいと思います。

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タンギングの位置と気流

2013-09-23 | 音の出しかた研究

 パンフルートで音を立ち上げるときタンギングが起こす気流が音の性格を決める要因の一つとなります。

   

頻繁に使うパンフルートには傷がつくので補修します。 もち米が一足先に熟れます。猪の食料となる前に刈り取り。

 みなさんはパンフルートの音を出すとき「澄んだ音を出したい」とか「ほのぼのとした暖かい感じの音にしたい」

とか音のイメージを持ってパンフルートの管に働きかけていることと思います。

そこで空気を切る位置(タンギング)から両唇までの間の空気の流れ(気流)に注目しこれをコントロールできるよ

うになると思いどおりの音の質を表現できるようになります。

みなさん口笛を吹いて音を出し、改めて口の中の形を確認してみてください。

タンギングの位置は口の中天井部に近いところで行い(50音でいえばクに近い発音)舌を丸めこの間に空気を通し

気流を整え両唇のところまで送り込んでいることでしょう。

これを「チュ・チュ」と発音し両唇に近いところでタンギングをおこし空気を送り込んでみてください。

空気の通り道の距離が短すぎて気流を整える間もなく両唇にとどき音を立ち上げるのさえ難しくなるはずです。

これをパンフルートに当てはめれば「ク」のタンギングは透明感のある清らかな音となり、「チュ」では破裂音で

荒々しい音となります。

どちらが良い音悪い音という問題ではなく曲想により両者を使い分けてください。

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タンギングは二段活用で

2013-09-21 | パンフルート演奏研究

 パンフルート演奏でタンギングを行なっているとき口の中の形は本人しかわかりません。

   

     金明竹のパンフルート(アルト)        パンフルート工房付近風景。

 パンフルートで肺の中の空気を吐き出して音を立ち上げるとき必ずその空気を口内で止めたり切ったりする動作

(タンギング)を行ないますが、そのときどうしても確認しておきたい形があります。

パンフルートで音を立ち上げる動作を改めて精査してみると口の中の舌や喉の筋肉を使って肺から押し出す空気を

一時的に止めたり切ったり(タンギング)した後、歌口と触れている下唇と上から押さえている上唇のあいだの空間

まで押し出す動作と両唇の筋肉を使って通りすきる空気を絞り込んで細長く圧力をかけた空気(ビーム)に持って行

く2つの動作に分かれています。

最初にこの2つは連続した動作で関連性はあるものの仕事内容は別ものであるということを認識しておかないと話は

混乱しますのでここで明記しておきます。

パンフルートを演奏されるあなたの口の中の動きを改めて見直してみてください。

無意識のうちに2つの動作を連続して行なっていることが確認できることと思います。

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