※今回記事の内容はちょうど6年前に、私が(いつものように)一人でアメリカのシアトルを旅した時のことを思い出しながら書き綴ったものです。当時と現在では現地の状況に異なる点があるかもしれませんが、何卒ご了承ください。
先日PCのデータを整理していたら、数年前のHDDクラッシュにより大半が消失していたはずの画像が一部見つかったので、その画像群の中から、6年前に訪れたアメリカ・ワシントン州のオリンピック国立公園内にある野湯について、勝手ながら個人的な備忘録としての簡単なレポートを今回アップさせていただきます。せっかく見つけた画像をお蔵入りさせるのが勿体ないもので・・・。
こちらの温泉は、英語による紹介でしたらネット上でいくらでも見つかるのですが、何故か日本語で書かれたレポートはかなり少ないようですので、ネタとしては少々古いのですが、それでも敢えて記事にする意義はあるのでないかと、一人で勝手に使命感を負い、鼻息を荒くしながらPCのキーを叩いております。
シアトル空港でレンタカーをピックアップし、まずはポート・エンジェルス(Port Angeles)を目指して101号線を走ります。ポート・エンジェルスから更に101号線を約9マイル西進すると、ダム撤去を実施することで日本でも話題になっているエルワ川(Elwha River)を渡る橋にさしかかりますが、この直前で分岐する"Olympic Hot Springs Rd"という直球なネーミングの道路へ左折します。まもなくするとオリンピック国立公園内に入るためのゲートがあるので、ここで公園入場料(使用料)の10ドルを支払います。なお、私は温泉へ向かう前に同公園内の絶景ポイント「ハリケーン・リッジ」へ寄り道しており、そこで支払いを済ませていたので、このゲートではチケットを見せただけでパスできました。
※こちらの口コミサイト(英語)によれば、2013年まで"Olympic Hot Springs Rd"がクローズされているとのことです。
森の中をクネクネと奥へ伸びてる林道"Olympic Hot Springs Rd"をひたすら前進です。途中で鹿がかわいらしい姿を見せてくれました。また突然視界が開けて静謐な湖面が目の前に広がるところもありますが、これはミルズ湖(Lake Mills)です。
101号の分岐から10マイル強でボルダークリーク(Boulder Creek)キャンプ場の駐車場となり、ここで車道は行き止まりとなりますので、駐車場に車をとめて、その先から始まる"Appleton Pass Trail"を歩くことになります。画面に写っている標識によれば、トレイルの始点から温泉までは2.4マイル(約3.9km)とのこと。
道幅が広くて上り下りも少ない、とても歩きやすい快適なトレイルです。
私が訪れたのは10月初旬。紅葉が少しずつ色づきはじめていました。空気はとても清々しく、景色も美しいので、歩いていても全く苦になりません。
途中で幾筋かの沢を越えます。丸太に簡素な手すりを取り付けただけの橋もあって、一見するとちょっとしたスリルがありそうですが、意外としっかりした造りなので全然問題ありません。
歩き始めてちょうど40分で「温泉は左」という道しるべが立つ広場が現れました。目的地はもうすぐです。更にその先には「温泉エリアではキャンプと火気禁止」の立て札もありました。
標識が指し示す方へ向かってちいさな沢を越すと・・・
辺りに硫黄に匂いが漂い始めました。いよいよ温泉エリアに突入です。さっそくトレイルの左下に、いかにも入浴してくださいと言わんばかりの湯たまりを発見したのですが、ここはかなりぬるかったのでパスしました。エリア内にはいくつもの湯たまりがあるので、他を探すことにします。
斜面の途中にあるこの湯溜まりは、大きさこそ良い感じですが、湯加減は物足りない上、ちょっと浅かったので、ここもパスです。見てわかるように、エリア内の湯溜まりの多くは、明らかに人為的に作られた岩風呂です。
お湯が滴り落ちる崖を上がってゆくと、源泉がたまってる小さな窪がありました。硫黄の付着により白くなっている箇所も見受けられます。あちこちで硫黄臭漂う温泉が湧いているので、散策しているだけでも楽しいです。
湯溜まりがいくつもあって迷っちゃいますが、とりあえずここで入浴してみました。底には落ち葉がたくさん堆積しており、湯中に足を突っ込みだけで攪拌されて湯船が落ち葉だらけになってしまいましたが、慌てることなくのんびり鷹揚に構えて待っていたら、固形物はすぐに再沈殿してくれましたので、綺麗なお湯に入ることができました。かなりぬるめ(35℃くらい)ですが、日本人が好みそうな硫黄泉であり、また全身浴ができるのはとっても嬉しいです。
英語版ウィキペディアなど、ネットでこの温泉に関するページを検索していると、しばしば「(オリンピック温泉には)バクテリアが含まれているので注意」と述べられているページに出くわすのですが、この手の警告(脳を侵食するアメーバなど)はアメリカでは一般的ですし、そもそも野湯なんて国を問わず衛生状態が良いはずありませんから、普段から泥や落ち葉にまみれてお湯を楽しんでいる野湯ファンでしたら、温泉の衛生問題=自己責任として常時意識してるでしょうから、ここでもバクテリアの存在について神経質になることはないかと思います。
また「水着着用」と述べられているサイトもありますが、これも文化的なマナーの問題であって、誰も来ないのが明らかな状態だったら日本人らしく思いっきり全裸で入浴しちゃっても問題ないでしょう。かく言う私はスッポンポンで入浴したのみならず、他の湯溜まりを探す際にも裸族状態でエリア内を歩き回っちゃいました。とはいえ、万一誰かが来た時に備えて、すぐに水着を履ける準備をしていましたが、結局終始私一人のみで誰も来ませんでした。
私が最も気に入ったのはこの湯溜まりです。目の前の崖から湧き出たばかりの源泉がプールされており、当然ながら鮮度感は抜群で、硫黄の味と匂いがはっきりと感じられて、湯加減も38~39℃とかなりいい感じでした。太平洋を挟んだ遙か彼方の異国の地で、森の木々に囲まれた清々しい環境の下、目下を流れるせせらぎの音を耳にしながら、湧出したばかりの硫黄泉に全身浴できるなんて、とっても幸せですね。ちょっとぬるいのが玉に瑕ですが、長湯仕様の湯加減なんだと割り切っちゃって、気持ちよく入浴させていただきました。
・この温泉が位置している「オリンピック国立公園」については、シアトル情報ポータルサイト「JUNGLECITY.com」(日本語)内の特集ページなどをご覧ください。
・英語版Wikipedia内「オリンピック温泉」記事
・Appleton Pass Trail紹介ページ(アメリカ合衆国国立公園局公式サイト内)
先日PCのデータを整理していたら、数年前のHDDクラッシュにより大半が消失していたはずの画像が一部見つかったので、その画像群の中から、6年前に訪れたアメリカ・ワシントン州のオリンピック国立公園内にある野湯について、勝手ながら個人的な備忘録としての簡単なレポートを今回アップさせていただきます。せっかく見つけた画像をお蔵入りさせるのが勿体ないもので・・・。
こちらの温泉は、英語による紹介でしたらネット上でいくらでも見つかるのですが、何故か日本語で書かれたレポートはかなり少ないようですので、ネタとしては少々古いのですが、それでも敢えて記事にする意義はあるのでないかと、一人で勝手に使命感を負い、鼻息を荒くしながらPCのキーを叩いております。
シアトル空港でレンタカーをピックアップし、まずはポート・エンジェルス(Port Angeles)を目指して101号線を走ります。ポート・エンジェルスから更に101号線を約9マイル西進すると、ダム撤去を実施することで日本でも話題になっているエルワ川(Elwha River)を渡る橋にさしかかりますが、この直前で分岐する"Olympic Hot Springs Rd"という直球なネーミングの道路へ左折します。まもなくするとオリンピック国立公園内に入るためのゲートがあるので、ここで公園入場料(使用料)の10ドルを支払います。なお、私は温泉へ向かう前に同公園内の絶景ポイント「ハリケーン・リッジ」へ寄り道しており、そこで支払いを済ませていたので、このゲートではチケットを見せただけでパスできました。
※こちらの口コミサイト(英語)によれば、2013年まで"Olympic Hot Springs Rd"がクローズされているとのことです。
森の中をクネクネと奥へ伸びてる林道"Olympic Hot Springs Rd"をひたすら前進です。途中で鹿がかわいらしい姿を見せてくれました。また突然視界が開けて静謐な湖面が目の前に広がるところもありますが、これはミルズ湖(Lake Mills)です。
101号の分岐から10マイル強でボルダークリーク(Boulder Creek)キャンプ場の駐車場となり、ここで車道は行き止まりとなりますので、駐車場に車をとめて、その先から始まる"Appleton Pass Trail"を歩くことになります。画面に写っている標識によれば、トレイルの始点から温泉までは2.4マイル(約3.9km)とのこと。
道幅が広くて上り下りも少ない、とても歩きやすい快適なトレイルです。
私が訪れたのは10月初旬。紅葉が少しずつ色づきはじめていました。空気はとても清々しく、景色も美しいので、歩いていても全く苦になりません。
途中で幾筋かの沢を越えます。丸太に簡素な手すりを取り付けただけの橋もあって、一見するとちょっとしたスリルがありそうですが、意外としっかりした造りなので全然問題ありません。
歩き始めてちょうど40分で「温泉は左」という道しるべが立つ広場が現れました。目的地はもうすぐです。更にその先には「温泉エリアではキャンプと火気禁止」の立て札もありました。
標識が指し示す方へ向かってちいさな沢を越すと・・・
辺りに硫黄に匂いが漂い始めました。いよいよ温泉エリアに突入です。さっそくトレイルの左下に、いかにも入浴してくださいと言わんばかりの湯たまりを発見したのですが、ここはかなりぬるかったのでパスしました。エリア内にはいくつもの湯たまりがあるので、他を探すことにします。
斜面の途中にあるこの湯溜まりは、大きさこそ良い感じですが、湯加減は物足りない上、ちょっと浅かったので、ここもパスです。見てわかるように、エリア内の湯溜まりの多くは、明らかに人為的に作られた岩風呂です。
お湯が滴り落ちる崖を上がってゆくと、源泉がたまってる小さな窪がありました。硫黄の付着により白くなっている箇所も見受けられます。あちこちで硫黄臭漂う温泉が湧いているので、散策しているだけでも楽しいです。
湯溜まりがいくつもあって迷っちゃいますが、とりあえずここで入浴してみました。底には落ち葉がたくさん堆積しており、湯中に足を突っ込みだけで攪拌されて湯船が落ち葉だらけになってしまいましたが、慌てることなくのんびり鷹揚に構えて待っていたら、固形物はすぐに再沈殿してくれましたので、綺麗なお湯に入ることができました。かなりぬるめ(35℃くらい)ですが、日本人が好みそうな硫黄泉であり、また全身浴ができるのはとっても嬉しいです。
英語版ウィキペディアなど、ネットでこの温泉に関するページを検索していると、しばしば「(オリンピック温泉には)バクテリアが含まれているので注意」と述べられているページに出くわすのですが、この手の警告(脳を侵食するアメーバなど)はアメリカでは一般的ですし、そもそも野湯なんて国を問わず衛生状態が良いはずありませんから、普段から泥や落ち葉にまみれてお湯を楽しんでいる野湯ファンでしたら、温泉の衛生問題=自己責任として常時意識してるでしょうから、ここでもバクテリアの存在について神経質になることはないかと思います。
また「水着着用」と述べられているサイトもありますが、これも文化的なマナーの問題であって、誰も来ないのが明らかな状態だったら日本人らしく思いっきり全裸で入浴しちゃっても問題ないでしょう。かく言う私はスッポンポンで入浴したのみならず、他の湯溜まりを探す際にも裸族状態でエリア内を歩き回っちゃいました。とはいえ、万一誰かが来た時に備えて、すぐに水着を履ける準備をしていましたが、結局終始私一人のみで誰も来ませんでした。
私が最も気に入ったのはこの湯溜まりです。目の前の崖から湧き出たばかりの源泉がプールされており、当然ながら鮮度感は抜群で、硫黄の味と匂いがはっきりと感じられて、湯加減も38~39℃とかなりいい感じでした。太平洋を挟んだ遙か彼方の異国の地で、森の木々に囲まれた清々しい環境の下、目下を流れるせせらぎの音を耳にしながら、湧出したばかりの硫黄泉に全身浴できるなんて、とっても幸せですね。ちょっとぬるいのが玉に瑕ですが、長湯仕様の湯加減なんだと割り切っちゃって、気持ちよく入浴させていただきました。
・この温泉が位置している「オリンピック国立公園」については、シアトル情報ポータルサイト「JUNGLECITY.com」(日本語)内の特集ページなどをご覧ください。
・英語版Wikipedia内「オリンピック温泉」記事
・Appleton Pass Trail紹介ページ(アメリカ合衆国国立公園局公式サイト内)
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