温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

小坂鉄道 2013年初夏 雪沢温泉付近・新沢駅跡

2013年08月05日 | 秋田県
※今回(および次回)の記事に温泉は登場しません。あしからず。

小坂鉄道。正しくは小坂製錬小坂線。秋田県の大館と小坂を結んでいたその鉄道は、そもそも小坂鉱山で産出される鉱物を運搬するために敷設され、そのついでに旅客営業も行なっていたが、旅客の方は1994年に廃止され、肝心要の貨物輸送も2009年に廃止されて、長年の歴史に幕を下ろす。この時からこの路線を走る列車は姿を消したが、その後も現在に至るまで、踏切など一部を除き、なぜか線路は剥がされること無く、未練がましく残されたまんま。先日雪沢温泉の宿に宿泊した際、たまたまその廃線跡が目に入ったので、思い付きで現在の線路の様子を撮ってみることにした。


●雪沢温泉駅跡付近



雪沢温泉駅の小坂寄りにあった第4種踏切の跡。



その踏切から小坂側を臨む。廃止されてから4年近くが経過しているのに、線路がしっかり残っているばかりか、バラスト(砂利)の間からは雑草すら生えていない。今にも列車がやってきそうな雰囲気。



「7」と刻まれたこのコンクリの距離標は8.7km地点。



雪沢温泉駅のホームがあったところのすぐ小坂寄りに今も残る黄色いBOX。そしてその後背に佇む温泉旅館「大雪」。駅は消えたが、同地点には路線バスの「小雪沢」バス停がある。
2004年11月、このあたりのカーブで濃硫酸を積んだタンク車が脱線してスッテンコロリ。幸いにして濃硫酸が漏れ出ることはなかったが、この2年後にもこの路線では脱線事故を起こしており、度重なる事故が路線廃止の決め手になったことは想像に難くない。拙ブログの前回記事で取り上げた「大雪」のご主人曰く…俺が第一発見者だよ。俺がまっさきに通報したんだ。旅客営業の廃止後は保線が明らかに悪くなって、(線路と枕木を固定する)留め金具なんてブカブカだったもん。あれじゃ事故が起きるのは時間の問題だと思ってた。そんな矢先に、目の前で脱線したんだ、とのこと。



黄色いBOX付近から大館側を臨む。この右側のちょっと小高くなっている築堤跡に、かつて雪沢温泉駅のホームがあったはず。ハッキリ残る線路とは対照的に、早く廃止された旅客営業の施設は草に埋もれて姿がよくわからず。



雪沢温泉駅跡から大館寄りに数百メートル進むと、大館市営の温泉施設「四十八滝」前。ここにも小さな踏切の跡があり、その上に立って大館側を臨む。谷に沿って線路と県道が大きくカーブしている。




同地点の小坂側にはプレートガーターの鉄橋が架かっている。訪問時にはバリケートで封鎖されていたが、今年春に行われたレールバイクのイベントではこの鉄橋の上をレールバイクで通過することができたらしい。



温泉旅館「清風荘」前。
長木溪谷の遊歩道につながる跨線橋。




草むらに埋もれている踏切動作反応灯。

※雪沢温泉駅付近の線路は、この春から見事に新たな活用方法によって蘇ることになった。上述でも軽く触れたが、地元NPOにより、「清風荘」前から「大雪」前までの約1.4km(往復2.7km)をレールバイクで走るイベントが今年(2013年)春に開催され、しかも今夏8月から11月中旬までは毎日運行されることが決まった。詳しくは下記リンク先をご覧あれ。
 NPO法人大館・小坂鉄道レールバイク




●新沢駅跡



緑の中にポツンと佇む廃屋。



その廃屋はかつて新沢駅舎として使われていたもの。庇の下には、付近の踏切で使われていた遮断機が集められていた。



「出入口」の看板が、かつて駅だったことを物語っている。



かつてホームがあったと思しき箇所の線路上から小坂側を臨む。



同じ地点から、今度は逆の大館側および駅構内を臨む。雪沢温泉付近と異なり、レールバイクが走ることのないこの辺りは、線路が藪で覆われていた。



構内に立つ10.5kmキロポストは藪に身を隠している。



線路側から駅舎を見る。遮断機の他、撤去された各種設備が積まれていた。



建物内。付近の踏切から取り外された標識類が室内に置かれていた。


次回につづく…
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