温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

佐野川温泉

2018年01月19日 | 山梨県
 
厳しい寒さが続いているのに、ぬる湯の話題で恐縮なのですが、数ヶ月後にやってくる暑い夏を気持ちよく迎えるべく、季節を先取りするつもりでお付き合いくだされば幸いです。今回取り上げるのは、山梨県南部の佐野川温泉です。極上のぬる湯として名湯の誉が高く、温泉を取り上げている他ブログでも既に何度も紹介されているため、ご存知の方も多いかと思います。このため、当記事では簡潔にまとめてまいります。

富士川と並行して南北に伸びる国道52号線から細い道へ入って行った森の中に、突如として現れる赤い瓦の建物が佐野川温泉。こちらは宿泊はもちろん日帰り入浴も積極的に受け入れており、私が日帰り入浴で利用させていただきました。私が訪れた日も多くのお客さんで賑わっており、人気の程が窺えます。昭和の企業保養所のような風情を醸し出している建物の中に入り、玄関右手にある帳場で支払いを済ませた後、玄関の左手に掛かっている暖簾を潜って浴場へ向かいます。

なお、私の訪問時は多くの入浴客がいらっしゃったため、館内画像はございません。文章のみの記事です。ご了承ください。

フローリングの脱衣室には縦長のスチールロッカーがずらりと並んでおり、窓の外には後述する大きな露天風呂が、まるで庭園の池のようにお湯を湛えています。そんな露天に入りたいという逸る気持ちを抑えながら、まずは内湯へ。
内湯のドアを開けた瞬間、室内に漂っている温泉由来のタマゴ臭がプンと香ってきました、早くもお湯に対して期待に胸が膨らみます。室内の床と側壁腰部はグレーの石板が採用され、壁面上部は白いタイル貼り。壁に沿って洗い場が配置され、シャワー付きカランが6基一列に並んでいます。なおカランから出てくるお湯は真湯です。

浴舎の床面積の半分以上は浴槽で占められており、その浴槽は2分割されています。洗い場から見て左側は加温されている浴槽。大きさは(目測で)奥行5m弱×幅2.5mほどの長方形で、40℃前後に調整されており、壁にある湯口から注がれた加温済みのお湯は、浴槽を満たした後、窓下の溝へ流れ落ちています。
一方、その隣(洗い場から見て右側)の浴槽は源泉がそのまま注がれている浴槽で、湯船の温度は30℃ほど。夏の暑い時期には大変爽快です。奥行は隣と同じ約5mですが幅は若干狭い1.5mほど。露天風呂に面した窓の前に専用の湯口があり、そこに置かれているコップでお湯を飲んでみますと、ゆで卵を連想させる芳醇で濃いタマゴ味と匂いが感じられました。この香りが室内に放たれていたのですね。

続いて露天風呂へ。脱衣室の窓から見える大きな露天風呂は、大小の2つに分かれており、いずれも岩風呂です。脱衣室に近い浴槽のお湯は加温されていますが、それでも40℃程度に抑えられていました。大きさとしては5~6人サイズといったところ。
一方、大きな主浴槽は10人以上問題なく入れそうなゆとりのあるもので、現在は男女が仕切りで隔てられていますが、以前は仕切りの無い男女混浴だったらしく、その当時は大変広大な露天風呂だったとか。単に大きいのみならず、この露天主浴槽で芝らしいのはお湯の良さ。ぬるい源泉そのままのお湯が非加温で注がれており、湯口まわりの湯中ではたくさんの気泡によって白く濁っているのです。私が実際に湯船に入ってみますと、たちまち全身が泡だらけになり、その夥しさに感動してしまいました。アワアワなお湯が好きな方には垂涎ものです。
それだけではありません。無色透明で綺麗なお湯からは、内湯同様に芳醇なゆで卵の卵黄みたいな香りと味が感じられ、また湯中に含まれる炭酸イオンの影響なのか、サラサラスベスベの大変爽やかな浴感が得られます。そして何よりもぬるいこと。夏の暑いときにはこの湯船に入ると、極上の涼で寛ぐことができるでしょう。とりわけ露天の一部は木陰になっているので、日差しを避けながらぬる湯に浸かると、誰しも長湯必至(でも日帰り入浴は1時間まで)。その上、お風呂上がりは肌のサラサラが続き、汗も抑えられ、いつまでも爽快感が持続するのです。入浴中のお客さんはみなさん制限時間いっぱいまで入り続けており、私もついつい長湯をして、危うく時間をオーバーするところでした。さすがぬる湯の名湯は伊達じゃありません。


アルカリ性単純硫黄温泉 30.9℃ pH9.9 180.5L/min(掘削動力揚湯) 溶存物質579mg/kg 成分総計579mg/kg
Na+:157.9mg(69.82mval%), Ca++:58.9mg(29.88mval%),
Cl-:297.0mg(84.73mval%), OH-:1.4mg, HS-:3.7mg, CO3--:16.8mg,
(平成27年1月9日)

山梨県南巨摩郡南部町井出3482-1  地図
0556-67-3216

日帰り入浴8:30~19:30
大人650円/1時間(半日コースの料金設定もあり)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★












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2 コメント

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Unknown (ぬる湯マスター)
2018-07-15 09:12:02
おはようございます^^。
気のせいか、呼ばれた気がしてやって来ました。
画像が無いのが何とも残念なのですが、
他ブログで扱っている記事も多く見られたので、
そちらで色々と見てきました^^。
・・・宿泊はおススメでは無い様ですが(苦笑)
昔からよく言われる、「無感温度」に近い、
35度前後と言う事ですから素晴らしいですね~。
万座のじゅらくが温度管理をミスった時に、
37度くらいまで下がったりしてますが私としては、
「今が適温です」と言い張っているのですが、、、
抵抗むなしく、いつも音頭をあげられてしまうのです(泣)
次に本物の温泉に行けるのはいつになるか、、、
その日を楽しみにしながら読んで行きます^^。
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Unknown (K-I)
2018-07-17 10:49:56
ぬる湯マスターさん、こんにちは。
私は三連休もどこにも出かけられず仕舞でしたが、35℃を超える猛暑の中では温泉に入る気にもなれませんから、それで良かったのかもしれません。でも、こちらの温泉のようなぬる湯は別物。暑い日のぬる湯は最高ですよね。自分の記事を読み返し、つい現実逃避したくなりました。
万座の聚楽もぬるい時があるのですね。真夏でも万座は涼しく、さらにお湯までぬるくなるとは、何とも言えない素敵な避暑ですね。行きたいなぁ・・・。
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