温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

林温泉 かたくりの湯

2009年09月19日 | 群馬県
※この記事の内容は旧施設当時のものです。2015年に新しい浴場が開設されました。



政権交代により俄然注目を浴びるようになった現在工事中の群馬県・八ツ場(やんば)ダムですが、この計画によりダム湖の底に沈む予定の集落に対して、国土交通省ではさまざまな補償を行っています。温泉を掘削して数箇所の共同浴場を設けたのもその一環で、当ブログでは以前にそのひとつである「岩陰の湯」を紹介していますが、今回はそれよりも長野原草津口駅寄りに位置している林温泉「かたくりの湯」を取り上げます。

八ツ場ダム関連の温泉施設はみなどこも無人で、仮設浴場を思わせる簡素な造りとなっており、この「かたくり湯」も「岩陰の湯」同様、男女別の浴室に5~6人仕様のポリバスが据え付けられています。シンプルな構造になっているのは、いずれダムの底に沈む運命にあることを前提にしているからでしょう。お湯を供給する塩ビのパイプは浴槽の上で壁から突き出て90度に曲がり、壁際を這いながらポリバスの縁まで伸びており、そのパイプを通ってきたお湯の半分は浴槽に注がれますが、残りは勿体無いことに排水口へ直行しています。それだけ湧出量が豊富なのでしょう。
林温泉の特徴はお湯から石油臭がすることで、浴室に入るとツンと油の匂いが鼻を突いてきます。その匂いはかなり強く、もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれません。ちなみに私はこの油臭が大好きで、付近に来るとこの匂いを嗅ぎたくてわざわざ「かたくりの湯」へ立ち寄るほどです。お湯の見た目は無色透明で、口に含むと塩味と弱い苦味が感じられます。そしてとても熱い。蛇口の水で相当な量を加水しないと熱くては入れませんので、それなりの覚悟が必要です。

さて民主党により八ツ場ダム工事の中止が発表されましたが、この「かたくりの湯」をはじめとする八ツ場ダム関連の温泉施設は今後どうなってゆくのでしょうか。
なお「かたくりの湯」は地元住民の方のための共同浴場ですので、訪問の際にはマナーと立場をきっちりとわきまえて下さいますようお願いします。




付近にはカタクリの自生地があり、春になると白い可憐な花を咲かせます


源泉温度・pH・湧出量不明 成分総計3.16g/kg

群馬県吾妻郡長野原町大字林 地図

9:00~17:00 火曜・金曜の午前中は清掃のため入浴不可
300円

私の好み:★★

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