温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

スカブミ県プラブハンラトゥ チソロック温泉プール

2017年02月03日 | インドネシア

前回記事で取り上げたチソロックの噴泉は、川に沿って複数の噴泉が噴き上がっている、つまり川に沿って複数の源泉が露呈しています。そうした源泉のお湯を集めて温泉プールにしている施設が公園内にあるので、続いてそちらにも入ってみることにしました。まずは窓口のおじさんに料金を支払います。


 
ゲートの右前には半円形の湯溜まりがあり、温泉熱の影響なのか、数メートル手前でも裸足で歩けないほど地面が熱せられています。そして湯溜まりには竹竿がかけられ、温泉卵が作れるようになっていました。


 
貯湯槽の底からお湯が上がり、大変クリアなお湯が張られていました。ここに近づくだけでも猛烈に熱いのですが、受付のおじさんに見守られながら温度計を差し込んだところ、86.6℃という高温が計測されました。おそらくは噴泉もこれとほぼ同じ温度で噴き上がっていたものと推測されます。湯面からはふんわりと硫化水素臭も香ってきました。


 
構内には2つのプールがあり、プールサイドをニワトリがうろついていました。実に長閑な雰囲気です。


 
受付のおじさんは、構内へ入場した私をまず個室風呂へと案内しました。プールサイドに個室風呂棟が建っています。


 
個室風呂の内部はこんな感じ。個室ならば裸で入れますが、閉塞的で退屈な上、設備に見合わないような高い料金設定(Rp50,000)でしたので、今回はお断りし、プールのみの利用にしました。


 
上述のように構内には2つのプールがあるのですが、訪問時、手前側のプールには誰も入っていませんでした。それもそのはず、プールのお湯はなんと51.3℃もあったのです。いくらなんでも、熱いお湯に入り慣れている私でも、これでは無理です。お湯自体はクリアに澄んでいるのですが、たとえ綺麗であっても熱すぎては意味がありませんね。有料施設なんだから、加水して入れるよう配慮してくれたら良いのに…。



熱いプールの端っこには、源泉につき熱いので注意、という旨が書かれた札が掲示され、先述の半円形湯溜まりから直接お湯が引かれていました。ここのお湯に本当に熱いので、触れたら間違いなく火傷します。お湯の流路はアイボリー色に染まっていたのですが、これは温泉の影響なのでしょうか。


 

奥にあるもう一つのプールにはお客さんの姿が見られました。こちらはアツアツだった手前側のプールからお湯を受けており、熱湯もここまで至るとすっかり冷めているのですが、その代わりお湯は鈍り気味で少々の濁りが発生しており、底には怪しい沈殿が沈んでいました。


 
奥のプールの水温は38.6℃で、pH値は8.10。この小さな画像でも、お湯の濁りや沈殿が確認できますね。この沈殿がはっきり湯の花とわかるなら問題ないのですが、どうやら湯の花とは違う物質のようなので、衛生面が気になります。



せっかくなのでこのプールに入ってみたのですが、私が入浴すると、沈殿が舞い上がって湯中でたくさん浮遊してしまいました。おいおい、野湯じゃないのに、この浮遊は大丈夫か…。でも温度がちょうど良いので、一旦慣れちゃうと、意外にも気持ち良く感じられました。湯中では弱いツルスベがあり、湯温が40℃未満でも外気温が高いため、長湯するとしっかり逆上せちゃいます。入ったり出たりを繰り返しながら、湯浴みを楽しみましたが、この温泉プールははっきり言って好き嫌いが分かれるでしょうね。わざわざお金を払うのなら、個室風呂を利用するか、あるいはこの施設自体を利用しないで川の噴泉だけで満足するかのいずれかが良いように思われます。

入場料Rp2,500


●プラブハンラトゥの漁港と市場
(以下、温泉とは関係の無い旅行記です)

 
チソロック噴泉は地域屈指の観光地だけあり、公園の出入口ではバイクタクシー(オジェッ)のお兄ちゃんが客を待ち構えていますので、帰りの足の確保を心配する必要はありません。お兄ちゃんの一人は「プラブハンラトゥの街までRp50,000でどうだ」と吹っかけてきたのですが、そんな高いはずはないので、最終的にRp20,000に値切って街まで乗せてもらうことにしました。それでもおそらく地元客よりはるかに高い金額だと思いますが、私は相場を知らないので、これ以上はどうしようもありません。
噴泉から25分ほどでプラブハンラトゥの街に戻ってきました。


 
プラブハンラトゥはインド洋岸の漁港の街。私は地域生活の活気が伝わってくる市場を巡るのが大好きなので、当地では漁港へ行ってみることにしました。


 
私が訪れたのは午後でしたから、既に水揚げの大半を終えており、船溜まりには仕事を終えたたくさんの漁船が係留されていたのですが、どの船もポンコツばかりで、命がけで日本海を渡ってくる脱北者の密航船と大して変わりないように見えます。
船溜まりの目の前には広い競り場が設けられていましたが、こちらも既に競りは終わっており、広いスペースを活かして網の修繕が行われていました。


 
 
競り場の裏手には、漁港で揚がった魚を売る露店が並んでいました。カツオ、タチウオ、マナガツオ、赤魚、様々な青魚、大小様々なエビなど、多種多様な魚介が陳列されていましたが、いくら日差しを遮っているとはいえ、暑い中、しかも午前中から長い時間店頭に出しっ放しにされているらしく、乾きかかった魚たちから発せられる生臭さがちょっと気になりました。


 
漁港から西へ歩くとインド洋のビーチが広がります。私は海を見ると条件反射で泳ぎたくなるのですが、遠浅の海だからか、海水は砂が舞い上がって濁っており、あまり綺麗ではなく、ここでは泳ぐ気になれませんでした。ちなみにこのあたりのビーチは波が高いため、サーフィンで有名なんだとか。


 
漁港の正門前には萬物を扱うマーケットがあるので、こちらにも入ってみることに。衣類だったり食品だったりスマホだったりと、あらゆる物が狭い通路に沿ってギッシリと山積みにされていました。


 
マーケットの屋外に並んでいるのは、フルーツを商う屋台。どれか買ってみたかったのですが、少量の購入は難しそうだったので、ここでの購入は断念…。


 
マーケットの裏手がバスターミナルです。待機中のボゴール行バスに乗車。車内ではバラエティ番組のDVDが大音量で流されていました。時刻表が無いので、車内でバスが動き出すのをのんびり待つほかありません。私が乗ったバスが発車したのは、乗車した35分後。時計を見たら17:00ちょうどだったので、一応正時の出発と決まっているのでしょう。
復路は往路以上の渋滞にはまり、しかもスコールのような激しい雨にも見舞われたため、ボゴールへ到着まで4時間以上もかかってしまいました。幸い排泄を催すことは無かったのですが、車内にトイレは無いので、もし催したらどうなっちゃうんだろう…。インドネシアのバス旅は結構くたびれます。







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