北海道の温泉を巡るに当たっては道内の温泉ファン諸氏が開設しているサイトやブログを参考にさせていただいていますが、特に野湯の類を紹介している方々には、いろんな面で驚かされます。情報量やその基となる情報ネットワーク、獣道を突き進み藪をかき分け沢を渡ってまでして温泉を見つけ出そうとする探究心、そして藻が発生していようが泥まみれであろうが探し当てたお湯に入ってしまう度胸。温泉ファンを自称しておきながら何事にも中途半端な私には、ある種の悟りの境地に達した勇者のように思えてしまいます。
屈斜路湖畔の有名な露天風呂である池の湯は、文字通り池のような形をしており、湖畔に開けた開放感のある温泉なので、写真で見たらぜひ行ってみたいという気が起こりました。
湖に沿って伸びる道々52号線を走っていると、いなせレジャーランド付近の道端に「まつや旅館」という看板が立っているので、そこで曲がって湖畔へ向かう小路に入ります。
道なりに進んで旅館を過ぎればすぐに到着。駐車場には既に何台かの車が止まっていましたが、みなさん釣りが目的らしく、温泉利用者はゼロでした。
湖畔に開けた爽快なロケーションで実に開放的。本当に池のような形状です。池に湧いたお湯はそのまま屈斜路湖へと流れていきます。お湯が湖へ流れるところには羽根を象った不思議なオブジェが置かれています。
一応男女別に分かれている脱衣小屋があるので、そこで全裸になっていざ入浴。
なお国立公園内につき、石鹸やシャンプーの使用は禁止です。水着はOK
39.6℃とまずまずの湯加減。でも湯面には藻が、底には苔が大量発生しており、見た目は気味が悪いは、入ったら滑りやすいは、あんまり気持ちいいものではありませんでした。お湯は無色透明ですが、その苔によって緑色に見えます。また若干白く濁っているようにも見えますが、これは泉質由来なのでしょうか、あるいは生物的な濁りなのでしょうか。重曹のような知覚に弱い金気と土気が感じられました(土気は苔由来かも)。お湯の中を歩いたり底に腰をつけたりすると、苔からブクブクっと泡が上がってきました。光合成真っ最中なんですね。ヌルっとした感触が気持ち悪い。しかも底の苔が浮上してくるので邪魔。
他に湯あみをしている人はおらず、私とアメンボ一匹がいるだけでした。
次にこの近くにある赤湯を目指します。
駐車場に車を置きっぱなしにして、歩いてちょっと道を戻ります。写真の地点を左に行けば池の湯ですが、今度はここをまっすぐ進みます。
だだっ広い湖畔のキャンプ場の手前側にぽつんと一軒の廃屋がありました。赤湯荘という名前の宿だったのですが、相当以前に廃業したようです。
赤湯荘から湖畔に向かって歩くとガラス張りの小屋が目に入ってきます。長年手入れされていないらしく汚れがへばりついており、屋根もちょっと抜けています。一見すると植物か何かを育てているような小屋に見えますが・・・
中を覗くと浴槽がありました。ここは以前湯屋だったようです。浴槽には今でも温泉が注がれています。しかし肝心のお湯には大量の藻が発生してとても汚らしく、入れる状況ではありません。
この裏手にまわると露天風呂がありました。湖に手が届くほどの近さで、とても開放的。周囲は絵画の世界に紛れ込んだかのような景色です。ガラス小屋と違ってこちらのお湯は無色透明で澄んでいますが、何個か藻の塊が浮いていました。
41.0℃と丁度良い湯加減。湖岸には釣竿を垂らす太公望たちの姿が見られるので、彼らの視界から外れるところでコソコソ着替えていざ入浴。お湯の質は池の湯に似たような感じです。やはりこちらも底が苔でヌルヌルしていました。
たしかにお湯は澄んでいますが、その源泉はどこから来ているかとよく観察すれば、ガラス小屋から流れてきているようです。ということは、あの汚い湯に今からだを沈めているのか…。そう考えると軽く戦慄が走りました。
池の湯・赤湯は両者とも風光明美な景色の中で開放感に満たされながら気軽に入浴できる露天風呂ですが、藻や苔の発生という面では衛生的によろしくなく、また開放的という立地が災いして釣り人などの視線をモロに浴びやすい環境にあるので、温泉ファン以外にはあまりおすすめできません。
今回は意を決して入浴しましたが、正直なところ、お湯に入るか否か躊躇してしまいました。でもこの程度でビビっているようでは、温泉ファン諸氏の熱意の足元にも及びません。まだまだ修行が足らないことを実感しました。
北海道川上郡弟子屈町池の湯 池の湯の地図 赤湯の地図
24時間可
無料
私の好み:★★
屈斜路湖畔の有名な露天風呂である池の湯は、文字通り池のような形をしており、湖畔に開けた開放感のある温泉なので、写真で見たらぜひ行ってみたいという気が起こりました。
湖に沿って伸びる道々52号線を走っていると、いなせレジャーランド付近の道端に「まつや旅館」という看板が立っているので、そこで曲がって湖畔へ向かう小路に入ります。
道なりに進んで旅館を過ぎればすぐに到着。駐車場には既に何台かの車が止まっていましたが、みなさん釣りが目的らしく、温泉利用者はゼロでした。
湖畔に開けた爽快なロケーションで実に開放的。本当に池のような形状です。池に湧いたお湯はそのまま屈斜路湖へと流れていきます。お湯が湖へ流れるところには羽根を象った不思議なオブジェが置かれています。
一応男女別に分かれている脱衣小屋があるので、そこで全裸になっていざ入浴。
なお国立公園内につき、石鹸やシャンプーの使用は禁止です。水着はOK
39.6℃とまずまずの湯加減。でも湯面には藻が、底には苔が大量発生しており、見た目は気味が悪いは、入ったら滑りやすいは、あんまり気持ちいいものではありませんでした。お湯は無色透明ですが、その苔によって緑色に見えます。また若干白く濁っているようにも見えますが、これは泉質由来なのでしょうか、あるいは生物的な濁りなのでしょうか。重曹のような知覚に弱い金気と土気が感じられました(土気は苔由来かも)。お湯の中を歩いたり底に腰をつけたりすると、苔からブクブクっと泡が上がってきました。光合成真っ最中なんですね。ヌルっとした感触が気持ち悪い。しかも底の苔が浮上してくるので邪魔。
他に湯あみをしている人はおらず、私とアメンボ一匹がいるだけでした。
次にこの近くにある赤湯を目指します。
駐車場に車を置きっぱなしにして、歩いてちょっと道を戻ります。写真の地点を左に行けば池の湯ですが、今度はここをまっすぐ進みます。
だだっ広い湖畔のキャンプ場の手前側にぽつんと一軒の廃屋がありました。赤湯荘という名前の宿だったのですが、相当以前に廃業したようです。
赤湯荘から湖畔に向かって歩くとガラス張りの小屋が目に入ってきます。長年手入れされていないらしく汚れがへばりついており、屋根もちょっと抜けています。一見すると植物か何かを育てているような小屋に見えますが・・・
中を覗くと浴槽がありました。ここは以前湯屋だったようです。浴槽には今でも温泉が注がれています。しかし肝心のお湯には大量の藻が発生してとても汚らしく、入れる状況ではありません。
この裏手にまわると露天風呂がありました。湖に手が届くほどの近さで、とても開放的。周囲は絵画の世界に紛れ込んだかのような景色です。ガラス小屋と違ってこちらのお湯は無色透明で澄んでいますが、何個か藻の塊が浮いていました。
41.0℃と丁度良い湯加減。湖岸には釣竿を垂らす太公望たちの姿が見られるので、彼らの視界から外れるところでコソコソ着替えていざ入浴。お湯の質は池の湯に似たような感じです。やはりこちらも底が苔でヌルヌルしていました。
たしかにお湯は澄んでいますが、その源泉はどこから来ているかとよく観察すれば、ガラス小屋から流れてきているようです。ということは、あの汚い湯に今からだを沈めているのか…。そう考えると軽く戦慄が走りました。
池の湯・赤湯は両者とも風光明美な景色の中で開放感に満たされながら気軽に入浴できる露天風呂ですが、藻や苔の発生という面では衛生的によろしくなく、また開放的という立地が災いして釣り人などの視線をモロに浴びやすい環境にあるので、温泉ファン以外にはあまりおすすめできません。
今回は意を決して入浴しましたが、正直なところ、お湯に入るか否か躊躇してしまいました。でもこの程度でビビっているようでは、温泉ファン諸氏の熱意の足元にも及びません。まだまだ修行が足らないことを実感しました。
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