温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大坊温泉 大坊保養センター

2011年11月17日 | 青森県
 
津軽平野の田んぼの中にぽつんと佇む比較的規模の大きな温泉入浴施設です。


今回は宿泊で利用しました。料金は先払いで1泊2食6300円。共同浴場と同じカウンターで受け付けを済ませます。宿泊棟は1階全般と2階廊下および水回りが数年前に改修されているようで、トイレや洗面台は共同ながら新しくきれいな設備でした。


今回あてがわれたお部屋は2階の角部屋で8畳。こちらの客室は未改修ですが、それほど古いわけではなく、ごくごく一般的な旅館のお部屋です。布団敷きはセルフ。


客室棟の廊下に貼ってあった注意書きには「お弁当及びアルコール類等の、極端なお持込はご遠慮下さい」と書かれていました。たんまり持ち込んでドンチャン騒ぎする爺さん婆さん達の光景を思い浮かべ、つい笑ってしまいました。


夕食は18:00から食堂でいただきます。お料理は前もって卓上に用意されており、着席すると鍋に火をつけてくれました。19時頃から食事をスタートさせるお客さんもいたので、ちょっと遅れても大丈夫みたいです。献立は仕出し屋さんがつくったような焼き魚・刺身・鍋などで、味やボリュームには特筆すべき点はありませんが、ご飯は炊き立ての美味しい県内産米でして、おかわり自由でした。

 
まずは大浴場へ。大浴場は公衆浴場ですが、県内の他の公衆浴場にありがちな草臥れた雰囲気は無く、健康センター的な趣すら感じられます。しかしロビーには演歌が流れているところが、やっぱり青森県なんだなと実感させてくれました。脱衣所は近年改修されたのか、明るくて綺麗です。


浴室の中央に浴槽が据えられ、それを囲むようにたくさんのカランが並んでいるというレイアウトは青森県標準。シャワー付き混合栓が18基、カランから出てくるお湯は源泉使用です。
浴槽は中央で二分され、仕切りの真ん中に昭和の公団団地で見られた給水塔のような形状の湯口が立っており、そこから両方の浴槽へとお湯が注がれ、湯船に湛えられたお湯は縁の全辺からオーバーフローしています。人が入ると豪快にザバーっと溢れだすのが嬉しいところ。
手前側の浴槽は10人サイズで丁度良い湯加減、奥はひとまわり小さく(8人サイズ)、そのサイズゆえか或いは加水量も違うのか、やや熱めの設定です。お湯は無色透明で、カランでは薄めながらも塩味を確認できますが、浴槽ではほとんど無味無臭でした。知覚的な特徴は弱いものの、湯上りの温まりは強く、食塩泉としての面目はちゃんと保っていました。

 
次に宿泊者専用の小浴室へ。
一般向け大浴場とは別の宿泊者専用浴室がある場合、大抵の場合は専用浴室のお湯は大浴場をはるかに上回るフィーリングだったりしますが、ここは果たしてどうでしょうか。


これが小浴槽の全容です。造りこそ古いものの、さすがにきちんとメンテされています。かつてはこのお風呂がメインとして使用していたのかも。

 
こちらの洗い場にはシャンプー類の用意がありました。シャワー付き混合栓は4基で、こちらも源泉のお湯がカランから出てきます。タイル貼りの浴槽は3~4人サイズでしょうか。

 
浴槽の底に近い側面に開けられた穴からお湯と温度調整の水が投入され、反対側の浴槽縁からオーバーフローしてゆき、その流路にははっきりと跡がついていました。人が入ると豪快にザバーっと溢れだします。
大浴場と同じお湯なのでしょうが、案の定、こちらの方がはるかにお湯の質感が優れていました。具体的には、無色透明で澄み切った見た目は同一ですが、塩味がはっきりしており、微かながら鉱物油のような味や匂いも感じられました。弱いながらもスベスベ浴感はしっかりしており、肌への当たりも優しいので、いつまでも入っていたくなります。じっと浸かっていると、気泡が肌に付着しました。

 
翌朝、部屋の窓から外を眺めると、田んぼの向こうに秀麗な岩木山が聳えていました。

大浴場は使い勝手が良好で、クセの少ないお湯でありながら、保温効果が抜群。一方、宿泊者用の小浴場のお湯は、しっかりとした個性を有しており、かなりの良泉。
2食付きでリーズナブルなお値段、しかもお風呂には入り放題ですから、設備面にこだわらなければ、ビジネスホテルへ泊るよりコストパフォーマンは良いかもしれません。しかも宿泊しないとこの温泉の本当の個性には出会えませんから、機会があれば泊ってみるのも良いかと思います。


大坊温泉2号源泉
ナトリウム-塩化物温泉 59.8℃ pH7.5 湧出量測定不能(掘削動力揚湯) 溶存物質2.430g/kg 成分総計2.440g/kg
Na:787.6mg(91.78mval%), Cl:1150mg(88.15mval%),
源泉温度が高いため加水

弘前駅より弘南バス・平賀行に乗車して「大坊温泉」下車すぐ(所要約20分強)
青森県平川市大坊竹内28-1  地図
0172-44-3059
ホームページ

5:30~22:00(月曜9:00~12:30は清掃)
300円
ロッカー(100円リターン式)・ドライヤーあり、石鹸など販売

私の好み:★★★

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