前回までの記事で取り上げたバリ島西部の「ミンピリゾート・ムンジャンガン」をチェックアウトした後は、リゾートの送迎サービスを利用し、2〜3時間をかけてバリ島の中心部であるクタ市街地まで出てきました。
わざわざ都会のクタまでやってきた理由は、レンタカーを借りたかったため。バリ島では滞在期間が短かかったため、自分でレンタカーを運転し、気兼ね無く効率良く湯巡りをしたかったのでした。今回利用した業者は「KAZUYAレンタカー」さん。その名前からもわかるように、現地にお住いの日本人の方が経営しており、連絡などすべて日本語で大丈夫。いろんな相談にものってくださり、車もとても良い状態でしたので、利用して大正解でした。手続きや支払いを済ませてから、クタの街を北上して島の中央部へと向かいます。
車でまず向かったのは、タバナンの山奥にある「アンスリ温泉」です。スマホのGoogle Mapが指し示す通りに、途中から幹線道路を逸れて舗装された1.5車線幅の田舎道を進んでいきます。初めてハンドルを握る土地ですので、たとえ交通量が少ない道でも緊張してしまいます。
途中で何度も交差点を曲がりながら北へ北へと向かってゆくと、目的地の数キロ手前に位置する交差点の角に、アンスリ温泉を示す看板を発見しました。
あぜ道を舗装したような田舎道や、集落の真ん中を貫く坂道を走行。
やがて集落を抜けると、道路のコンディションが急に悪くなり、車の底を擦らないか心配になるほどバンピーな未舗装路となってしまいました。でも温泉の看板はその先を指しているので、心細くなりながらも、慎重なハンドル捌きに心がけ、車の性能と看板を信じて先へと進みます。
本当にこのまま車で進んで大丈夫なのかと不安を覚えたあたりで一気に急坂を下り、視界が開けたと思ったところで、目的地の「アンスリ温泉」に到着しました。無事に着けてよかった…。
駐車場に面した小屋の窓口には誰もいません。その近くにワルン(屋台)があったので、料金をどこで支払うのか訊いてみたところ、みなさん笑顔を浮かべながら歩道の先の方を指し示してくれました。
用水路に沿って伸びる苔むした歩道を奥へ進むと、やがて階段となり、その途中にはカフェも営業していました。アクセス路こそ凸凹ですが、ここはれっきとした観光地なんですね。
麗しい田園風景を眺めながらゆるやかな斜面を下り、石造りの門を潜ると・・・
緑色に濁った小判形の大きな温泉プールが眼前に現れました。お湯はかなり濁っており、しかもぬるいので、ここで湯浴みする気持ちにはなれません。この濁り方から推測するに、重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかに属するタイプの温泉なのでしょう。お湯が新鮮な状態であるならば、濁っていないはずです。
さらに奥へ進むと、上画像のような個室風呂棟が建っており、その手前側におじさんがいたので、ここで入浴できるか確認した上で料金を支払うと、おじさんはいくつか並んでいる個室の中から7号室を指定しました。
7号室のボロい扉を開けると、薄暗い室内には浴槽がひとつ、そして小さな棚がひとつあるだけ。カランなど設備や備品類は全く無く、至ってシンプルです。
左右に壁いっぱいに、3〜4人サイズの四角い浴槽が据えられており、浴槽の底面にあけられた穴から温泉が供給されていました。湯船のお湯はほぼ透明ですが、金気由来と思しき赤錆系の色を呈しており、光の当たり方によってはぼんやりと霞んでいるようにも見えました。また、底面でも温泉の供給穴がある周辺は赤茶色に染まっていました。
おそらく屋外の大きなプールと同じ源泉を引いているかと思われますので、先ほど述べた「お湯が新鮮な状態であるならば」濁っていないはず、という推論は正しかったわけですね。
湯船の温度は36.0℃とかなりぬるめ。pH値は6.37です。湯中には赤茶色の浮遊物が舞っており、お湯からははっきりとした鉄錆系の金気臭と金気味、ほろ苦味や少々の塩味、石膏感、そして明瞭な炭酸味が感じられました。先述のように泉質は、重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかでしょう。なお炭酸味こそ得られるものの、泡つきは見られませんでした。
実際に入浴してみました。湯中ではキシキシと引っかかる浴感が得られます。湯船のお湯は窓下の湯面ライン上にあいた穴から排出されており、循環などされている様子は見られないので、純然たる掛け流しの湯使いで間違いないでしょう。ぬるい湯加減なのに、意外にも湯上がりはしっかりと温まりました。
私が個室風呂から出ると、受付のおじさんが「こっちにも入っていけ」と笑顔で川の方を指さすので、何があるのかとその方向を見てみたら、なんとコンクリの塀で囲まれた小さな露天風呂がお湯を湛えているではないですか!
小さなガネーシャの下に突き出ている湯口からお湯がトポトポと注がれています。
湯口の吐出温度は41.5℃で、湯船の温度は39.9℃と、個室風呂よりもこちらの方がはるかに入り応えのある湯加減でしたので、おじさんのご厚意に甘えて、物陰に隠れて水着に着替え、入浴させていただきました。正直なところ、個室風呂よりこちらの方がお湯の状態が良く、特に知覚的特徴(塩味など)がはっきりと伝わってきました。また湯加減の影響なのか温浴効果も強く、こちらに入った後はいつまでも汗が止まりませんでした。日本でも東北や九州などで同じようなタイプの温泉が湧いていますが、バリ島の山に湧くこのアンスリ温泉も日本の名湯顔負けの良い湯でしたよ。
なお個室風呂棟の裏手には滝が落ちていて、川遊びができるんだとか。そんなことは露知らず、見逃したまま帰ってしまいました。
入浴料Rp35,000
備品類なし
私の好み:★★
わざわざ都会のクタまでやってきた理由は、レンタカーを借りたかったため。バリ島では滞在期間が短かかったため、自分でレンタカーを運転し、気兼ね無く効率良く湯巡りをしたかったのでした。今回利用した業者は「KAZUYAレンタカー」さん。その名前からもわかるように、現地にお住いの日本人の方が経営しており、連絡などすべて日本語で大丈夫。いろんな相談にものってくださり、車もとても良い状態でしたので、利用して大正解でした。手続きや支払いを済ませてから、クタの街を北上して島の中央部へと向かいます。
車でまず向かったのは、タバナンの山奥にある「アンスリ温泉」です。スマホのGoogle Mapが指し示す通りに、途中から幹線道路を逸れて舗装された1.5車線幅の田舎道を進んでいきます。初めてハンドルを握る土地ですので、たとえ交通量が少ない道でも緊張してしまいます。
途中で何度も交差点を曲がりながら北へ北へと向かってゆくと、目的地の数キロ手前に位置する交差点の角に、アンスリ温泉を示す看板を発見しました。
あぜ道を舗装したような田舎道や、集落の真ん中を貫く坂道を走行。
やがて集落を抜けると、道路のコンディションが急に悪くなり、車の底を擦らないか心配になるほどバンピーな未舗装路となってしまいました。でも温泉の看板はその先を指しているので、心細くなりながらも、慎重なハンドル捌きに心がけ、車の性能と看板を信じて先へと進みます。
本当にこのまま車で進んで大丈夫なのかと不安を覚えたあたりで一気に急坂を下り、視界が開けたと思ったところで、目的地の「アンスリ温泉」に到着しました。無事に着けてよかった…。
駐車場に面した小屋の窓口には誰もいません。その近くにワルン(屋台)があったので、料金をどこで支払うのか訊いてみたところ、みなさん笑顔を浮かべながら歩道の先の方を指し示してくれました。
用水路に沿って伸びる苔むした歩道を奥へ進むと、やがて階段となり、その途中にはカフェも営業していました。アクセス路こそ凸凹ですが、ここはれっきとした観光地なんですね。
麗しい田園風景を眺めながらゆるやかな斜面を下り、石造りの門を潜ると・・・
緑色に濁った小判形の大きな温泉プールが眼前に現れました。お湯はかなり濁っており、しかもぬるいので、ここで湯浴みする気持ちにはなれません。この濁り方から推測するに、重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかに属するタイプの温泉なのでしょう。お湯が新鮮な状態であるならば、濁っていないはずです。
さらに奥へ進むと、上画像のような個室風呂棟が建っており、その手前側におじさんがいたので、ここで入浴できるか確認した上で料金を支払うと、おじさんはいくつか並んでいる個室の中から7号室を指定しました。
7号室のボロい扉を開けると、薄暗い室内には浴槽がひとつ、そして小さな棚がひとつあるだけ。カランなど設備や備品類は全く無く、至ってシンプルです。
左右に壁いっぱいに、3〜4人サイズの四角い浴槽が据えられており、浴槽の底面にあけられた穴から温泉が供給されていました。湯船のお湯はほぼ透明ですが、金気由来と思しき赤錆系の色を呈しており、光の当たり方によってはぼんやりと霞んでいるようにも見えました。また、底面でも温泉の供給穴がある周辺は赤茶色に染まっていました。
おそらく屋外の大きなプールと同じ源泉を引いているかと思われますので、先ほど述べた「お湯が新鮮な状態であるならば」濁っていないはず、という推論は正しかったわけですね。
湯船の温度は36.0℃とかなりぬるめ。pH値は6.37です。湯中には赤茶色の浮遊物が舞っており、お湯からははっきりとした鉄錆系の金気臭と金気味、ほろ苦味や少々の塩味、石膏感、そして明瞭な炭酸味が感じられました。先述のように泉質は、重炭酸土類泉か塩化土類泉のいずれかでしょう。なお炭酸味こそ得られるものの、泡つきは見られませんでした。
実際に入浴してみました。湯中ではキシキシと引っかかる浴感が得られます。湯船のお湯は窓下の湯面ライン上にあいた穴から排出されており、循環などされている様子は見られないので、純然たる掛け流しの湯使いで間違いないでしょう。ぬるい湯加減なのに、意外にも湯上がりはしっかりと温まりました。
私が個室風呂から出ると、受付のおじさんが「こっちにも入っていけ」と笑顔で川の方を指さすので、何があるのかとその方向を見てみたら、なんとコンクリの塀で囲まれた小さな露天風呂がお湯を湛えているではないですか!
小さなガネーシャの下に突き出ている湯口からお湯がトポトポと注がれています。
湯口の吐出温度は41.5℃で、湯船の温度は39.9℃と、個室風呂よりもこちらの方がはるかに入り応えのある湯加減でしたので、おじさんのご厚意に甘えて、物陰に隠れて水着に着替え、入浴させていただきました。正直なところ、個室風呂よりこちらの方がお湯の状態が良く、特に知覚的特徴(塩味など)がはっきりと伝わってきました。また湯加減の影響なのか温浴効果も強く、こちらに入った後はいつまでも汗が止まりませんでした。日本でも東北や九州などで同じようなタイプの温泉が湧いていますが、バリ島の山に湧くこのアンスリ温泉も日本の名湯顔負けの良い湯でしたよ。
なお個室風呂棟の裏手には滝が落ちていて、川遊びができるんだとか。そんなことは露知らず、見逃したまま帰ってしまいました。
入浴料Rp35,000
備品類なし
私の好み:★★
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