温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ニセコ湯本温泉 湯ごもりの宿 アダージョ

2016年08月17日 | 北海道
 
前回取り上げたニセコ湯本温泉の「雪秩父」はリニューアルオープンに伴い宿泊営業をやめて日帰り入浴専門施設となりましたので、当地で宿泊するならば別の施設へ移動しなければなりません。そこで今回はニセコ湯本の別荘地の中にあるお宿「湯ごもりの宿 アダージョ」で一晩お世話になることにしました。道道66号線から路地を入った最奥のわかりにくい場所にあるため、一発で現地へたどり着くのは難しいかもしれません。私は冬の夜に宿へ向かったのですが、周囲は真っ暗で看板など見当たらず(雪に埋もれていたのか?)、レンタカーもカーナビもあてにならず、現地へ行き着くまで軽く辺りを右往左往してしまいました。


 
旅館というよりペンションといった風情のお宿ですが、館内は本館と新館に分かれており、客室タイプも和室と洋室の両方が用意されています。分かれているのはお部屋のタイプのみならず、お風呂に関しても本館と新館で異なり、本館の部屋に泊まる場合は露天岩風呂と展望風呂を貸切利用するのですが、新館の場合は各客室に付帯しているお風呂をいつでも自由に利用できるかわり、本館のお風呂は利用できません。
私は和室よりベッドの方がよく寝られるので、今回は某大手宿泊予約サイトを通じて、新館の洋室を予約することにしました。広くて明るいフローリングのツインルームには、大きなテレビとDVDプレーヤー、ソファーなどが備え付けられ、Wifiもしっかり飛んでいて、ゆったり快適に過ごすことができました。なお後述するお風呂から漏れてくる温泉の硫黄で機器が故障しやすいため、冷蔵庫だけは室内に設置されておらず、廊下に置かれている共用のものを使うことになります(実際に翌朝の室内には硫黄の匂いがほんのりと漂っていましたので、機器へのダメージは大きいものと思われます)。



室内には洗面台やトイレも付いていますから、使い勝手はとても良好です。


 

フロントまわりにはDVDがたくさん並んでおり、宿泊中は自由に借りられますから、好みの映画を見ながら部屋でゆっくりしても良いですね。廊下にはお茶のサービスが用意されているほか、ソフトドリンクやビールの自販機も設置されていました。ここが山奥だとは思えないほど便利です。



こちらのお宿は限られた人員で運営しているらしく、私が泊まった日はたまたま夕食不可だったため、事前に麓の街にあるセイコーマート(北海道のローカルコンビニ)でお弁当などを買い込んで、お宿の方にお願いして電子レンジで温めてもらいました。このように飲食品類の持ち込みは自由とのことです。余談ですが、セイコーマートのお弁当は安くて美味しいですよね。


 
朝食は食堂でいただきます。和洋折衷でボリュームたっぷり。とても美味しい朝ごはんのおかげで、この日も元気に旅することができました。


 
さて、拙ブログの趣旨である温泉のお風呂について述べてまいりましょう。先ほども申し上げましたように、新館には全室に温泉のお風呂が付帯しており、宿泊中はいつでも自由に温泉に入ることができます。客室によってお風呂のつくりも異なるようですが、今回泊まったお部屋のお風呂は完全内湯タイプでした。木のぬくもりが感じられる浴室は、1〜2人で使うにちょうど良いコンパクトな空間となっており、足元はスノコ敷きで、洗い場にはシャワーが1基設けられていました。


 
完全な内湯とはいえ、窓の外には雪景色が広がっており、窓を開ければ半露天状態になりますので、硫黄の湯に浸かりながら雪見風呂を楽しむことができました。


 
浴槽も1〜2人サイズで、槽内はコンクリですが縁には木材が用いられており、小さいながらもそこはかとなく温泉風情を醸し出しています。壁から2本のフレキ管が突き出ており、それぞれ上部にバルブが取り付けられています。言わずもがなこの2本は水と温泉の配管であり、チェックイン前にあらかじめ宿の方が入浴に適した湯加減となるように投入量を調整してくださっているのですが、自分でバルブを開け締めして投入量を加減することも可能です。バルブを締めない限り、配管からは常時お湯が注がれており、縁から絶え間なく溢れ出ています。誰の肌にも触れていないフレッシュなお湯であり、且つ私のためだけに張られたお湯です。なんて贅沢なバスタイムなのでしょう。

こちらは大湯沼のお湯を引いており、基本的には前回記事で取り上げた「雪秩父」の硫黄泉と同じフィーリングで、グレー色の濃い濁りを呈し、強い硫化水素臭を放ち、弱酸味と苦味、そして口腔に残る痺れやえぐみが感じられます。そして湯に浸かるとクリーミー且つパウダリーな浴感が得られます。しかしながら、数百メートル引湯される間にお湯がこなれてくるのか、「雪秩父」で確認できたようなツーンとくる刺激臭やドロドロ感、硫化鉄による黒いこびりつきなどは抑えられており、マイルドで入りやすい状態になっていました。冬季ゆえに加水することなく源泉のままで適温が保たれ、且つ窓を全開にすることによって長湯仕様のぬる湯になってくれるため、宿泊中には何度もお風呂に入って、大湯沼の温泉を存分に満喫させてもらいました。

お部屋はきれいですし、お宿の方も親切で優しく、何よりも大湯沼の硫黄泉を独占できちゃうことが素晴らしい。
泊まって良かったと実感したお宿でした。


湯元温泉(大湯沼)
単純硫黄温泉(硫化水素型) 48.8℃ pH3.6 62L/min(引湯量) 溶存物質0.140g/kg 成分総計0.165g/kg 
H+:0.3mg(21.43mval%), Na+:6.7mg(20.71mval%), Mg++:3.6mg(21.43mval%), Ca++:6.6mg(23.57mval%), Al+++:0.6mg, Fe++:0.6mg,
Cl-:13.6mg(26.21mval%), S2O3--:0.4mg, SO4--:50.3mg(72.41mval%),
H2SiO3:51.7mg, CO2:15.5mg, H2S:9.0mg,
(平成16年11月19日)
加温加水循環消毒なし

北海道磯谷郡蘭越町字日出554-52  地図
0136-58-3331

宿泊のみ(日帰り入浴不可)

私の好み:★★★

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2 コメント

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Unknown (ぬる湯マスター)
2016-11-09 21:26:00
こんばんわ^^。
先日まで、御殿場に小旅行に行っておりました。
近場なので、旅行の風情と言うものは殆ど無いのですが、
会社をサボって出掛ける解放感は格別であります^^b
今回の記事は、白濁の硫黄泉ですね!
じゅらくや白骨温泉と同質の温泉ですよね。
やはり、、、やはりこの白濁としたお湯に惹かれますね~。
しかもこの大量のDVD、そして清潔極まる室内もグー。
前記事のヒルトンと言い、また違ったスタイルも良いですね。
私も冬旅行の折、少し画像を仕入れて来るかもしれません^^。
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Unknown (K-I)
2016-11-10 01:22:36
ぬる湯マスターさん、こんばんは。
息抜きで御殿場ですか。冠雪した富士山が綺麗でしょうね。背徳感を引きずりながらの休暇は、得られる楽しみや価値がいつも以上に増しているような気がします。私も平日休みのときは同じ感覚です(笑)。
こちらは(ヒルトンとは逆ベクトルの)家庭的なお宿でありながら、とても綺麗で快適でした。もちろん硫化水素臭プンプンの白濁湯も最高でした。特に厳冬の北海道ですから、温泉の温かみが余計に有難かったです。
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