温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

肘折温泉 疝気の湯(下の湯)

2009年04月24日 | 山形県


私の好きな山形県の肘折温泉。月山の山懐、小さなカルデラの底で肩を寄せ合うようにして旅館が犇めき合っている古くからの湯治場です。この肘折温泉の中でも、この「疝気の湯」はこれといった特徴の無いごく普通のこじんまりとした共同浴場にすぎないのですが、にもかかわらず私の心を掴んで離さない不思議な魅力を持っています。

浴場自体は無人ですが、入口にはカードキーが設置されているので、外来入浴者は近所にある小料理屋「みちくさ」で200円を払い、お店の人に開錠してもらってください。月山の向こう側にある湯田川温泉「正面湯」に似たシステムです。


料金支払い先である「みちくさ」

上述のように小さめの浴室で、浴槽も5人程度入ればいっぱいになってしまう大きさですが、天井が高く窓が広く開けられるためにあまり湯気がこもらず、快適に湯あみすることができます。浴槽の縁は赤茶色の析出が付着していて、地肌のコンクリートは析出物で赤茶に染色されています。お湯は黄土色でほのかに濁り、口に含むと金気味(赤錆味)をまず感じ、その後で塩味が感じられました(施設内の掲示には飲用に適さないと書かれています)。湯面からは金気の匂いが漂います。

これで適温ならありがたいのですが、源泉掛け流しゆえに高温の源泉がそのまま湯船に注がれているため、お湯はかなり熱くなっており、ぬるめを好む方は入れないかもしれません。温度計が無いので正確なことはわかりませんが、おそらく45℃以上はあるのではないでしょうか。気合いを入れてお湯に入り、体を真っ赤にしながら入ったり出たりを繰り返しました。先客の地元のお爺さんは平気な顔をしながらじっくり浸かっていたので、こっちだって負けていられません。熱さを堪えて湯に浸かる様は、ほとんど精神修行の世界。お湯の濃さと熱さが体にガツンときます。でもこれが気持よい。特に湯上り後はあらゆる感覚神経がすっきりさっぱりします。
あのガツンとくる感触こそが疝気、つまり鼠径部などといった下腹部の痛みに効くのかもしれません。それにしてもここといい、福島県飯坂温泉の仙気の湯といい、疝気に効く温泉は熱いのが通例のようです。冷やすと痛むそうですし…。




肘折温泉は「癒しの湯」と書かれている張り紙。外来客を歓迎しています


JR新庄駅から山交バス・肘折温泉行きで約1時間
終点かそのひとつ手前で下車
山交バス ホームページ
銅山川沿いの道(温泉街側)から一本路地を入ったところにある。金山橋近く。

山形県最上郡大蔵村南山字肘折

ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(組合2号泉)
86.4℃ pH7.4 蒸発残留4012mg/kg 

9:00~18:00(12~3月は17:00まで) 無休
200円

私の好み:★★

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