東北どころか日本屈指のヌルヌル湯と言っても過言ではない、秋田県下の岱温泉の「やまの湯っこ」へ先日再訪してまいりました。なお拙ブログでは以前にもこちらの温泉を取り上げておりま(その時の記事はこちらをご覧ください)。
裏手の山では白い蒸気が立ち上っています。地熱資源が豊富なこの一帯には、東北電力の上の岱地熱発電所や泥湯温泉・川原毛大湯滝など、地熱の恵みを象徴するような名所や施設が点在しております。
駐車場にはデカい仏像が屹立していました。以前訪問した時にはこんな仏様あったかな?
この宿でもロビーでおばちゃん向けの衣類が販売されており、その傍らで熊の剥製がこちらに睨みをきかせていました。何ともシュールな取り合わせだこと。女将さんに料金を支払ってから浴室へ。
浴室は以前のまんまで何らの変化も無く安心しましたが、お盆休みだというのに他にお客さんの姿が見られず、お風呂を独占できて嬉しい反面、書き入れ時なのにお客さんがいなくて宿の経営は大丈夫なんだろうかという余計な心配も抱いてしまいました。
浴室の床には太い木をスライスしたようなものが敷き詰められており、年輪の皺がすべり止めとして機能していました。室内の様子は以前と変化がないと上述しましたが、くまなく見回しますとメンテナンスがやや疎かな感が否めず、経年劣化するに任せているような雰囲気で、洗い場に並ぶ水栓も錆びていて吐出圧力が弱く、お湯がなかなか出てきませんでした。
さすがにお湯を供給する耐熱ホースは以前とは別のものに交換されていましたが、そこから出てくるお湯は相変わらず激熱でして、温度計を突っ込んだら72.3℃という火傷必至な数値が計測されました。
湯船は大小に2分割されており、両方に対してアツアツのお湯が注がれているのですが、大きな方の湯船では表面積の広さゆえに自然冷却されるのか、加水せずに入浴できる44.7℃という湯加減でした。いや、熱いお湯に慣れていない一般の方でしたら、この温度でもとても熱くて入れないかもしれませんが、湯船の容量が大きいため、水道のホースを突っ込んで懸命に加水してもなかなか温度が下がりません。
一方、小さな方の湯船は45.3℃であり、こちらも熱いお湯に慣れていれば歯を食いしばって入ることができますが、一般の方にはおすすめできない温度ですね。大小双方の湯船にお湯を注ぐホースは同じ配管から分配されているので、温度の違いは湯船の表面積の違いによるものかと思われます。
お湯はごく僅かに白く濁って見え、底には膜が千切れたような薄い灰白色で少々茶色掛かっている湯の華が沈殿しており、私が湯船に入るとその沈殿は一気に舞い上がりますが、湯の華自体が重いのか、浮遊し続けることはなく、やがて再び沈殿してしまいます。またお湯からは茹で卵の卵黄的な味や匂いが感じられます。このお湯で特筆すべきはウナギ湯と称したくなるほどの強いヌルヌル感であり、その強さは宮城県の中山平温泉にも匹敵し、湯中で肌を擦るとそのヌルヌル感がはっきりと伝わります。
アルカリ性・タマゴ感・ヌルヌル感という3要素を兼ね備えた温泉といえば、アイスランドの市街に供給されている温泉を思い出します。その温泉の多くは蒸気造成泉であり、当地の温泉も同様ですから、特徴のみならずお湯の成り立ちまでもソックリなんですね。
熱くて長湯できないお湯ですが、ヌルヌル浴感が病み付きになってしまい、途中で何度も水を浴びてクールダウンしながら、独特の感触を楽しみました。熱いお湯ですが湯上がりは余計な熱が篭ることはなく、程よく粗熱が抜けてくれますし、高アルカリ性ゆえに皮脂をしっかり落としてくれますから、美人の湯のようなさっぱり爽快感もちゃんと得られます。個人的にはかなり好みなタイプの温泉です。
アルカリ性単純泉
(温泉分析表の掲示なし)
秋田県湯沢市高松下ノ岱48 地図
0183-79-3245
日帰り入浴9:00~16:00
300円
シャンプーあり(ドライヤー・ロッカーは無し)
私の好み:★★★
でも、中山平の丸進別館の湯を経験したことがなかったので自信がなく、拙ブログには未UPのままとなっていました。
国内外の温泉を詳細に吟味されているK-Iさんの「日本屈指」という表現を拝見して、自分の感覚が間違ってなかったと安心できた次第です(笑)。
いつも詳細なレポをありがとうございます m(_ _)m
貝の沢は実家から近いので、今度行ってみたいと思います。
ヌルヌルの湯の素晴らしさにも目覚めました。
それで早速なんですが質問です。
鏡石の弘法不動の湯もヌルヌルでとてもよかったんですが、K-Iさんのヌルヌルベスト10をここで教えてもらえればと思います。東北に住んでるので出来る限り押すのは東北方面だと行きやすいので助かります。
ヌルヌルのお湯に出会えると感動しちゃいますよね。東北でベスト10を列挙するのはちょっと難しいので、思いつくまま箇条書きにさせていただきますので、それでご勘弁ください。中にはヌルヌルではなくツルツルではないかと思われるものもあるかもしれませんが、その点につきましてもご容赦を。
・新岡温泉(青森)
・100円温泉(青森)
・羽根沢温泉(山形)
・中山平温泉(宮城)(ただし源泉によって差がある)
・新菊島温泉やいやさか等の周辺(福島)
ヌルヌルという表現がマッチするかわかりませんが、モール泉系のお湯を攻めてみるのも良いかと思いますよ。たとえば鳴子温泉郷の中でも東鳴子と川渡の中間あたり、青森県青森市の浪岡地区、同じく青森県東北町の乙供地区、などが挙げられますね。また、シンコウさんが行かれた鏡石や矢吹あたりのお湯も良いですね。
私は脳みその反射神経が鈍いので、なかなか思い浮かばないのですが、とりあえずは、こんなところでしょうか。
色々行けそうな所から試したいと思います。
東北方面をまずは読むようにします。
ピンポイントでどこが良いとお伝えできずに申し訳ございません。情けないのですが、入浴数は多いのに、データが整理できていないんです…。でも上で列挙しました温泉でしたら、大体は間違いないかと思いますので、是非行ってみてください。
・・「ヌルヌルのお湯・東北でベスト10・・・思いつくまま箇条書き・・・中にはヌルヌルではなくツルツルではないかと思われるものも・・・」・・
・新岡温泉(青森)
・100円温泉(青森)
・羽根沢温泉(山形)
・中山平温泉(宮城)(ただし源泉によって差がある)
・新菊島温泉やいやさか等の周辺(福島)
それは、我が家の数少ない東北旅行で、
上の中山平温泉までの4つ(二岡~)は全部行っているからです・・・
二岡温泉には泊まりましたし、中山平も泊まりました。羽沢温泉も泊・・
そして・・今度は10月に「山の湯っこ」に外来湯の予定
~本当は、ここも泊まりたいけど、残念ながら、数年前から日帰り湯になったため・・長い休憩をさせてもらいながら・ゆっくり入りますね~
また、10月の湯めぐり・・帰りましたら報告しますね・・
数少ない東北旅行とはいえ、上4つをすべて訪問済でいらっしゃるとは、実に中身の濃い湯巡りをなさってますね。きっちり要点を抑えた計画的なご旅行ではないかとお察しします。私はズボラゆえ場当たり的で、行っても閉まっていたとか休みだったとか、そんなマヌケなことばかりです(笑)
やまの湯っこの、まるでローションじゃないかと思ってしまうほど驚異的なヌルヌル湯をぜひ楽しんできてください。ただ、ここのお湯は箆棒に熱いので、入浴前に湯加減を確認し、熱ければホースを伸ばしてしっかり加水してくださいね。
最初に湯加減を確認ですね・・覚えておきます。
場合によってはホースを使っての加水ですね了解しました。
ところで「ヌルヌルでまるでローションじゃないか?」の湯といえば・・
今までで一番強烈にヌルヌルで、浴槽の中で滑ってこけた湯に和歌山県「女神の湯」(近露温泉)があります・・
この記事はこのコメントのURLに入れておきましたので、笑って読んでください!!