温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

マレー半島 鉄道北上記 その2

2010年05月24日 | 東南アジア旅行記
先日、鉄道と飛行機を乗り継いで、シンガポールからタイのバンコクまでマレー半島を北上してきました。
その2ではクアラルンプールからペナンまで(4月18日分)を掲載します。

日程
 4月17日:シンガポール →(列車)→ クアラルンプール
 4月18日:クアラルンプール →(空路)→ ペナン
 4月19日:ペナン → (フェリー) → バターワース →(夜行列車)…車中泊
 4月20日:バンコク到着


ペトロナスツインタワーのスカイブリッジに上がるべく、朝9時前に入場口へ行ってみると、既に当日分の入場券は配布終了とのこと。もっと早い時間から並ばないといけないのか…。体調不良のせいもあってか、もうなんだかKLを観光する気がなくなり、ホテルへ戻って昼まで不貞寝。
 
 左:双塔をつなぐ41階のスカイブリッジは展望台になっているので、そこへ上がろうとしたら…
 右:朝9時の時点ですでに今日の入場券配布が終わっていた。ガッカリ。

 
 左:昼頃にホテルをチェックアウトし、LRTでKLセントラル駅へ。第三軌条による集電なので線路上には電線類がなく、すっきりしていますね。無人運転なので一番前にかぶりつくことも可能(この画像は最後部から撮っています)。景色の向こうにKLタワーが聳え立っています。
 右:LRTの車内。色調こそ違うものの、どことなく台北LRTの文山線(旧木柵線)に似た雰囲気で、こじんまりとした車体です。


 KLセントラル駅のレベル3にあるフードコートでお昼ご飯。スープ付のナシゴレンを食べました。味は可もなく不可もなくといったところ。ここはマレー系の領域らしく、お店も客もみんなマレー人。従って基本的には右手を使って素手でつまんで食べるわけですが、私のような異教徒・異民族のために、専用カウンターにはフォークやスプーンが用意されています。


今回の旅では、当初はマレー半島を鉄道だけで縦断するつもりでしたが、その計画を実行するとなると、列車ダイヤの都合上、2晩連続して夜行列車で夜を明かすか、夜遅くにペナンに着くか、のいずれかを選択せねばなりません。汗っかきの私としてはシャワーを浴びない夜はせめて一晩だけにしたく、そしてペナンは初めて踏み入れる土地ゆえ余裕も持って到着したいので、KL~ペナン間は飛行機で一気にワープすることにしました。


 
左:クアラルンプール国際空港へは、KLセントラル駅から直通の空港アクセス鉄道"KLIAエクスプレス"に乗るのがとても便利です。駅には日本語表示があってとても親切。
右:KLセントラル駅構内には小規模ながら飛行機のチェックインカウンターもあります。ただし利用できる航空会社はマレーシア航空などに限られています。また利用時間にも制限があり、フライトの2時間前までです(利用可能な航空会社なら国際線・国内線を問わずチェックインができ、荷物を預けられます)。私もここでチェックインを済ませ、身軽になって空港へ。

 
左:KLIAエクスプレスの車内。約30分の乗車で空港に到着。
右:空港駅のホーム。日本語表記の広告が目立ちます。KLセントラル駅でチケットを自動改札に通したら、その場で回収されてしまったので、無札状態で列車に乗って無事に空港駅で出場できるのかと不安でしたが、空港駅には改札が設けられていなかったので、問題なく出場できました。

 
左:クアラルンプール国際空港のチェックインカウンターエリア。このターミナルは黒川紀章設計。テントのような曲線を描く意匠の屋根にスリットを入れてそこから明かりを照らしている。たしか施工も日本のゼネコンだったはず。日本に縁が深いためか日本語案内表示もしっかりしている。この空港はアジアで最大の敷地面積を誇るのでターミナルもバカでかいのかと思っていたら、想像ほど大きくなかった。私は駅でチェックインしているので、ここは素通りして国内線の搭乗ゲートへ。
右:ペナン行マレーシア航空MH1152便。機体はB737-400、いわゆるクラシック737。定刻16:00に出発、タクシングをさっさと済ませてサクっと離陸。テイクオフまで常にもたもたしている羽田や成田とは大違いで、せっかちな私としては心の中で拍手喝采。機内サービスはピーナッツとジュース。喉を潤して間もなく、離陸して30~40分でもうペナンに到着。鉄道だったら7時間近くかかる道程なのに…。

ちなみに今回のチケットはマレーシア航空のウェブサイトで事前予約したのですが、運賃は諸々含めてなんと114リンギット、つまり3000円強!! LCC並みに安いですね。それでいてちゃんと機内サービスもある。とても満足です。

 
左:ペナン国際空港の到着フロア。街へ出るにはタクシーを使います(バスは本数が少なくて不便)。マレーシアのタクシーは料金面であまり信用が置けませんが、ここは事前にカウンターでチケットを購入するシステムになっているので、その点は安心できます。ちなみにジョージタウンまで42リンギット。
右:今宵はジョージタウンのベイビューホテル・ジョージタウンに宿泊。アップルワールドを通して予約したらかなり安くなり、しかもフロントも愛想が良く丁寧に接客してくれ、やや古めであるものの広い部屋が用意されていたので、個人的にはかなり満足。

 
まだ明るいのでジョージタウンを軽く散策。一応この一帯は世界遺産に登録されている。ペナンはマレーシアの中でも華人人口の占める割合が多いところなので、街並みも中華風。

 
しばらく南下すると、やがてインド人街に入る。華人が圧倒的多数のペナンにあって、ここだけ異色。たくさんのインド人がウロウロしたり屯している。商店の店頭からはお約束のように大音量でインドの歌謡曲が流れてくる。地べたに座ってアクセサリを売る光景は、いかにもインドっぽい。

 
そこを過ぎると再び華人街に。路地に入ってみると、目に入ってくる家々や漢字表記はもちろんのこと、生臭い空気といい、廟から漂ってくる線香の匂いといい、時折聞こえてくる中国語の会話といい、まるで中国の地方の小さな街に紛れ込んでしまったかのような錯覚に陥り、ここがマレーシアであることを忘れてしまいそう。

 
歩く方角を東に変え、フェリー埠頭へ向かって行くと、海岸沿いには華人による同姓一族の水上家屋と桟橋群が並んでいた。画像は林一族の家屋と桟橋で、こうした昔からの長閑な水上家屋が軒を連ねており、辺りには伝統的な庶民生活の匂いが濃厚に漂っている。

  
ペナンのジョ-ジタウンは、シンガポールと同様にイギリスが海峡植民地として開発したところで、フェリー埠頭の東側や北東には英国統治時代の洋館が建ち並んでいる。こうした西洋と東洋の渾然一体とした歴史的な街並みが評価されて世界遺産に登録されたわけだが、その割にはどこ建造物もどこか煤けて草臥れたような雰囲気を醸し出しており、観光客を惹きつけるような輝きがあまり感じられない。いや、それこそ歴史の味わいなのかもしれないが。


バックパッカーが集うルブ・チュリア(チュリア通り)。ペナンの安宿街で、屋台も出る。また場所柄、バスや飛行機のチケットを手配するような小さい旅行会社やネットカフェ、バーも多い。

 
チュリア通りの屋台街から南へちょっと入ったところにある中華料理屋で夕食。焼きそばと豚肉の黒胡椒炒め。結構美味。ホールのおばちゃんに北京語で話しかけたら通じた。てっきり広東か福建・閩南あたりの言葉しか通じないのかと思いこんでいたので意外。おばちゃんはひたすら仏頂面だったが、店を出るときに「好吃了(おいしかったよ)」と言葉をかけたらようやくニコっとしてくれた。
経済力ゆえに妬まれてしばしば迫害の対象になり、常に不安定な立場に置かれているインドネシアの華人は、いざというとき本土へ逃げても暮らしていけるように北京語を習得しているという話を聞くが、同じような理由でマレーシアの華人も北京語を話せるように準備しているのであろうか。あるいは単に華人同士の標準語として北京語を使っているだけなのだろうか。


マレー半島 鉄道北上記 その3へ続く

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