道南での湯めぐりを終えて飛行機で羽田へ戻ろうとした某日のこと、定刻通りに飛行機へ乗り込み、ドアが閉じられてボーディングブリッジが離れていったは良いが、滑走路に出ようとした時から機体は微動だにしなくなり、やがて機長から「エンジンが動かなくなった」というアナウンスが流れ、小一時間機内で待ってから再び空港の待合室へ戻り、更に一時間待機の後に欠航が決定。係員よりお詫びの1000円をもらってから空港カウンターに並んで振替の手続きをするものの、この日の便は既に出払っているため、明日の便になってしまうとのことだったので、転んでもタダでは起きない私ですから、それなら折角だから函館でも湯めぐりしちゃえと思いつき、航空会社が用意してくれたホテル(東横イン)に宿泊した翌日、振替便が出る時間まで市街地で温泉をハシゴすることにしました。まずは昭和方面にある「富岡温泉」を目指します。
函館駅より路線バスに乗って「桐花通中央」バス停で下車。
横殴りの雨が降る中、バス停から歩いて2~3分ほどで目的地に到着です。こちらは函館によくある温泉銭湯ですが、週末のみ家族風呂が営業しており、他人を気にせずゆっくり入りたかったので、今回はその家族風呂を利用します。
浴場からのお湯が捨てられる周囲の排水溝からは湯気が朦々と立ち上がっています。
3階建ての1階は駐車場、2階は公衆浴場、そして3階が家族風呂といったように階層によって分かれているので、エレベーターで3階へ上がります。
下足箱は銭湯らしい松竹錠です。
週末しかオープンしない3階にも専用の受付があります。この日はおばあちゃんがカウンターに座って店番しており、私が旅行者だとわかると「こんな酷い天気なのにバスに乗ってきたの?」と驚いていらっしゃいました。料金は先払いで、代金と引換にお風呂の個室の番号が書かれた札を受け取ります。
廊下の両側に家族風呂(個室)の扉が並んでいる光景は、帯広の「たぬきの里」を思い起こさせます。天井には剥き出しの配管が這っており、各室へと分配されていました。
個室群と並んでパウダールームも設けられており、ミラーとドライヤーが並んでいました。なおドライヤーは有料です。
今回指定された個室は10号室。ドアを開けると脱衣室と浴室がガラスで仕切られているレイアウトになっており、帯広の「ローマの泉」みたいです。
室内はシンプルで、籐のカゴが2つ、スツール、ミラー、時計、ハンガー、扇風機があるだけ。
「65度のお湯が毎分600リットル湧出…」という文言が誇らしげです。
浴室はタイル貼りで2人サイズの浴槽がひとつ据えられ、左右両側にお湯と水の押しバネ式カランが1組ずつ設置されています。
廊下同様、個室内でも配管むきだしです。左右にひとつずつあるカランのうち、右側には固定型のシャワーが併設されています。館内表示によると、上がり湯は熱交換により得られた温泉熱を熱源としているんだそうです。
一般的に家族風呂は利用する度にお湯を張り替えるタイプと、放流式により常時お湯を供給しているタイプがありますが、こちらは後者の湯使いでして、客がいようがいまいが、絶え間なく湯船に塩ビの配管から源泉が注がれています。浴槽から溢れるお湯は洗い場には流れず、全て浴槽右側のスペースへ落ちていました。
源泉温度は64℃ですが、上述のように熱交換により温度を下げているので、湯船にて加水しなくとも入浴できる湯加減になっていました。剥き出しの配管類をたどってみますと、以前は温泉のみならず真湯(沸かし湯)の配管も湯船まで引かれていたようですが、現在その配管は支持金物が残るのみで天井にて封栓されていました。
お湯はほぼ無色透明ですが澄んでいるわけではなく、どちらかと言えば微かに赤みを帯びているように見え、浴槽のまわりもうっすらと赤く染まっています。辛くはないけれども明瞭な塩味と薄い出汁味、弱金気味、咽喉に引っかかるニガリ味、そして磯のような匂いとガスっぽい匂いが渾然一体となって感じられます。食塩泉らしいスベスベ浴感が得られました。
そんなに塩辛くはありませんし、熱交換によって函館の温泉には珍しく入りやすい適温になっていましたが、さすがに等張性の濃い食塩泉ですからパワーは凄まじく、湯上りの保温力が強力で寒くても汗がなかなか引きませんでした。迂闊に長湯すると体力を奪われてヘロヘロになること必至でしょう。家族風呂は1時間までの時間制で延長することはできますが、無理して延長せず1時間で切り上げた方が良いかもしれません。北国のしばれる冬に心強い、体の芯に熱源をもたらしてくれるパワフルなお湯でした。
富岡温泉センター2号井
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 64℃ 600L/min(動力揚湯)
井戸水を加水
函館駅・五稜郭より函館バスの27ループ106(or27)番の昭和営業所方面行きバスで「桐花通中央」下車、徒歩1~2分
北海道函館市富岡町1-23-7 地図
大浴場0138-41-0055、家族風呂0138-41-0099
大浴場6:00~20:30 無休
420円
家族風呂は土日祝のみ営業。土曜16:00~22:00、日曜・祝日10:00~22:00
2名一室700円/1時間、1名1室900円/1時間、10分延長につき200円
シャンプー類販売・ドライヤー有料
私の好み:★★★
函館駅より路線バスに乗って「桐花通中央」バス停で下車。
横殴りの雨が降る中、バス停から歩いて2~3分ほどで目的地に到着です。こちらは函館によくある温泉銭湯ですが、週末のみ家族風呂が営業しており、他人を気にせずゆっくり入りたかったので、今回はその家族風呂を利用します。
浴場からのお湯が捨てられる周囲の排水溝からは湯気が朦々と立ち上がっています。
3階建ての1階は駐車場、2階は公衆浴場、そして3階が家族風呂といったように階層によって分かれているので、エレベーターで3階へ上がります。
下足箱は銭湯らしい松竹錠です。
週末しかオープンしない3階にも専用の受付があります。この日はおばあちゃんがカウンターに座って店番しており、私が旅行者だとわかると「こんな酷い天気なのにバスに乗ってきたの?」と驚いていらっしゃいました。料金は先払いで、代金と引換にお風呂の個室の番号が書かれた札を受け取ります。
廊下の両側に家族風呂(個室)の扉が並んでいる光景は、帯広の「たぬきの里」を思い起こさせます。天井には剥き出しの配管が這っており、各室へと分配されていました。
個室群と並んでパウダールームも設けられており、ミラーとドライヤーが並んでいました。なおドライヤーは有料です。
今回指定された個室は10号室。ドアを開けると脱衣室と浴室がガラスで仕切られているレイアウトになっており、帯広の「ローマの泉」みたいです。
室内はシンプルで、籐のカゴが2つ、スツール、ミラー、時計、ハンガー、扇風機があるだけ。
「65度のお湯が毎分600リットル湧出…」という文言が誇らしげです。
浴室はタイル貼りで2人サイズの浴槽がひとつ据えられ、左右両側にお湯と水の押しバネ式カランが1組ずつ設置されています。
廊下同様、個室内でも配管むきだしです。左右にひとつずつあるカランのうち、右側には固定型のシャワーが併設されています。館内表示によると、上がり湯は熱交換により得られた温泉熱を熱源としているんだそうです。
一般的に家族風呂は利用する度にお湯を張り替えるタイプと、放流式により常時お湯を供給しているタイプがありますが、こちらは後者の湯使いでして、客がいようがいまいが、絶え間なく湯船に塩ビの配管から源泉が注がれています。浴槽から溢れるお湯は洗い場には流れず、全て浴槽右側のスペースへ落ちていました。
源泉温度は64℃ですが、上述のように熱交換により温度を下げているので、湯船にて加水しなくとも入浴できる湯加減になっていました。剥き出しの配管類をたどってみますと、以前は温泉のみならず真湯(沸かし湯)の配管も湯船まで引かれていたようですが、現在その配管は支持金物が残るのみで天井にて封栓されていました。
お湯はほぼ無色透明ですが澄んでいるわけではなく、どちらかと言えば微かに赤みを帯びているように見え、浴槽のまわりもうっすらと赤く染まっています。辛くはないけれども明瞭な塩味と薄い出汁味、弱金気味、咽喉に引っかかるニガリ味、そして磯のような匂いとガスっぽい匂いが渾然一体となって感じられます。食塩泉らしいスベスベ浴感が得られました。
そんなに塩辛くはありませんし、熱交換によって函館の温泉には珍しく入りやすい適温になっていましたが、さすがに等張性の濃い食塩泉ですからパワーは凄まじく、湯上りの保温力が強力で寒くても汗がなかなか引きませんでした。迂闊に長湯すると体力を奪われてヘロヘロになること必至でしょう。家族風呂は1時間までの時間制で延長することはできますが、無理して延長せず1時間で切り上げた方が良いかもしれません。北国のしばれる冬に心強い、体の芯に熱源をもたらしてくれるパワフルなお湯でした。
富岡温泉センター2号井
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉 64℃ 600L/min(動力揚湯)
井戸水を加水
函館駅・五稜郭より函館バスの27ループ106(or27)番の昭和営業所方面行きバスで「桐花通中央」下車、徒歩1~2分
北海道函館市富岡町1-23-7 地図
大浴場0138-41-0055、家族風呂0138-41-0099
大浴場6:00~20:30 無休
420円
家族風呂は土日祝のみ営業。土曜16:00~22:00、日曜・祝日10:00~22:00
2名一室700円/1時間、1名1室900円/1時間、10分延長につき200円
シャンプー類販売・ドライヤー有料
私の好み:★★★
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