温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

蔵王温泉 堀久旅館

2014年12月22日 | 山形県
 
前回にひき続いて蔵王温泉で「湯めぐりこけし」を手にしながら、お宿のお風呂を巡ってまいります。今度は下湯共同浴場のすぐ裏手にある「堀久旅館」へおじゃましました。こちらは蛇荒川折口源泉という一風変わった名前の源泉を引いています。玄関にて入浴をお願いしますと、快く対応してくださいました。



玄関を上がって左手へ進み、暖簾を潜った突き当たりが浴室です。お風呂は男女別の内湯が一室ずつ。



浴室は小さな川に面していますが、周囲には他のお宿や民家などが密集していますから、窓には曇りガラスが嵌めこまれています。それでも窓の天地寸法が大きく確保されているためか、私が訪れた日中でしたら、照明を点けなくとも入浴に十分な明るさが保たれていました。


 
洗い場んはシャワー付きのカランがL字型に配置されています。黒く硫化した水栓は、イオウの温泉である証。お宿の方にとってはメンテナンスに頭を悩ませるところでしょうけど、私のような温泉好きにとっては名誉の負傷に思えてしまいます。(ホント、私のような客って無責任ですね…)



なおシャワーのお湯は真湯ですが、その熱源には温泉を利用しているとのこと。お湯のストックの関係上、出しっぱなしはダメ。



外側からちょこんと突き出て、湯船に浸かるお客さんとは反対の方へ、そっぽを向いている塩ビの湯口。その姿勢は奥ゆかしいと言うべきか、恥ずかしがり屋なのか、はたまた壁の向こう側にある女湯にしか関心が無いのか…。そんな口の向きに呼応しているのか、お湯の投入量も控えめです。源泉温度が熱いので、加水しないで湯温調整するよう、絞っているのでしょう。



台形をちょっと潰したような形状をしている総木造の浴槽は、おおよそ6~7人は入れそうな容量があり、槽内の木材は使い込まれて良い味を醸し出しています。私の訪問時は、しばらく先客がいなかったのか、お湯が透明で澄み切っており、底に純白の湯の華が大量に沈殿しているのが見て取れました。さてこの状態から私が湯船に入りますと…


 
お湯が撹拌されて、このように濃淡のグラデーションを描きながら…



最終的には透明度がほとんど無くなるほど、エメラルドグリーンを帯びた乳白色に強く濁りました。
明礬臭が漂うお湯からは収斂酸味と塩味が感じられます。前回取り上げた「堺屋旅館」のお湯では柑橘系のフルーティーな酸味が口の中に広がったのですが、こちらのお湯は塩味が効いているためか、梅干しのような味わいであり、そうでありながら、総じて他源泉より幾分角が取れてマイルドであるように思われました。入浴中は強い酸性のお湯らしいヌルヌルを伴うツルスベ浴感が肌をなめらかにしてくれますが、湯上がりにはややベタつきも残ります。ちょっと熱めの湯加減でしたが、加水無しでも問題なくスムーズに入ることができ、お湯の鮮度の良さも相俟って、とても気持ち良い湯浴みが楽しめました。


蛇荒川折口源泉
酸性・含硫黄-硫酸塩・塩化物温泉 56.6℃ pH1.76 自然湧出 溶存物質2079mg/kg 成分総計2555mg/kg
H+:17.5mg(54.11mval%), Na+:42.2mg, Mg++:59.0mg(15.12mval%), Ca++:53.4mg, Al+++:42.9mg(14.87mval%), Fe++:6.5mg,
F-:8.7mg, Cl-:241.7mg(22.66mval%), HSO4-:497.4mg(17.01mval%), SO4--:849.8mg(58.77mval%),
H2SiO3:219.5mg, H2SO4:21.8mg, CO2:464.9mg, H2S:10.6mg,

山形駅より山交バスの蔵王温泉行で終点(蔵王温泉バスターミナル)下車、徒歩3分(250m)
山形県山形市蔵王温泉29  地図
023-694-9226
ホームページ

日帰り入浴受付時間不明
300円
湯めぐりこけし利用可能
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5

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