温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

柏温泉

2013年10月20日 | 青森県

存在はとっくの昔から知っているのに、なぜか利用そびれ続けてしまう施設やお店って、誰しも何軒かはあるものですよね。私の場合は青森県旧柏村(現つがる市)の「柏温泉」がその典型でして、近所の「イオンモールつがる柏」や界隈のロードサイド店舗は何度も利用しているのですが、国道101号沿いのわかりやすい場所に位置しているにもかかわらず、なぜかこの温泉浴場だけは目の前を通過するばかりで、これまで全く利用する機会を得ませんでしたが、盛夏の某日、存在を知ってから17年目にしてようやく初めて入浴することになりました。


 
この浴場には石の置物が随所に飾られており、玄関脇では招き猫が、入口の上がり框では七福神が、来客を出迎えていました。


 
館内は青森県の温泉浴場でよく見られるタイプの造りでして、即ち番台前に広がるロビーが休憩スペースとなっており、そこにはたくさんの長椅子が置かれていて、自販機もずらりと並んでいます。浴室入口にはビールの自販機とポカリスエットの自販機が設置されているのですが、このポカリの自販機は後述するように、湯上がりにはとっても役立つのであります。


 
浴室も青森県の温泉銭湯では標準的な室内構成でして、広い室内の中央に大きな浴槽が据えられ、それを取り囲むように洗い場のカランがたくさん並んでいます。脱衣室から浴室へ入るガラスのドアを開けた途端、温泉から漂ってくる臭素臭がプンと鼻孔を突いてきました。

室内の左右両サイドに並ぶ洗い場のカランは、左側が16ヶ所、右側が12ヶ所で計28ヶ所。いずれもお湯・水・固定式シャワーの組み合わせとなっており、お湯のカランからは温泉が出てきますが、シャワーから吐出されるお湯は真湯でした。
大きな浴槽は前後に二分割されており、手前側は12人サイズで、仕切り塀付近ではボコボコブクブクと騒々しくジャグジーが稼働しています。一方、奥側はそれより一回り小さい8人サイズなのですが、湯口のお湯が直接注がれているためか、やや熱い湯加減となっており、こちらではジャグジーのような装置は設置されていませんでした。



浴室入口傍には小さな上がり湯槽が設けられています。一見するとお湯が黄色っぽく見えますので、温泉が用いられているように勘違いしてしまいそうですが、実際には温泉ではなく真湯が用いられていました。おそらく意図的に真湯を用いているものと思われるのですが、その理由(私なりの推理)は後述します。


 
浴室の奥には2室のサウナと、それに挟まれる形で水風呂が設けられており、右側のサウナにはテレビが取り付けられており、一方左側のサウナには扉に「高温サウナ」と書かれていました。尤も、私が利用したこの日は篦棒に蒸し暑く、サウナを敬遠したい気分でしたので、両サウナにはどのような差異があるのかよくわからず、寧ろできるだけ体を冷やしたかったので、ひたすら真ん中の水風呂に浸かっていました。


 
大国様が鎮座する横長の湯口からは温泉が滝のようにドバドバと浴槽へ落とされており、浴槽に湛えられたお湯は左側の洗い場に向かってオーバーフローし、その流路の床タイルは茶色に染まっていました。しかしながら、投入量に比べるとオーバーフロー量が少なくアンバランスなので、おそらく新鮮な源泉を常時投入しながらも循環を併用しているものと思われます(実際に浴槽の底で吸引口と思しきものを確認しました)。

お湯は鼈甲色の透明で、かなりしょっぱく且つ出汁味も含まれ、湯面からは臭素臭と共に都市ガスのような(腐ったタマネギのような)匂いが嗅ぎ取れます。入浴中は食塩泉的なツルスベ浴感が楽しめますが、湯上がりは火照りが強くて汗がなかなか引かず、お風呂から上がって何度もタオルで体を拭いましたが、いつまで経っても肌には玉のような汗が噴き出てきました。夏の暑い日は、温泉から上がる際に真湯で温泉を濯ぎ落とす等の対策をとらないと汗で体がベトつくこと必至ですが、逆に寒い冬には卓越した温浴効果が発揮されますので、それこそ外套要らずのポカポカ感が長時間持続することでしょう。津軽のしばれる冬のこころ強い見方ですね。このような温泉ですから、湯上がりには塩分や水分の補給が必須となり、上述のようにポカリの自販機が大いに役立つというわけです。


柏温泉2号泉(再分析)
ナトリウム-塩化物温泉 56.2℃ pH7.64 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質8.210g/kg 成分総計8.229g/kg
Na+:2936mg(95.19mval%), NH4+:5.9mg, Mg++:5.5mg,
Cl-:4312mg(93.60mval%), Br-:16.5mg, I-:1.5mg, HCO3-:488.0mg(6.15mval%),
H2SiO3:188.1mg, HBO2:79.1mg,
(分析表に記載されている源泉所在地は「つがる市柏稲盛岡崎1-4」となっており、この場所は浴場から数百メートル離れた五能線の線路の北側に当たります)

五所川原駅より弘南バスの鰺ヶ沢線や出来島線などで「柏温泉前」バス停下車すぐ
青森県つがる市柏下古川絹森55-3  地図
0173-35-20

5:30~22:00
390円
ロッカー・ドライヤー(無料)あり、基本的な入浴用具は番台で販売

私の好み:★★

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2 コメント

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激熱一番! (MR.A)
2016-01-13 03:09:59
 ここは過去に確か二、三度入浴していますが、熱い温泉が多い西北地域に於いても、熱さではトップだと思います!
 二つある浴槽は通常の“熱い湯と温めの湯”ではなく、“熱湯と熱い湯”ですね!(×_×)
 友人と二人で「折角だから」と、かなり無理して“熱湯”に浸かっていたら、地元の常連(と思われる)爺様に、「お前だぢ、よぐこっちさ入るなあ!」と感心されてしまいました。(^_^;)
 柏温泉の他は、森田の光風温泉や、鶴田の梅沢温泉も熱いですねえ。
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Unknown (K-I)
2016-01-13 20:12:53
>MR.Aさん
津軽道の延伸開通によって、ここはめちゃくちゃ便利な温泉になりましたね。おっしゃるように、ここは本当に熱い。逆上せてしまって、湯上がりにポカリスエットで水分補給しながら、しばらくボーッとしてしまったことを思い出します。この柏を筆頭に、界隈の温泉は熱い温泉は多いですね。
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