温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

豊富温泉 ふれあいセンター 前編(一般浴場)

2016年05月01日 | 北海道
 
豊富温泉の公営日帰り入浴専門施設「ふれあいセンター」は、当温泉を代表する施設。まっすぐ伸びる温泉街の突き当たりに位置しており、左手には天然ガス田や温泉の源泉施設が武骨な姿を見せています。私は閉館の1時間前に入館しました。個人的には約10年ぶりの再訪なのですが、前回訪問時は同行者がおり、マニア的な湯浴みができなかったので、この度の再訪ではたっぷりマニア視線で利用させていただくことにしました。
なお館内には食堂があり、ランチや夕食を摂ることも可能です。


 
食堂を右手に見ながら廊下を奥へ進んで浴室へと向かいます。館内には「一般浴場」と「湯治用」という2種類の浴室があり、それぞれ男女別の内湯となっています。入浴目的の一般客・観光客は「一般浴場」を、皮膚疾患等を治したいために長期滞在している湯治客は「湯治用」を利用することになります。


 
まずは一般浴場から利用することに。


 
広々とした脱衣室には、棚や籠がたくさん用意されており、それらとは別にロッカーも設置されています。棚が置かれているパーテーションの裏側には、洗面台が並んでおり、ドライヤーも備え付けられていました。室内の造りは古いものの、手入れが行き届いており、気持ちよく使うことができました。


 
浴室へ入った途端、ものすごい石油臭に見舞われ、臭いの刺激があまりに強いため、目はショボショボ、頭はクラクラ。石油臭の攻撃に私の体は早くもノックアウト寸前です。男湯の場合、浴室へ入って右手の窓側に大きな浴槽が据えられており、日中は明るい環境で湯浴みすることができるかと思います。浴槽は長さ9mの長方形なのですが、隣の女湯に接している部分だけ浴場棟は曲線を描いているため、その建物の形状に合わせて浴槽もちょっと屈折しています。


 
浴槽とは反対側(つまり左側)に洗い場ゾーンが配置されており、計14基のシャワー付きカランが洗い場ゾーンを囲むように取り付けられています。各カランにはボディーソープやシャンプーが備え付けられていますが、一度湯船に入った後にこうした石鹸類を使おうとすると、温泉に含まれる石油が肌に付着してしまうため、石鹸が油分に反応しちゃって泡立ちがめちゃくちゃ悪くなっちゃいます。従いまして、このお風呂では、湯船へ入る前に、ボディーソープやシャンプーなどを済ませておきましょう。とはいえ、湯上がりに肌に着いた油のギトギトを洗い流したければ、泡立ちにくいボディーソープで根気よく油を落とすことになりますけどね…。



湯口から注がれるお湯はちょっと熱めに加温された上で供給されています。湯口に鼻を近づけようとすると、案の定、強烈な油臭の返り討ちに遭って、思いっきり咽せ返してしまいました。単なる石油臭だけではなく、アンモニア、そしてヨウ素や臭素などのハロゲン系の刺激臭も混在しているように思われます。このお湯を口に含んでみますと、強烈な塩辛さと苦味が口腔の粘膜を思いっきり刺激しました。


 
お湯の投入量は決して多くないものの、循環なしの放流式の湯使いとなっており、浴槽縁からしっかりとお湯が溢れ出ていました。そのオーバーフローは室内の床を温泉成分の析出で覆い尽くし、床に敷かれているタイルは元の色がわからないほどベージュ色に染まっています。そして成分付着が幾重にも層を成すことによって、床の表面は凸凹になっていました。


 
浴槽のお湯もベージュ色(というかラクダ色)に濁っており、透明度は15~20cmで、底面は全く見えません。湯面には油膜がキラキラと輝きながら浮かんでいます。湯船に浸かって腰を下ろすと、槽内に触れたお尻や大腿など肌の一部が、沈殿に含まれる油によってギトギトします。とにかく油がすごいのです。
お湯の濁りの原因は、湯の中を浮遊する無数の微細な湯の花。この湯の花は滓となって浴槽縁に沈殿しており、指でなぞってみたら、温泉マークが描けちゃいました。

「一般浴場」ですら豊富温泉の石油的特徴は強烈に感じられるのですが、この浴場は「湯治用」のお風呂の方がもっとすごいので、続いて「湯治用」のお風呂も利用してみることにしました。

次回(後編)に続く。

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