温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 (甲府市)

2011年12月09日 | 山梨県

温泉ファンの間では名湯の誉れが高い甲府市の草津温泉。ネット上では、群馬ではなくて山梨にも草津温泉がある、という旨の表現をよく見かけます。戦前から銭湯として営業していたんだそうですが、その後地下800mまでボーリングしてみたところ温泉が湧出したため、35年ほど前に温泉浴場としての営業を開始。かつては2階が雀荘の古びた建物でしたが、4~5年ほど前に国道の付け替え工事に伴い、平屋建ての新しい湯屋へ全面リニューアルしました。ヨモギ色の外壁が目を惹きます。玄関の番台で明るく元気なおばちゃんに料金を支払い、下駄箱のカギと引き換えにロッカーキーを受け取り中へと入ります。

 
脱衣所はやや狭めで奥に詰まった印象を受けますが、よくお手入れされており、とっても清潔で、使い勝手はよろしい方ではないかと思います。
浴室入り口のガラス戸に貼られた注意書きがストレートな表現でつい笑ってしまいました。曰く「湯舟に入り前にちんちんとこうもん様を洗うべし!」とのこと。下手に遠まわしに記すよりも訴える力がありますね。


 
浴室の造りは典型的な街中の銭湯そのもの。入口すぐ脇には源泉が注がれている掛け湯の桝が設置されています。スピーカーからは有線の歌謡曲が流れ続けていました。ちなみに先日の訪問時に流れていたのは、美空ひばり「愛燦々」や島津ゆたか「ホテル」など。自分はそんなに古い世代ではないつもりでいるのですが、悔しいかな歌えてしまう曲が多く、気づけば「♪私の家のぉ 電話番号がぁ 男名前で書いてあるぅぅ」と口ずさんでいました…。



山梨県の温泉施設ではすっかりお馴染のO短大T名誉教授による「ありがたい」御託宣が掲示されていました。相変わらず文章フォーマットは他の浴場の使い回しで、個々で異なる所だけ文言や数値を置き換えているだけなのですが…。


 
浴室の左右両側にシャワー付き混合栓が計20基ズラリと並び、中央には10人以上が同時に入れそうな大きな主浴槽が据えられています。浴室内には主浴槽の他に3つの浴槽が設けられていますが、いずれの浴槽の湯口にもコップが置かれており、温泉の泉質や鮮度に自信を持っていることが窺えます。主浴槽は39~41℃の温度設定で、長湯にもってこいの湯加減であるため、4つあるお風呂の中では常に一番人気です。


 
窓に面して水風呂と高温槽が並んでいます。小さい方の槽が水風呂です。画面では判別しにくいかもしれませんが、双方のお湯(水)の色に明らかな違いがあるのがわかりますでしょうか。高温槽は4人サイズで源泉そのままの46℃近いお湯が張られており、とてもじっくり浸かっていられませんでした。


 
浴室奥の扉から屋外に出ると露天風呂。軒先の猫の額ほどのスペースに無理矢理造ったような感じで、浴槽の形状も建物と塀に合わせて鉤状になっています。こちらの湯加減は41~42℃。住宅地の中の銭湯ですし、すぐ目の前は塀ですから、景色なんてあったもんじゃありませんが、お湯で火照った体をクールダウンさせながら湯あみするには良いスペースですし、街中の銭湯に露天があること自体、結構ありがたいものですよね。

お湯はごく薄い黄色で、うすい塩味+微ほろ苦み+芒硝味、樹脂のような鉱物油臭が印象的。湯中では泡付きがあり、1分も浸かっていれば体毛にビッシリと泡が付着します。ツルツル感が強く、浴槽内が滑りやすいほどです。
主浴槽はツルスベの強い浴感や泡付きの上に程良い湯加減であるため、つい長湯してウトウトとまどろんでしまいました。また湯上がりは食塩のおかげで湯冷しにくいのも嬉しいところ。
甲府駅から比較的近いので、これまで駅で途中下車した時に何度か利用させてもらっていますが、ここは何度訪れてもお湯の良さがその都度実感できるので飽きません。


ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉 47.7℃ pH不明 200L/min
Na:350mg, Cl:438mg, SO4:135mg, HCO3:86mg,

甲府駅より山梨交通バスで荒川橋下車、徒歩2分
山梨県甲府市上石田1-10-12  地図
055-222-4216

6:00~22:00 元旦のみ休業
400円
備品類なし(販売あり)

私の好み:★★★

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中巨摩地区広域事務組合老人... | トップ | ホテル談露館 »

コメントを投稿