温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

妹背牛温泉 ペペル

2016年05月04日 | 北海道
 
前回記事まで連続して取り上げた豊富温泉を出発した朝、豊富駅から札幌行の特急「スーパー宗谷」に乗車し、深川駅で下車しました。


 
深川駅から200mほど歩いて「深川十字街」のバス停へ向かい、次の目的地へ向かうべく、雨竜経由の滝川ターミナル行路線バスに乗車します。


 
深川から15分ほど乗車し、妹背牛町の市街中心部に位置する「妹背牛」バス停で下車しました。ここから標識に従って役場へ向かって歩いてゆくこと7~8分で…


 
目的地である「妹背牛温泉ペペル」にたどり着きました。この温泉施設は妹背牛駅の徒歩圏内でもあるのですが、妹背牛駅は普通列車しか停車せず、列車の接続がうまくいかなかったため、今回は敢えて深川から路線バスでアクセスしたのでした。



なお「ペペル」は妹背牛町の公共機関が集まるエリアの一角に建てられており、右側には町役場など各庁舎が並んでいました。


 
いわゆるセンター系に分類される公営の温泉施設であり、館内はとても広々しています。靴を下足箱(100円リターン式ロッカー)に預け、フロント前に設置されている券売機で料金を支払い、券をフロントに差し出します。利用客は地元の常連さんが多いらしく、スタッフの方とお客さんはツーカーの間柄で会話を弾ませていました。長閑でほのぼのとした光景に、思わずこちらもニンマリと頬が下がっちゃいます。
フロントで券を差し出した後は、明るく広いロビーを横目に浴室へ。浴室入口前には食堂が営業していますので、湯上がり後にそこでランチをいただくことにしましょう。まずは入浴を楽しもうっと♪


 
脱衣室も広々としており、手入れも行き届いていて、綺麗で使い勝手良好です。また奥の方には小さな石庭も設えられており、和の風情を醸し出していました。


 
脱衣室から浴室へ入る前のバッファーゾーンには冷水のサービスが用意されていました。入浴に水分補給は欠かせませんから、こうしたサービスはありがたいですね。
脱衣室内には「ペペル」という不思議な施設名の由来が説明されていました。これによれば、ペペルとはアイヌ語で水を意味する“PE”(ぺ)と、泉を意味する“PERU”(ペル)をくっつけた言葉らしく、その可愛らしいネーミングにはこの温泉を永く愛していただきたいという願いも込められているんだとか。


 
大きなガラス窓で囲まれた浴室は、天井が高くて明るく開放的。冬場なのに湯気の篭りも少なく、快適な湯浴みが楽しめました。広い室内には様々な浴槽が設けられており、お客さんのいろんなニーズに応えられるようになっています。


 
上画像は打たせ湯やサウナ、そして真湯のジェットバスです。打たせ湯には温泉のお湯が使われています。この他、水風呂なども設けられていました。


 
小文字のqのような形状をした温泉主浴槽は、多人数で同時に入っても混雑が気にならないほどとても大きなものですが、岩の湯口から投入されるお湯の量が多いため、大きな湯船にもかかわらずお湯の鮮度が良く、湯船のお湯はガラス窓の下にある溝へ惜しげもなく溢れ出ていました。なお湯使いは完全掛け流しです。


 
お湯の見た目は薄い山吹色を帯びていますが透明度は高く、浴槽底面がクリアに目視できます。でも薄い色付きながら、長時間お湯に触れている部分はしっかりとその色に染まっており、特に湯口や排水口の周りは黄土色に着色されていました。
湯口の裏には飲泉場が設けられていたので、実際にそのお湯を飲んでみますと、甘塩味と薄い出汁味、そして土類系の味やほろ苦みが感じられたとともに、塩化土類泉によくある土類系の匂いの他、鉱物油(というかガス)っぽい風味が喉から鼻へと抜けていきました。湯船に浸かりますと、食塩泉や重曹泉らしいツルスベ浴感が肌を滑らかにしてくれると同時に、土類泉らしい引っかかりも拮抗して肌に伝わりました。分析書の上では含重曹・食塩泉という泉質になりますが、炭酸水素イオンが温泉中に少々含まれるカルシウムなどと反応してしまうため、単なる重曹ではなく、塩化土類泉のような性格も持ち合わせているように思われました。


 
内湯から屋外へ出ると、屋根に覆われた露天風呂となります。この日は冬なのに穏やかな天候でしたから、ゆったりのんびりと雪見風呂を楽しむことができました。露天は岩風呂で大体5~6人サイズといったところでしょうか。


 
湯口からはドバドバとお湯が大量投入されており、湯船を満たしたお湯は湯尻の排水口からどんどん捨てられていました。内湯同様に完全掛け流しであり、お湯のコンディションは良好です。


 
露天からの景色はこんな感じ。周囲は塀で囲まれていますが、塀までスペースが確保されているため圧迫感はなく、塀越しに周囲の丘陵が見渡せ、なかなかの開放感が得られました。



湯上がり後は、館内の味処「米里」にてランチをいただきました。注文したのはその週のランチメニューであった「豚カルビ丼」。コーヒー付きで750円。うまかったですよ。

私が利用したのは平日の昼間でしたが、浴室には常時10人以上のお客さんがいらっしゃり、人気の高さが窺えました。広くて使い勝手が良く、しかもお湯も良いため、地元の方々にとっては欠かせない憩いの場として機能しているようです。また、北空知エリアには掛け流しの温泉施設が少ないので、温泉巡りを趣味にする私のような者にとっても貴重な存在です。


 
往路は路線バスを利用しましたが、帰り道は歩いて妹背牛駅へ向かうことにしました。「ペペル」から妹背牛駅まで、私の足で13分。ほぼ一本道ですから、迷うことなくたどり着けました。駅は無人ですが、待合室の脇には昨年流行ったディズニーアニメの某キャラが立って、乗降客を見守っていました。


 
 
なんと妹背牛駅のホームは未舗装。砂利敷きなんですね。この駅から普通列車で岩見沢方面へと向かいました。


妹背牛1号井と2号井の混合井
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 44.2℃ pH7.3 湧出量未記載(動力揚湯) 溶存物質2.152g/kg 成分総計2.218g/kg
Na+:597.0mg(88.11mval%), Mg++:12.4mg, Ca++:24.2mg, Fe++:0.4mg,
Cl-:786.0mg(73.74mval%), HCO3-:479.6mg(26.14mval%),
H2SiO3:185.4mg, HBO2:22.0mg, CO2:66.0mg,
(平成20年10月10日)
加水・加温・循環・消毒なし

JR函館本線・妹背牛駅より徒歩15分(約1.3km)、もしくは空知中央バスの深滝線(雨竜経由)等で「妹背牛」バス停下車徒歩7~8分
北海道雨竜郡妹背牛町字妹背牛5208-1  地図
TEL 0164-32-4141
施設紹介ページ(妹背牛町公式サイト内)

10:00~22:00 無休
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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