温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

白岩温泉 白岩荘

2011年10月04日 | 静岡県
 
前回の「小川温泉共同浴場」入浴後、次の路線バスの時間まで余裕があったので、もう一軒お風呂をハシゴすることにしました。候補として挙げていた小川橋右岸の某民宿を訪れてみると「廃業したので入浴NG」との悲しい答えが返ってきたので、茫然としながらあてもなく左岸の山へ伸びる一本道を登ってゆくと、一軒の民宿の看板に「入浴休憩できます 100%源泉掛け流し」と書かれた札が提げられているのを発見し、まさに渡りに船、この札は私を呼んでいるに違いないと確信して、たまたま外で庭仕事をしていた御主人に声をかけて入浴を乞うてみると、どうぞどうぞと笑顔で歓迎して下さいました。

 
いかにも民宿らしい雰囲気の館内。庭仕事は御夫婦でなさっていたらしく、奥さんが仕事の手を休め、料金を受け取って、案内して下さいました。お風呂は「和の湯」と「彩の湯」という名前の内湯が二つあり、男女を日替わりで使用しているそうです。この日の男湯は「和の湯」でした。

 
建物の外観はちょっと草臥れていますが、お風呂は近年リニューアルされたようで、簡素ながらもとっても綺麗で清潔です。棚には浴槽の換水や清掃をチェックする台帳が掲示されており、たとえ小規模な民宿でも毎日抜かりなく管理していることを、客に対して明示していました。

 
浴室もシンプルながら綺麗です。浴槽は大きな窓に面しており、室内には外の光が降り注ぎます。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が3基。一人分の区画割りが広いので、複数人数使用時もストレスなく使えるでしょう。

 
浴槽はタイル貼りで縁のみ御影石が貼られ、大きさは3人サイズ。湯口の右下にはコックがあり、これを開閉することによって源泉投入量や加水量が自由に調整できます(もし調整したらちゃんと元に戻しておきましょう)。縁からはしっかりお湯がオーバーフローしていきます。
使用されている源泉は白岩2号で、「小川温泉共同浴場」と同じ源泉を引いていますが、明らかにお湯のフィーリングが違うのです。まず見た目に関しては無色透明ですが、微かに白く濁っているように見えます。宿の奥さん曰く、普段は綺麗に澄みきっているんだそうですが、先日の豪雨以来、お湯が濁り続けているとのこと。雨の影響をモロに受けちゃう源泉なのでしょう。共同浴場では無色澄明だったのに、こちらでは濁りが確認できる点がまず相違の一つ。
そして匂いが明らかに違うのです。小川温泉共同浴場ではほぼ無味無臭でしたが、こちらは浴室に入った途端に、湿布薬のような弱い匂いが鼻を突き、「あれ?先客にシップを貼ったお爺さんでもいたのか」と思いながら浴室内を見まわしますが、それらしき物が捨てられているようなゴミ箱は無いし、窓は開けっ放し(網戸は閉められている)で換気状態良好なので、先客の残り香が漂っているはずもない。匂いを発しやすい石鹸はハニーの香りだから、これでもない…。湯口に鼻を近づけてみると、明らかにお湯からその匂いが漂っているのです。しかもそれのみならず、樹脂のような鉱物的な匂いも感じられ、口にするとそれらの匂いから連想させられるような渋い味が微かに舌に伝わってきました。そしてそのような味や匂いの陰でこっそりと芒硝の味や匂いが自分の存在を主張していました。湿布薬臭や樹脂臭は泉質由来なのか、あるいは雨により源泉に混入した何らかのものが影響しているのかよくわかりませんが、こうした味や匂いがはっきり確認できるのも「小川温泉共同浴場」との相違点であります。ちなみにこちら「白岩荘」さんは加温加水循環消毒なし。源泉に一切手が加えられていない白岩2号源泉は、実は結構個性的なのかもしれません。
泉質名こそ芒硝泉ですが、この泉質によくあるキシキシ浴感は少なめで、むしろツルスベ感の方が勝っており、湯中ではとても優しく柔らかい感触が得られました。湯上がり後は肌のスベスベし、また温まりも強く、いつまでも体はホコホコしていました。


こちらは「彩の湯」。この日は女湯として設定されていましたが、どなたもいなかったので、撮影だけさせていただきました。このお風呂からも上述のような湿布薬臭と樹脂臭が感じられたので、こうした匂いが源泉由来である可能性はますます高いですね。

帰宅後にネットで調べたら、意外にもこちらのお宿をレポートしたり日記で紹介しているブログやサイトが少ないことを知りました。わかりにくくて目的が無いと訪れることの無い立地ですが、お湯の質や個性はなかなか良好、お風呂も綺麗で、宿の方も実に親切でした。中伊豆で湯巡りするなら、是非こちらもみなさんの訪問リストに加えてみてはいかがでしょうか。


白岩2号
ナトリウム-硫酸塩温泉 64.7℃ pH9.1 湧出量85.7L/min 溶存物質1528mg/kg 成分総計1528mg/kg
Na:450.0mg, SO4:791.7mg,
加温加水循環消毒なし

修善寺駅から伊豆箱根バスor東海バスで「白岩」下車、徒歩10~12分。あるいは東海バス・中伊豆温泉病院行で「小川橋」下車、徒歩5分。
静岡県伊豆市上白岩1475-11  地図
0558-83-1404

平日14:30~19:30(最終受付)
土休日12:00~19:30(最終受付)
不定休(2011年9月30日~10月8日まで休業)
300円/1時間
ロッカー・石鹸あり

私の好み:★★★

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2 コメント

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最高でした (あわせ味噌)
2018-02-06 23:10:12
はじめました。本ブログを見て2018年1月末に入浴してきました。近隣の温泉病院のお見舞いの帰りに寄りました。
館内はとても冷えていたのですが、温泉は適温で、あったまりました。
次は希望園を希望しています(笑)。
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Unknown (K-I)
2018-02-07 16:02:03
あわせ味噌さん、はじめまして。
昨年だったか一昨年だったか、こちらの宿の前を通った時、窓にレースのカーテンが閉められていたので、もしかしたら・・・と不安になっていたのですが、いまでもしっかり営業していて、あわせ味噌さんがお風呂でホッコリなさったとのこと。そのお話を伺えて、私もホッと安心しました。コメントをお寄せくださりありがとうございます。
是非希望園も希望してください(笑)。
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