温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

天然温泉ホテル鳳乃舞音更

2012年02月20日 | 北海道
音更町の温泉と言えば、北海道遺産にも選ばれている十勝川温泉が有名ですが、今回は道外の観光客には知名度が低そうな音更市街に近い温泉ホテル「鳳乃舞」を訪れてみました。


 
大型ロードサイド店舗が立ち並ぶ国道241号線。交通量の多い郊外の国道で路線バスを利用する人間は少数派なのかもしれません。「鳳乃舞」最寄のバス停である「木野大通18丁目」は、沿道のロードサイド店舗とは対照的に、行き来する車のほとんどが見逃してしまいそうな小さく素朴なもので、所在なさげに半身を雪に埋めていました。


 
バス停付近の交差点には「鳳乃舞」の看板が立っているので、これを見つければ迷うことなく辿りつけるはず。ホテルは国道の西側数百メートルの小高い丘の上に建っており、ちょうどトイザラスの裏手にあたります。川を渡るとすぐに敷地へ登ってゆくアプローチの入口が左へ伸びています。



こちらは名前の通りホテルが併設されていますが、温泉浴場とホテルは入口が別になっており、手前側が日帰り入浴の入口です。駐車場には多くの車がとまっており、宿泊のみならず共同浴場としての利用も多いようです。
広いロビーに置かれている券売機で料金を支払います。受付は入浴利用者専用のようですが、中規模ホテルのフロントのようなそれなりに立派な造りになっていました。



フロント周りのロビーは広くて開放感があるのですが、それに反して脱衣室はちょっと狭く、棚やロッカーの数はしっかり確保されているのですが、それらが室内に詰め込まれるように置かれているためスペースに余裕がなく、私が訪問した時のように混雑していると他客との干渉が気になって少々ストレスでした。
脱衣室内に各浴槽の温度設定が表示されており、温泉の源泉温度が低いためどの浴槽でも加温されているのですが、状況に応じて適宜調整されるようですね。



洗い場にはオートストップ式の単水栓とシャワーの組み合わせが計34基設置されているのですが、ホテル宿泊客もこの浴場を利用するためなのか、あるいは単に利用者サービスなのか、銭湯料金にもかかわらずシャンプーが備え付けられていることには驚かされました。と同時に不思議に思ったのが、シャンプーはあるのにボディーソープは無く、その代りに石鹸が用意されている点。なぜ石鹸? 見知らぬ他人の使った石鹸はあまり使いたくないです…。ちなみに↑画像で右側に映っている浴槽は高温風呂です。



内湯には高温風呂、大浴槽、電気風呂、泡風呂、そして水風呂の計5種類が設けられており、水風呂以外は源泉を加温して使用しています。曇って見にくいのですが↑画像で左側にはサウナ・水風呂・泡風呂が、そして右側には大浴槽が映っています。各浴槽とも御影石板貼り。大きなガラス窓のおかげで、室内には陽の光がさんさんと降り注ぎ、明るく開放的です。


 
こちらは大浴槽。10人サイズで、やや深めのつくりです。このお風呂の中では最も容量が大きいのですが、大とはいえ特別に大きいわけでもなく、特別な装置が施されているわけでも温度設定に特徴があるわけでもないので、ごく一般的な主浴槽という意味だろうと思われます。アンモナイトのような形状の湯口から源泉が注がれ、浴槽縁の切り欠けから排湯されていきます。加温の上、塩素消毒されているものの、放流式の湯使いです。

お湯は薄い山吹色透明で、薄い黄色っぽい半透明の湯の華が沢山浮遊しています。知覚的には土気と微かな甘味、そして弱い土気のような匂いを有しています。塩素消毒に関してはほとんど気になりませんでした。泉質名だけで捉えると周辺地域で湧出する温泉と同様に重曹泉ですが、MgイオンやCaイオンが多いためか、帯広周辺や十勝川温泉のようなモール泉とは一線を画す特徴を有しており、ツルスベ感は乏しくて寧ろ引っかかる感じの方が強いように感じられました。


 
露天風呂は6~7人サイズで、こちらも加温されたお湯が注がれて切り欠けから排湯されてゆく放流式の湯使いです。大浴槽と同じく、一般的な浴槽より若干深めに作られていました。頭上には屋根が被さっていますが、前方視野は開けており、木立が広がる前庭を眺められる開放的な環境です。


 
露天風呂の湯口。露天に限らず各浴槽の湯口をはじめとして浴室各所にはメルヘンチックなレリーフが埋め込まれており、特に露天の仕切り壁は同じ作者による大型のレリーフによって装飾されていました。

私が訪問したのは平日午前中でしたが、そんな時間帯だというのに館内は多くの客で賑わっており、この温泉の人気の程がうかがえました。近隣には私の大好きなモールの温泉が多いため、そうしたお湯と比較してしまうと、相対評価としてお湯に関してはあんまり印象に残るものではありませんでしたが、多種な浴槽が利用できて使い勝手も良く、頻繁に係員の方が清掃に来ることからもわかるように、館内はよく手入れされて清潔感が保たれているので、日常使いの温泉浴場としては評価が高いのだろうと思います。


ナトリウム-炭酸水素塩温泉 36.6℃ pH7.2 320L/min(自噴) 溶存物質1.083g/kg 成分総計1.127g/kg 
Na+:168.0mg(62.59mval%), Mg++:21.5mg(15.15mval%), Ca++:34.0mg(14.55mval%),
Cl-:61.6mg(14.59mval%), HCO3-:612.6mg(84.65mval%),
H2SiO3:152.6mg, 遊離CO2:44.6mg,

帯広駅から北海道拓殖バスの鹿追・新得・然別湖方面行(十勝バスの上士幌・糠平行でも可だが本数少ない)で木野大通18丁目下車、徒歩5分
北海道河東郡音更町木野西通17丁目5-13  地図0155-43-5191
ホームページ

6:00~23:30(受付23:00まで) 年中無休
400円
ロッカー(下足箱・脱衣室ともに100円リターン式)・シャンプー&石鹸・ドライヤーあり

私の好み:★★

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