温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

バックアイ温泉 Backeye Hot Springs 前編(上の湯)

2017年11月23日 | アメリカ
ブリッジポートの街から西へ向かった山の中に"Backeye Hot Springs"という面白そうな野湯があるという情報を得たので、行ってみることにしました。

 
ブリッジポート市街地の西端にあるGS(シェル石油)の角を南へ曲がり、"Twin Lakes Rord"という通りを道なりに進んでゆきます。



草をはむ牛たちを尻目に牧場の真ん中を突き抜け山の麓へ。


 
市街地から7.1マイル走ると、右手に"Backeye Road"という道が分かれますので、この道へ入ります。


  
道はまもなくダートになりますが、普通車でも問題なく走行できます。運転中にバックミラーを覗いたら、後ろに聳えるシエラネバダの山々があまりに美しかったので、その場で車を降り、青い山脈を背景に今回の旅の相棒であるレンタカー(JEEP Renegade)の姿を撮ってみました。SUVにはワイルドな景色がよく似合いますね。


 
坂道で山の裾野を上がってゆくと、やがて道の東側の視界が開け、市街地やその北側に水を湛える巨大な貯水池、そしてブリッジポート周辺に広がる平原を一望できる高台に出ました。言葉を失うほどの雄大な景色に感動! なお目下の平原を挟んだ向こう側(東側)の丘に、前回記事のトラバーチン温泉があるはずです。


 
道は再び森の中へ入り、ウネウネとしたカーブが続きます。途中でいくつか分岐がありますが、道しるべが立っているので迷う心配はありません。


 
右へ大きくカーブしながら一本の川を渡ると、まもなく広い駐車場に行き当たりますので、ここで車をとめます。この駐車場は緩やかな谷底の川をも見下ろす高台に位置しており、針葉樹林の彼方に先ほどの道から眺めた平原の景色が広がっていました。目指す温泉はここからすぐのところにあるはず。


 
駐車場から川の上流に向かって一本の杣道が伸びているので、ひとまず歩いてみることに。歩き始めてすぐ、足元に石で囲まれた小さな湯溜まりを発見しました。たしかにここでは温泉が湧いているのですね。でもこの湯溜まりは浅い上に汚らしかったので、見るだけに留めて更に先へ。



あれれ? 大樹の裏で何かキラキラ光っているぞ。



煌めいていたものとは、温泉のホットタブでした。川を見下ろす見晴らしの良い斜面の上に、地形を上手く生かして巧みに作られており、谷側は石でしっかりと固められています。お湯は足元もしくは側面から自然湧出しており、4~5人は同時に入れそうなキャパを有しています。お湯は本来無色透明かと思われますが、底に溜まる泥のため、湯船の中は濃いグレーに濁っていました。拙ブログではこの露天風呂を便宜的に「上の湯」と名づけさせていただきます。


 
ご覧のような素晴らしいロケーションです。ホットタブといっても、地面を軽く穿ち、その周囲を石で固めて、自然湧出する温泉を溜めただけでという極めてプリミティヴなものであり、底には湯泥が溜まっているためか、一般的なバスタブよりも浅い造りなのですが、寝そべれば肩までお湯に浸かることができるので、姿勢を工夫すればしっかり温まれます。



というわけで、入浴させていただきました。開放的な環境で入る温泉は、実に気持ち良い!
素晴らしいロケーションで野湯が楽しめるという情報はアウトドア愛好家の間で広く知れ渡っているのか、私が湯浴みしていると次々に後客がやってきて、その場で着替えて気持よさそうな表情を浮かべて入浴していました。洋の東西を問わず、温泉は人々の心身を癒すものであり、人々はそんな温泉を求めてあちこちを逍遥するのですね。



さて、湯あみをしながら下を流れる川を眺めていますと、お風呂の下に広がる斜面が川と接するところに、大きくて茶色い石灰華ドームがせりでており、そのドームの上や下などいろんなところから湯気が上がっていることに気付きました。湯気が上がるということは、温泉が流れているのでしょう。ということで、続いてはこの石灰華ドームへ向かうことにしました。

次回に続く

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コメント
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