温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

川渡温泉 民宿二宮荘

2016年06月07日 | 宮城県
 
昨年秋の某日、鳴子温泉郷の「民宿二宮荘」で立ち寄り入浴させていただきました。掲題では川渡温泉と記しましたが、実際には川渡温泉と東鳴子温泉の中間地点に位置しており、どちらの温泉地に含めるべきか微妙なロケーションです。国道47号線の路傍に立つ看板に従って路地へ入ってゆくと、その路地の左側に駐車場が広がっており、小川を挟んだ右側にお宿が建っています。従いましてお宿へお邪魔するには橋で対岸へ渡ることになります。



後述する浴場と向き合う形で小さな小屋が建っていました。おそらく源泉井なのでしょうね。お風呂と源泉が近い温泉なんですから、お湯の質にもつい期待したくなります。どんなお湯に出会えるのかワクワクしながら玄関の扉を開け、入浴をお願いすべく声をかけますと、宿のおばあちゃんが快く対応してくださいました。


 
玄関を上がって右に折れると男女別の浴場です。お風呂は男女別の内湯のみで、浴室は床や浴槽を含めた下半分がタイル張り、上半分が化成品の防滴壁材となっており、下半分は黒系、上半分はクリーム色という、インテリアカラーコーディネートの教科書通りの配色が採用されていました。浴室の2方向に窓があるため室内は明るく、その1つの窓下に洗い場が配置されていました。洗い場に設置されているカランの数は3基でうち2基はシャワー付きです。なおカランから出てくるお湯は真湯です。


 

タイル張りの浴槽はおおよそ1.5m×2mの四角形で、4~5人サイズ、一般的なお風呂と比べてステップが幅広く造られているのが、このお風呂の特徴です。壁から突き出ている塩ビ管の湯口から加温されたお湯がトポトポと注がれており、浴槽を満たしたお湯は、縁の切り欠けより洗い場へ溢れ出ていました。源泉温度が低いために常時加温されていますが、循環などは行われていない放流式の湯使いです。オーバーフローの流路になっている床は、温泉成分のこびり付きによって焦げ茶色に染まっていました。
浴槽のお湯は麦茶を薄めたような薄い褐色に弱く濁っており、白い湯の華もチラホラ浮遊しているためか、ぼんやりと白く霞んでいるように見えました。お湯からは弱モール臭と弱タマゴ感、弱金気感、ほのかなオイリー感、そして微かな土類感が得られます。色合いや味・匂いなどの特徴から考えますと、近隣の馬場温泉や中鉢温泉に似たようなお湯に思えますが、こちらの源泉のお湯はそもそもの溶存物質量が馬場や中鉢に比べて少ない単純泉であり、また加温の影響もあるのか、それら2湯よりも個性が幾分おとなしいように感じられました。


 
近隣の温泉よりおとなしいとはいえ、湯船に浸かるとトロトロとしたまろやかな感覚に抱かれるとともに、全身がツルツルスベスベの滑らかな浴感に包まれ、紛うことなき美肌の湯であることを実感します。そして全身にビッシリと気泡が付着するのが素晴らしいところ。この泡付きのおかげでツルスベのみならず、エアリーで軽やかな浴感もあり、しかも、加温も程々に抑えられているため、いつまでも長湯したくなります。そしていつの間にやら湯に浸かりながらウトウトしてしまいました。美肌の湯であるとともに、微睡みの湯でもありました。今回は立ち寄り入浴でしたが、ここで宿泊してしっかり長湯したら、さぞ熟睡できることでしょうね。


二宮源泉
単純温泉 34.6℃ pH6.9 36.8L/min(掘削自噴)  溶存物質633.2mg/kg 成分総計669.6mg/kg
Na+:105.8mg(76.41mval%), NH4+:2.2mg, Mg++:5.6mg, Ca++:13.2mg(10.96mval%),
Cl-:8.0mg, HS-:0.4mg, S2O3--:0.1mg, SO4--:57.0mg(19.64mval%), HCO3-:261.2mg(70.62mval%),
H2SiO3:154.8mg, CO2:35.8mg, H2S:0.6mg,
(平成21年8月27日)
加温あり(源泉が低温のため)、加水循環消毒なし

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅より徒歩22分(1.8km)
宮城県大崎市鳴子温泉字馬場136  地図
0229-83-3778
ホームページ

日帰り入浴15:00~20:00
400円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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