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前回記事に引き続き、昨年秋に湯巡りした記録をアップさせていただきます。この日は秋田県大仙市の名湯であり、秘湯を守る会の会員宿でもある「岩倉温泉」で日帰り入浴させていただきました。旧南外町の山中にある一軒宿で、温泉街が形成されているわけではありませんが、この辺りの地名はズバリ「湯元」。地名にするほど存在感がある地域の誇りなのでしょうね。
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玄関で声をかけて入浴をお願いしますと、スタッフの方はとても丁寧に対応して下さいました。館内は和の趣きたっぷりの落ち着いた雰囲気です。
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玄関からカーペット敷きの廊下を歩き、中庭の池をコの字形に迂回して浴場へと向かいます。訪問した日はあいにくの天気でしたが、深紅に染まった中庭の紅葉は、雨に濡れて一層色を濃くしていました。
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浴場出入口の手前に洗面台が並んでおり、温泉の飲泉所も兼ねているようです。
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暖簾をくぐって脱衣室へ。室内は至ってシンプルで実用的です。目を惹くのが壁に張り出された案内書き。浴室内のシャワーから出てくるお湯は温泉なのですが、温泉に含まれるカルシウムが多く石鹸が泡立たないため、石鹸やボディーソープの備え付けは無く、シャンプーのみ置いていると書かれていました。ヨーロッパなど海外で洗濯なさったことのある方ならご存知かと思いますが、海外で多い硬水の水道ですと、洗剤が泡立ちにくいんですよね。これと同じ理屈で、カルシウムやマグネシウムが多い温泉は石鹸類が泡立ちにくいわけです。詳しい説明は花王株式会社公式サイトの製品Q&Aなどをご覧ください。ということで、入浴前にはシャワーでしっかりと体を濯ぎましょう。
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浴室も奇を衒わないタイル張りなのですが、男女両浴室の仕切りにはガラスブロックが用いられており、屋内に明るさと視界的な広さをもたらしています。浴室手前側に洗い場が設けられ、シャワー付きカラン1個とスパウトのみの水とお湯のセットが1組、計2基が並んでいます。先述のようにカランから出てくるお湯は温泉です。
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男女両浴室の間に挟まれる形で石灯籠が立っており、その下で口を開ける龍から温泉が滔々と注がれていました。そして温泉成分の析出により龍の顔面は真っ白に覆われていました。湯口のそばに置かれたコップで飲泉してみますと、しっかりとした塩味と石膏味、ほろ苦味が感じられ、そしてふんわりとした石膏臭が喉から鼻へ抜けていきました。
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浴槽は2.5m×2mのタイル張りで、縁には黒い御影石が採用されており、やや深い湯船はしっかりとした入り応えがあります。浴槽に張られたお湯は無色透明なのですが、タイルの色の影響を受けているのか、僅かに翠色を帯びているようにも見えました。
湯中ではトロミを伴う滑らかなフィーリングが得られるとともに、キシキシと引っかかる硫酸塩泉的な浴感もはっきりと存在感を主張しています。肩まで湯に浸かると思わず「ほっ」と息が出てしまうような、絶妙な湯加減がキープされているのですが、しばらく浸かり続けていると、まるで子泣き爺が載っかっているんじゃないかと勘違いしたくなるほど、体にズシリと重くのしかかるような感覚があり、熱くないのに長湯するのが躊躇われるほど、ヘビー級のパワーが全身に伝わってきました。そして湯上がりもしばらくは汗が引かず、いつまでもホコホコし続けました。落ち着いた雰囲気も相まって、一見すると大人しそうなお湯に見えますが、実はかなりの実力を持っている良質な温泉なのであります。今回は日帰りでの利用でしたが、宿泊してこのお湯に浸かったら、きっと深い眠りに就けそうです。いずれ泊まってみたいなぁ。
わずか400円の日帰り利用にもかかわらず、退館時はスタッフの方がわざわざ玄関まで見送ってくださいました。お湯も良ければホスピタリティもすばらしい。ブリリアントな名湯でした。
岩倉1号井
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 58.3℃ pH7.7 溶存物質4570mg/kg 成分総計4580mg/kg
Na+:1106mg(65.90mval%), Ca++:491.5mg(33.60mval%),
Cl-:1915mg(72.52mval%), Br-:6.7mg, I-:0.4mg, SO4--:958.5mg(26.80mval%),
H2SiO3:49.6mg, HBO2:15.3mg,
(平成22年3月12日)
加温加水循環消毒なし
JR大曲駅より大仙市コミュニティバス・南外線で「岩倉温泉」バス停下車すぐ(時刻などはバスを運行している羽後交通の公式サイトでご確認ください)
秋田県大仙市南外字湯元1 地図
0187-74-2345
ホームページ
日帰り入浴時間10:00〜19:00(時間内でも入浴不可な場合あり)
400円
ドライヤーあり、シャンプーのみ備え付けあり(理由は本文参照)
私の好み:★★★