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ルネ・クレマンシックの「アポカリプス(ヨハネ黙示録)」を聴きながら

2008-02-03 10:59:26 | 古典~現代音楽オーストリア編
昨日はウォーキングを休みました。
声楽曲・合唱曲のフランス編は昨日で終わりにして、
次の地域編に行きたいところだが、
その前にドイツ・オーストリア編で
触れるのを忘れたオーストリアの作曲家を一人あげておく。
1928年ウィーン生まれのルネ・クレマンシックは、
クレマンシック・コンソートを主宰し、
彼自身古楽器奏者として有名であるが、作曲活動もしている。
アルテ・ノヴァのレーベルでCDが出ているが、
1996年に作曲した「アポカリプス(ヨハネ黙示録)」は、
古代ギリシアのオラトリオと題されており、
いかにも彼らしい作品といってよい。

ヨハネの黙示録をテクストとして選んで、
3時間もの壮大な作品に仕立て上げている。
20世紀の終わりに迫った時期に作曲されているので、
おそらく、その世紀末という状況を意識していたかもしれない。
彼はこのテクストを使用したことに関して、
CDの解説書の中で、黙示録は恐怖のメッセージではなく、
むしろ希望のメッセージであると触れている。
人類が直面する危機は歴史の至る所であるのだろうが、
決してその恐怖に対して絶望するのではなく、
希望をもって人類が協力しあいながら、
乗り越えていかないといけないということだろうか。

21世紀になって、科学技術の発達の反面、
ますます人類の直面する問題は深刻になってきた。
どうあるべきなのかという心の問題に、
聖書など過去の人類が残してきた文化の遺産から
考える必要があるということなのだろうか。
そう、考えるとこの作品は哲学的でもある。
クレマンシックはパリとウィーンで哲学と音楽学を学んだようである。
ここには彼の哲学的な側面も反映しているのかもしれない。
それにしても、この音楽は中世音楽と現代音楽が
混在というか、共存しているような感じである。
「カルミナ・ブラーナ」の演奏で見せたような、
中世音楽なのにどこか現代音楽っぽいという印象とは逆に、
現代音楽なのにどこか中世音楽っぽいという音楽なのである。

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