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ジョリ・ブラガ・サントスの交響曲第5番を聴く

2024-03-31 17:40:59 | 古典~現代音楽ポルトガル編
先週帰りに道で転倒し、後頭部を打ち救急搬送され、
運ばれた病院で手術を受けることなった。
生きていたことはありがたいことだが、あとで右ももが痛み出し、
翌日には首や肩、臀部にも痛みが広がり寝るのも大変だった。
さらに翌日には目の下のところにくまができ、見られたもんじゃない。
コンピュータなど色んな荷物をカバンの中に入れていたので、
その重さの分だけ衝撃が激しく、身体にも相当なダメージを与えた。
我ながら、この歳になって何をしているんだろうという感じである。

さて、今日聴いたのは1924年生まれの作曲家ジョリ・ブラガ・サントスが、
1965年から1966年に作曲した交響曲第5番である。
副題として「ルシタニアの良さ」である。
ルシタニアは古代ローマ時代のイベリア半島西部の呼び方で、
今でいうとスペイン西部からポルトガルにかけての地域になる。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
ポルトガル交響楽団による。
第1楽章ラルガメンテは、荒々しいリズムのティンパニの音のあと、
弦楽器中心にシリアスな感じの旋律が奏でられていく。
この楽章はそのあとに続く楽章への導入的な役割を示している。
フルートなど木管楽器が奏でる神秘的な旋律と、
打楽器や金管楽器による粗暴な感じの音は、
彼が当時ポルトガルの植民地であったモザンビークを訪れた時の、
イメージも反映しているのかもしれない。
繰り返すティンパニの音型にもそれは感じられる。
この楽章は神秘的な雰囲気の中で終わる。

第2楽章ザヴァラ:モデラートは、パーカッション奏者によるリズムに、
木管楽器や弦楽器の音型が絡んで始まる楽章である。
ザヴァラはモザンビーク南部の地域の呼称であり、
そこにいるマリンバ奏者の音を想起しているようである。
第3楽章ラルゴは、ゆったりとしたテンポの楽章で、
ある時は静かだが、時に音が激しくぶつかり合ったりする。
作曲者によれば「空間、線、音の塊が互いに追従し、
交差している」とのことであるが、繰り返すティンパニの音が、
徐々に大きくなってドラマティックに盛り上がる展開がみられる。
それが終わると静かになり、フルートや弦楽器により、
神秘的な音楽が続いていき、最後は静寂の中で終わる。
第4楽章アレグロ・エネルジーコ・エド・アパッショナートは、
短い序奏で始まり、ティンパニの荒々しいリズムと、
金管楽器の粗暴な感じの音、弦楽器の目まぐるしい速さの音型で始まる。
今まで出てきた主要な主題が現れ、盛り上げていく。
いったん、静まったあとは、弦楽器や木管楽器に旋律が現れるが、
その旋律にその前の音楽の要素が絡み合い、
壮大な音楽のエンディングに向かい、盛り上がったところで最後終わる。

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