Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

フレデリコ・デ・フレイタスの中世組曲を聴く

2024-02-29 06:52:16 | 古典~現代音楽ポルトガル編
今日聴いたのは1902年生まれの作曲家フレデリコ・デ・フレイタスが、
1958年に作曲した中世組曲である。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団による。
第1曲「舞踏会」は、明るく生き生きとした曲で、
曲のタイトルのように華やかで優雅な曲である。
金管楽器や打楽器も加わり、力強さもあり、リズミックである。
第2曲「セレナード」は、弦楽器の伴奏の上で、
フルートが旋律を奏でて始まる曲で、
自由に伸びやかに旋律を奏でるフルートの音を、
弦楽器がサポートしき、ややエキゾチックな感じの曲である。

第3曲「山脈」は、フルートの音に始まり、
他の木管楽器も加わっていく愛らしい曲である。
ハープも加わり、独奏の弦楽器とも絡んでいく。
「山の歌」の旋律からとっているようである。
第4曲「友情の歌」は、弦楽器とハープで始まり、
フルートが加わり、優しい感じの曲である。
1261年生まれのポルトガル王ディニス1世による
よく知られた詩がもとになっているようだ。
第5曲「歌」は、弦楽器のピチカートに続き、
フルートが旋律を奏でて始まる。
フルートやファゴットなど木管楽器と、
弦楽器の掛け合いが楽しい明るい曲である。
第6曲「吟遊詩人」は、中世の吟遊詩人の舞曲であり、
太鼓や金管楽器の音と弦楽器により、
華やかでリズミックな舞曲風の旋律が奏でられていく。
祭りを思わせるような楽しい曲で、最後力強く終わる。
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フェルナンド・ロペス=グラサの「イカロ」作品17、「葬送行進曲風に」作品18と「牧歌」作品19を聴く

2024-02-26 07:18:16 | 古典~現代音楽ポルトガル編
昨日聴いたのは1906年生まれの作曲家フェルナンド・ロペス=グラサが、
1935年に作曲した「イカロ」作品17、「葬送行進曲風に」作品18と
1934年から1935年にかけて作曲した「牧歌」作品19である。
フェルナンド・ロペス=グラサの略歴は、
以前ブログで書いたので省略します。
聴いたCDは、「イカロ」作品17については、
リカルド・パネラのバリトン、
そのほかは、スサナ・ガスパーのソプラノ、
ピアノ伴奏はヌーノ・ヴィエラ・デ・アルメイダによる。
「イカロ」作品17の歌詞は、1901年生まれの、
ポルトガルの小説家ホセ・レジオによる。
神秘的な感じのピアノ伴奏に続き、バリトンが歌う歌は、
イカロスのことを歌っているようで、
音楽はやがて荒々しくなり感情的になる。
それは理想と現実、期待と絶望の違いを示している感じでもある。
「葬送行進曲風に」作品18の歌詞は、1907年生まれの、
ポルトガル詩人カルロス・ケイロス・リベイロによる。
伴奏は行進曲風で、そのリズムの上で淡々とソプラノが歌う。
徐々に激しく、感情的になり、盛り上がり、
最後はピアノの伴奏が高揚したところで終わる。
舞台は精神病院の中のようで詩の内容も重い。
「牧歌」作品19の歌詞は、1884年生まれの、
ポルトガル詩人アフォンソ・ドゥアルテによる。
歌詞の内容はわからないが、ピアノが繰り返す牧歌的な旋律の上で、
ソプラノが伸びやかに歌っていく田園風の歌である。
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ジョリ・ブラガ・サントスの交響曲第1番ニ長調作品9を聴く

2024-02-24 19:25:35 | 古典~現代音楽ポルトガル編
今日聴いたのは1924年生まれの作曲家ジョリ・ブラガ・サントスが、
1947年に作曲した交響曲第1番ニ長調作品9である。
この作品は第二次世界大戦で活躍した英雄や、
亡くなった犠牲者の記憶のために捧げられている。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
ポルトガル交響楽団の演奏による。
第一楽章モルト・ソステヌート-アレグロ・エネルジーコは、
冒頭は低弦により重々しく始まり、
第二次世界大戦のもたらした悲惨さを示しているかのようである。
提示部はヴィオラ独奏が示す悲しみの主題に始まり、
これは管楽器によって繰り返され、弦楽器に引き継がれ、
やがてフルオーケストラにより奏されフォルティシモに達する。
静まったあとはクラリネットや弦楽器によりそのあとも続いていく。
もう一つの主題は弦楽器中心に始まる力強く希望に満ちた旋律である。
展開部を聴くと、ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第4番に
影響を受けたように思われるところを感じさせる。
再現部は第二主題中心に盛り上がり、明るさを見せはするが、
最後は解決できない不気味な感じで終わる。

第二楽章アンダンテ,モルト・トランクィロは、弦楽器でゆっくり始まり、
戦争がもたらす様々な悲惨さが伝わってくる。
バス・クラリネットが物悲しい旋律を奏で、それはフルートに引き継がれ、
やがて弦楽器全体で叙情的な旋律が感情豊かに表現されていく。
打楽器や金管楽器も荒々しいリズムと音を奏で、戦争の激しさを伝え、
弦楽器や木管楽器はその犠牲に対する鎮魂歌にようになっている。
コーダは低弦の重々しい重々しい音となり最後は弦楽器で静かに終わる。
第三楽章アレグロ・アッサイは、スケルツォ風の部分で始まる。
弦楽器中心のリズミックな旋律に、木管楽器が絡んでいく。
そのうち弦楽器中心に勇ましく推進力のある主題が奏でられる。
もう一つの主題は弦楽器や木管・金管楽器で奏でられる穏やかな旋律である。
これが終わるとスケルツォ風の最初の主題が繰り返され、
各主題が展開されていく部分に入り、盛り上がりをみせていく。
勝利を歌うかのようなあと、再び弦楽器により勇ましい主題が奏でられる。
金管楽器と打楽器が荒々しさを加えたあと、
木管楽器と低弦で重々しい旋律が奏でられたあと、
弦楽器とホルンでゆったりとした朗々とした旋律が奏でられ、
壮大なコーダへとつながっていき、金管楽器が鳴り響く中、
最後は何度か激しい和音の繰り返しが続き、突然終わる。
このあたりはシベリウスの交響曲第5番を想起させる。
とはいえ、この交響曲もブラガ・サントスらしさが出て、
なかなか聴くにしても趣向を凝らした名曲である。
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フレイタス・ブランコのアレンテジャーナ(アレンテージョ風の)組曲第1番を聴く

2024-02-21 22:08:17 | 古典~現代音楽ポルトガル編
今日聴いたのは1890年生まれの作曲家フレイタス・ブランコが、
1917年に作曲したアレンテジャーナ(アレンテージョ風の)組曲第1番である。
アレンテージョはポルトガルの中南部に位置する地方の名称である。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
アイルランド国立交響楽団の演奏による。
第一曲前奏曲(アレグレット)は、弦楽器の伸ばす音の上で、
オーボエなど管楽器が旋律を奏でて始まる。
まるで太陽が昇り、朝が始まるような感じで、
情感たっぷりの民謡風の旋律が奏でられていく。
ホルンの音が響き、金管楽器全体で盛り上がったあと、
いったん、静かになり、ハープの音ののあと、
木管楽器が民族色強い旋律を再び奏でていく。
最後は弦楽器と打楽器で盛り上がったあと穏やかに終わる。
第二曲間奏曲(アダージョ-アンダンティーノ)は、
流れるような民謡風の旋律を弦楽器が奏でて始まり、
木管楽器がそれに絡んでいき、のどかな感じである。
中間部で金管楽器中心に盛り上がる部分もあるが、
再び冒頭の旋律が繰り返されて最後静かに終わる。
第三曲終曲(アレグロ)は、カスタネットなど打楽器が活躍し、
弦楽器と木管楽器で民族色強い明るい旋律を奏でていく。
祭りのように華やかな舞曲風の音楽が続く。
中間部は木管楽器やホルンが奏でるのどかな旋律が現れ、
それを弦楽器が引き継ぎ、そのあと再び冒頭の旋律が現れる。
楽しい音楽は金管楽器も加わり、盛り上がりを増していく。
そして強烈なリズムを奏でられ、金管楽器が鳴り響き最後力強く終わる。
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ジョリ・ブラガ・サントスの一幕のバレエ「岐路」を聴く

2024-02-19 05:16:49 | 古典~現代音楽ポルトガル編
昨日聴いたのは1924年生まれの作曲家ブラガ・サントスが、
リスボンのグルベンキアン・バレエ団のために、
1967年に作曲した一幕のバレエ「岐路」である。
村で農民たちが若いカップルの婚礼を祝っている。
そこに突然何人かの街の住民たちが現れる。
そして、自分たちの楽しみのために、
花嫁が婚礼に行くことをやめさせようとする。
花嫁は暴徒たちやまともな生活から引き離そうとする女性たちの
手におちてしまうが、結局は村に戻り、恋人の腕に抱かれる。
という内容のあらすじがCDの解説に書かれている。
聴いたCDは、アルヴァロ・カッスート指揮、
ボーンマス交響楽団の演奏による。
第一楽章「全体の踊り」は、イタリアの舞曲タランテラに、
基づいているようで、荒々しい激しいリズムで始まる。
途中で弦楽器で現れる旋律は生き生きとして底抜けに明るい。
最後は荒々しい感じが戻り、不安ななりゆきを暗示している。

第二楽章「パントマイム」は、冒頭からゆったりと不気味に始まる。
そのあとも木管楽器とヴァイオリン・ソロによりその不安な感じは続く。
中間部は荒々しい感じで暴徒たちのたくらみを示しているかのようである。
再び弦楽器中心にゆっくりとした不気味な音楽となって終わる。
第三楽章「リスボンの街中の踊り」は、荒々しく始まり、
ポルトガルの舞曲ファンタンゴに基づいているようだ。
そのあと弦楽器と木管楽器により民謡的で明るい旋律が奏でられていく。
舞曲が表す荒々しさと祭りのような明るさが交互に現れ、
これは街中に出てきたときの街の陽気さを示しているのだろう。
第四楽章「パ・ド・ドゥ」は、5分の4拍子を特徴とした
ポルトガル民謡に基づき、人物の不安な心理が示されている感じである。
第五楽章「全体の踊り」は、弦のピチカートと木管楽器で始まり、
村へと戻っていく花嫁を表しているのか、明るく希望に燃えている。
民謡風な旋律が奏でられていき、盛り上がりをみせていく。
最後は打楽器の強烈なリズムと金管楽器の華やかさの中で力強く終わる。
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