Mars&Jupiter

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プロコフィエフの「アラとロリー」でストレス発散!

2007-06-16 10:37:41 | セルゲイ・プロコフィエフの作品
つい最近の職場の会話から
「いやぁ、ストレスがたまるよなぁ」
「えっ、おおくぼっちに、あるわけないでしょう!」
「何を言ってるんですか、ありますよ」
「いや、ない、ない」

何で私にストレスがないといいきれるのか?
ストレスがないのではなくて、
ストレスを発散しているのに。
クラシック音楽を聴いたりするのはその一つ。

世の中には周りから正しく理解されない不幸な人がいる。
熱があっても具合が悪いことを表現できず、
なぜか、元気そうに振舞ってしまう人、
つらいことがあっても、なぜか明るく振舞ってしまう人、
そんな人は本当の自分を理解してほしいのに、
そうは周りが思ってくれないものだ。

その一方で、「いやぁ、僕には能力ないから」と言い、
仕事を他人に押し付ける人をみると、
世の中うまくできていないなと思ってしまう。

仕事のストレスを音楽で発散したい時には、
やはり、元気の出るハチャメチャな音楽がいい。
今日からフランスからロシアの管弦楽曲にテーマを移す。
ソフトバンクの携帯電話のCMで使われたプロコフィエフ、
そこではバレエ組曲「ロミオとジュリエット」が流れていたが、
昨日は横浜駅からの帰り道で「アラとロリー」を聴いたので、
ここではそれを(スキタイ組曲ともいうが)紹介しよう。

スラヴの伝説を台本としたこの作品のあらすじは、
スキタイ人の崇拝する太陽神ヴェレスの娘アラを、
暗黒の邪教神チェジボーグが手に入れようとするが、
英雄ロリーがチェジボーグと戦い、その活躍によって
アラが救われ、愛し合う二人は結ばれるというものだ。

第一曲の「ヴェレスとアラの崇拝」は、
エネルギッシュな主題が最初から現れ、
いかにもプロコフィエフらしい音楽である。
中間部のフルートが短い音型を繰り返して始まる部分は、
神秘的で、原始的な感じを思わせなかなかいい。

第二曲の「邪教の神、そして悪の精の踊り」は、
チェジボーグと地下から呼び出した悪霊たちによる踊りで、
最初のダイナミックな主題が邪悪な感じがでている。
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」の中の、
「カスチェイの凶悪な踊り」を思わせるような曲である。
もちろん、プロコフィエフのストラヴィンスキーからの影響は、
この作品において随所にみることができる。

第三曲の「夜」はチェレスタ、ハープと弦によって、
夜の怪しげな雰囲気が作りだされる。
チェジボーグと地下から呼び出した悪霊たちは、
この暗闇の中でアラを連れ去れるために襲いにやってくるが、
月の女神の力により、アラは危機を乗り切る。

第四曲の「ロリーの輝かしい出発と日の出」は、
やはり、プロコフィエフらしい音楽で、
次第に音楽は壮麗さを増して終わる。

プロコフィエフにとっては最初の2曲については
そのオーケストレーションは簡単だったようで、
あとの2曲のオーケストレーションに苦労したようである。
確かに楽器の使い方に、凝ったような感じを受け、
試行錯誤を繰り返したと思えるところもあるが、
逆に前の2曲に比べるとインパクトが弱く、
両者にはっきりとした違いを感じることができるが、
しかし、私は第二曲が好きで、それでストレス発散だ。
ええいっ、もう一回第二曲を聴いちゃえと思っているうちに
ゴール地点の星川駅が見えてきた。

なお、フランスの管弦楽曲編でとりあげたCDは、
http://www1.ocn.ne.jp/~bocchi07/ongaku-kenkyu.html
に載っていますので参考にしてください。

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