京都の長岡京市会議員の小原明大(おはらあきひろ)です。九小・三中・西乙・神戸大卒。ツイッター・FBもお願いします。
おっはー!




虐待死のことで、たくさんのコメントありがとうございます。

まだまだ自分の考えがまとまりませんが、発展途上で書いていきます。党の公式見解ではありません。

つっこみや訂正がきくのがブログの魅力かなとも思うので。



児童相談所は、京都には3つ(福知山・京都・宇治)しかないそうです。

京都児相(所在地:上京区)の担当地域は、長岡京市を含む乙訓地域~京丹波町!!行って帰ってくるだけで大仕事!

それを5人の虐待担当が、平均110件のケースを抱えてやっているという・・
毎日5件回って、ひと月でやっと回りきれる数です。



訪問といっても、相手がいつでもいるものではないので、夜に集中します。
知り合いの話では朝7時に出て毎日夜11時。休みに勤務もしばしばだそうです。自分の家庭の方が崩壊しそうだという話です。



この激務と人員不足が、あの所長のけしからんコメント「ほかにも通告があれば対応は変わったかもしれない」の裏にあるのかなと思います。

拓夢ちゃんの件だけを見れば、「なんで訪問せーへんねん!」と誰もが思いますが、それと同様のケースが110件あると考えてください。

こうなると、対応マニュアルがいくら整備されていても、マニュアルどおりにやれるのか疑問です。
すると優先順位の問題になってきます。

「どのケースがより緊急性がありそうに見えるか」「そのケースがひんぱんに言ってくるか」「エライ人から言ってくるか」などというのが優先順位になってくると想像されます。


民生委員からの電話を、「通告」(安全確認要)として処理しなかったのは、判断ミスです。
しかしその背景には「なんでも通告として受けていたら仕事が回らん」というプレッシャーがなかったか。
福祉事務所が生活保護の申請書をなかなか渡してくれないのと同様に・・



党府会議員団は、知事に緊急申し入れをしました(みながわ朋枝さんも同行)。

①徹底究明と再発防止策 ②現在あるケースの全件訪問 ③対応しきれる人員・ネットワーク体制確立 です。

これに対し副知事のひとこと目は、「人員不足よりも判断の問題。」


これから原因究明しようというときに、最初から結論に道すじをつけるのはおかしいのではないか。
なんか殺人事件なのに最初から自殺と決めつけている刑事ドラマを思い出します。

府がこんな姿勢だから、所長も「決して人員不足なんて言わずに判断ミスとコメントしろ」という方針になっているに違いありません。



もちろんすべてを人員不足のせいにするつもりはなく、判断にも大いに問題あるし、もとをただせば虐待する親が悪いに決まっているのですが。

この問題がもし、「やっぱり公務員のことなかれ体質」「もう児相なんて役立たず。頼ってもムダ」なんて結論にされたら、公務員だけではなく子どもたちこそ不幸です。

拓夢ちゃんのところに訪問していたら、その間にほかの子が命を落としたかもしれない・・言いすぎでしょうか。しかし110件のケースというのは、それを示唆していると思います。

ヤフーで検索したら、どの新聞社説も「人員増を」と言っています。この5年ほどで虐待件数が3倍にもなっている(明らかになっている?)実態に合わせるべきです。



そのために、公務員がもっとたたかわなければなりません。

大山崎の保育所職員は、民営化問題が出てきたときに、「保育を考える会」をつくり、懇談会や署名などを通じて保護者や住民と相互理解を深め、とうとう町長まで代えました。

ユーザーと提供元でなく、どっちも人間なのです。
たたかわずバッシングに耐えているだけでは、現状容認で同罪と言われても反論できません。



私たちはそれとともに、なぜこんなに虐待が増えるのか、もっと考えていかなければなりません。

・・・えらそうに書けば書くほど「口だけ人間」のように思えてへこみますが、やり取りの中でお互い生まれるものがあると信じて。コメントお待ちしてます。

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コメント
 
 
 
原因と責任は別問題 (しっかりしろ!吉川市)
2006-10-28 13:35:46
おっはー先生お疲れさまです。

まず、人手不足は責任回避の理由にはなりませんが、原因の理由にはなり得ると考えています。勿論、判断ミスもあります。原因は決定的なただ一つの問題ではありません。しかし、もっとも大きな原因は情報を公開せずに身内をメチャクチャな論理で庇い、隠蔽しようとするおよそ社会常識から逸脱した役所の「意識」です。

私は所長のコメントのウラを取る気はありません。記者会見やインタビューで外に流れたものは、全て公式の見解であり、最後までその発言の責任を取る義務があります。それは民間企業の幹部であれ、政治家であれ、同様の責任と義務が発生します。それはこのような不祥事であれば一層厳しくなります。



>拓夢ちゃんのところに訪問していたら、その間にほかの子が命を落としたかもしれない・・言いすぎでしょうか。



確かにこれは言い過ぎだと思います。結果として他の子供が同時期に亡くなっていないのですから。それともこんな事情の子供を救出したという事例がありますでしょうか。苦渋の選択を仮にしたとしても、プロなら結果責任は負うべきです。

それに潤沢な人材が揃っている職場など、少なくともこの日本には存在しません。公民問わず人手不足を何ならかの方法で補いながら仕事をしています。その中で仕事に優先順位を付けるのは定番の方法です。しかし、仕事に優先順位を付けるのは非常に難しく、最適な優先順位を付けるには経験や能力を要求されます。今回は優先順位の「判断」が間違っていたと仮定すると、誰がどのような基準で優先順位を付けたのかが問題となるはずです。判断基準がなければ、個人裁量で行っていたことになり、判断基準があったのであれば基準そのものが間違っていたことになります。



>ユーザーと提供元でなく、どっちも人間なのです。



役所の意識が足りない部分の一つです。ユーザとサプライヤー(提供元)の関係を役所は認識すべきです。役所はサービス業です。税金や利用料を対価として、良質なサービスを提供するという意識が行政にはありません。だから、保育所の民営化を何のポリシーもなく、説明責任さえ果たさずに居丈高に押しつけてくるのです。私は民営化に関して反対するつもりはありません。従来より、安価で高品質なサービス提供が出来るのであれば、率先して民営化をするべきだと思っています。ただ、行政からそれを提案するのであれば、私たちが納得し、安心してサービスが受けられると確信できる説明をし、それらを行政がしっかり担保する事が出来れば何ら問題がないと考えています。しかし、吉川市は勿論どこの自治体でもこんな話を聞くことは希です。民営化成功がニュースになるということが、どれほどの民営化失敗があるのかを物語っています。

 
 
 
人員削減 (Mr.Koh)
2006-10-28 21:50:46
最近、重要なところ、人手が必要なところの人員が減少傾向にあると感じている。

人手が必要なところの人員が減ったことで悪い影響が噴出してきている。学校では、いじめの黙殺、履修科目の授業の省略(人員削減には直接関係ないかな?)。

病院では、産婦人科医の減少により、子供が産める病院が少なくなり、子供を産むのにも大変になっている。また、金儲けができないから小児科が減少し、安心して子育てができなくなってきている。

警察は人手がないから、駐車違反の取り締まりを民間委託しているし、誤認逮捕も増えていると思う。

公務員を減らすといって、色んなものを民間委託して、公共的なものを安心して利用できなくなってきた。ある自治体では、住基ネットの取扱を民間委託しようとしている。



なんだか、安全な日本が危険な日本へと変貌している。



今、安心して暮らしていくために、必要なところに人を増やせと言う声を上げていかないといけないね。
 
 
 
サービスは嫌い (おっはー)
2006-10-30 00:36:34
私は行政サービスという言葉が嫌いです。サービスというと、してあげてるみたいな響きがあります。公共の仕事は対価に対するサービスではないと思っています。



よく介護制度とかで、「サービスの質を落としません」などと言われるが、福祉は保障されるものであってサービスじゃねえと内心思います。



憲法や法律で、健康で文化的な生活というのがどのラインかが規定されれば、それを守れる水準が行政が果たすべき仕事の水準です。



子どもの命がかかる場面において、対価に対して妥当な範囲内のサービスが提供できればよいとはなりません。



これは問題発言かもしれませんが、就業時間外であっても必要なことなら無給でもすべきなのが公務員ではないかと思います。もちろんずーっと無給ではいけないのですが。



たしかに公務員の仕事に対する責任感や積極性を向上させるには、「税金もらってるんだ、もらった分の仕事をしろ」というのは有効な圧力だとは思います。



しかし本当は、公務という仕事のやりがいと使命感そのものによって鼓舞されるようであってほしいと切に願います。



そういう環境をつくることを、議会サイドでできたら、自分の存在意義があると思っています。
 
 
 
辛い。 (ぶっさん@高知)
2006-10-30 21:45:07
僕もまだ考えがまとまりません。

辛い事件です。



素人考えですが、児童相談所を、中学校区ごとに設ける、というのは、できないでしょうか。(児童相談センターとその支所、とか、形態はあれこれ工夫することにして。)
 
 
 
行政サービス (しっかりしろ!吉川市)
2006-10-31 00:21:35
おっはー先生お疲れさまです。

私は逆に「行政サービス」という言葉が好きです。対価と言っても、1万円で1万円のサービスを受けるのはのは当たり前の話で、1万を超えるサービスを受けて初めて価値を見いだせると考えています。しかし、その価値を決めるのはサプライヤーではありません。あくまでもユーザでなくてはなりません。

私は公務員も民間企業社員も同等と考えています。民間のサービス残業がNOなら、公務員も同じです。



>しかし本当は、公務という仕事のやりがいと使命感そのものによって鼓舞されるようであってほしいと切に願います。



確かにその通りです。民間であっても、会社に忠節を誓うだけでなく職務に忠実であるべきだと考えています。しかし、バブル以来、アメとムチが無ければ動かない社会になってしまったのです。これが現実なのです。

 
 
 
遅れました (おっはー)
2006-11-02 06:46:45
うまく言えないのですが・・

保護者は紙おむつのほうが短時間ですむので、保育所に入るときは「えー!」と思うけど、保育所は子どもの成長(排せつしたら知らせるとか、きもちわるいという感覚とか)を考えると布おむつをすすめる(ていうか強制する)

みたいな部分が、行政にはあると思っています。いまの未履修問題でも、学校からしたら進学に関係ないのを飛ばして授業をするのはサービスのつもりかもしれませんが、本当に生徒の教養や人格を考えるのが学校ではないのかと思います。

こんな聖職意識が、特権意識になっているのかもしれませんが・・。公務員バッシングとの間をとりもちながらいい方向にもっていきたいですね。

>ぶっさん様

府とか市とかのタテ割りの問題ですよね。私も市とかの動きを強化しなければならないと思います。
 
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